CONVERSATION座談会

地域との関わり方と将来の選択

若者が集まり、ふるさと納税や地域について議論するFurusato Hot Times座談会。
第4回は地域との関わり方について悩みを抱く若者3名と、
東京にいながら様々な地域と関わる選択をしたトラストバンクの社員2名で
将来の選択について考えました。

  • 平川 直睦19歳

    出身:富山県南砺市

    < ふるさとのココが自慢 >
    若者のために行動してくれる
    大人がたくさんいること!

  • 河西 駿平21歳

    出身:山梨県南アルプス市

    < ふるさとのココが自慢 >
    農家をしている方が多いので、購入しなくても美味しい果物が食べられます。

  • 新保 遥21歳

    出身:新潟県新潟市

    < ふるさとのココが自慢 >
    「地元=家」と思うくらい
    温かみがある。繋がりの
    深さをいつでも感じられる。

  • 赤堀 日向子

    パブリテック事業部
    出身:兵庫県姫路市

    < ふるさとのココが自慢 >
    世界文化遺産の姫路城。
    観光するなら桜の季節が
    おすすめです。

  • 小林 遼香

    チョイス事業部
    出身:兵庫県西宮市

    < ふるさとのココが自慢 >
    野球部の憧れ阪神甲子園球場。
    西宮市民の中学生なら
    土を踏む機会もあります!

好きな地域と住みたい地域に
求められるもの

好きな地域はありますか?
その理由も教えてください。

平川 好きな地域は東京です。東京にはユニークな考えを持った人たちが多いなと思います。そんな東京に訪れたり、住んだり、そして離れていく人たちがなぜその選択をしたのか、に興味があります。東京の素敵な部分を地元に持ち帰りたいと思っています。

赤堀 地元が好きなのはもちろんなんですが、岩手県遠野市という地域が大好きです。以前何度も遠野市を訪れる機会がありました。日本の故郷の風景というのは、田んぼや畑が広がっていて、山があり、川が流れていて、夏だと入道雲が浮かんでいるイメージなんですが、遠野市から見る景色はまさしくそれで。そんな景色を持つ遠野市がとても好きになりました。

河西 好きな地域は神奈川県横浜市のみなとみらいエリアです。理由は、地元になかったものが全部あるなと感じたからです。(笑)海の近くに大きな建物があったり、街の明かりがキラキラしていたり。「ザ・都会」の生活に憧れを持って地元を離れたので、横浜に衝撃を受けました。

小林 私も赤堀さんと一緒で、地元でも今住んでいる場所でもなく、岐阜県飛騨市が好きです。住民の皆さんの行動や雰囲気が本当に素敵な地域です。道にゴミ一つないような地域なんですが、それは、住民の方たちがゴミを拾っているからだそうです。さらに、鯉が用水路を泳いでいるんですが、冬には凍結してしまうので、住民の皆さんで鯉の引っ越しをするという行事もあるそうです。ぜひ行ってみてほしいです!

新保 好きな地域は地元新潟県です。自分でも自分が地元愛に溢れているなと思うほど、大好きな地域です。皆さんも自分の地元に対して感じているかもしれませんが、私の地元は人と人との関わりの深さに温かみを感じられます。また、ご飯もとにかく美味しくって。心もおなかもパンパンに満たしてくれる地域です。

大学卒業後、どこに住みたいですか?

新保 今のところは東京か神奈川だなと思っています。就職活動中でたくさん企業を探しているんですが、地元に「行きたい!」と思える企業が少なくて。行きたいなと思える企業が多いのは東京なので、働くなら東京に住みたいなと思っています。でも、結婚や出産、子育てをする年齢になったら、新潟に戻りたいというのが本音です。

河西 僕も、地元に行きたい企業があるなら、帰郷するのもありだなと思います。地元は田舎ではあるものの、交通の便が良く、都会にもすぐに行けるような場所なので、不便ではないんです。ただ、就職を考えたときに選択するのはやっぱり東京かなと思います。地元から完全に離れたいわけではないので、できるだけ東京の中でも自然があるような地域に住みたいです。よく二子玉川に訪れるのですが、都市と自然が融合したような雰囲気がすごく素敵だなと感じています。老後は地元でゆっくりしたいです。

平川 まだ住みたい場所がはっきりしていないです。「好きな地域=住む地域」というわけではないです。まだまだ知らない地域ばかりなので、たくさんの地域を知ってから決めたいという気持ちがあって。だから限定したくないと思っています。両親から「地元で一緒に住まないか」と言われているので、いつかは地元に戻ろうと考えてはいますが、住む場所の選択肢を狭めないようにしたいです。自分の「やりたいことができる場所」を見つけるのが今後の目標です。

社員のお二人は、進路選択の際に
なぜ東京を選ばれたのですか?

小林 東京を選んだ理由は3つあります。1つ目は、東京への憧れです。大学時代から「東京じゃないと嫌だ!」そんなスタンスでした。2つ目は選択肢の多さに魅力を感じました。いろいろな選択ができるのが東京だと思います。私は、企業に入社するという選択を選びましたが、他にも就職先を限定せずに夢を追いかける選択をしている人もいて、生き方の選択肢が広がりました。3つ目は、人と繋がりやすいということです。何かやりたいことを周囲に話すと、やりたいことに関係する誰かに繋げてもらえる、そんな地域だなと実感しています。何かしたいと思ったときに誰かと繋がることができる東京にいたいなと思いました。

赤堀 私も、選択肢の多さが東京を選んだ理由の1つです。学生の皆さんも言っていたように、企業の数がものすごく多いです。地元には行きたい会社が少ないという話もありましたが、東京は地方に比べると、大企業からベンチャー企業、小さな企業まであります。大学が東京だったので、就活も東京でしていましたが、、縁があって最初の配属先が岡山県岡山市でした。その時思ったのは、地域に根差した活動(仕事)はできるものの、一拠点の人としか関わることができないということです。東京に出てきて、俯瞰的に地域や地元と関わるという選択や、その大切さを知ることができました。

小林 実際に東京に住んでみて、東京に憧れていた当時と変わらずとてもいい街だなと思います。ただ、東京以外に住むのもありだなと思うようにもなりました。最初は絶対に東京しかないと思っていましたが、今はリモートワークで働くという選択肢もありますし、東京に「住む」ということにこだわらなくてもいい気がしています。

赤堀 大学生活と社会人生活含め10年以上東京にいるからこそ思うことかもしれないですが、小林さんと同じく住むなら東京以外の地域もいいなと考えています。今後は別の地域に住むことも視野に入れています。

地域との関わり方は1つではない

今後地元や好きな地域と
どのように関わってみたいですか?

小林 今までは仕事や住むことを軸に地域を決めていましたが、今は自分のしたいことができる地域と関わりを深めていきたいなと思っています。好きな地域というよりは「たまたまその地域」と関わる、という感じです。この地域のためにこれをしよう、と思うのはもちろん素敵ですが、最近は予定調和よりも偶発的な出会いを求めているので、まずは自分のやりたいことを考えて、関わる地域や関わり方を決めたいと思うようになりました。

現在、プライベートで100人くらい参加するような音楽フェスに携わっているのですが、それができるのがたまたま群馬県でした。このような感じで、自分がしたいことが先にあって、それができるような場所を見つけて、その先に住んでいる人との出会いがあって、新たなことにチャレンジできるのはすごくわくわくすることだと思っています。

新保 地元の魅力をより多くの人に発信したいです。今回のイベントで地元に戻る以外の選択肢として、地域の良さを知ってもらう活動を行ってみたいなと思うようになりました。そうすることで、私だけではなく、多くの同世代が今後地元とどう関わっていくのかで悩むことが少なくなるかもしれません。また、地域を俯瞰して見れる点で、広報的な仕事は魅力的だと思いました。SNSなど沢山の人に発信できる環境があたりまえのようにある時代なので、それらを活用して地元のことを発信したいです。まだまだ「どんな関わり方をしたいか」を考えたときに整理ができない状態ではありますが、地元と仕事で関われたらいいなと思っています。

小林 ダイレクトに地域を発信することを仕事にするのも1つの選択ですが、仕事は発信のスキルを身に着けるための場所にして、ボランティアや副業でスキルを生かして地域と関わるという選択肢もあるかもしれないですね!

河西 僕も地元の魅力を発信したいです。街づくりに興味があるので、「ミニ山梨」をつくることができたら面白いなと思いました。海外にあるチャイナタウンのようなものをイメージしています。地元から離れてみて、地域を俯瞰して見れるようになりました。そんな時に東京の人から「山梨ってどこ?」と聞かれることがあったんです。いや、東京の隣なんだけどなと思ったんですが、認知度があまり高くないように感じました。東京で売られている果物の約7割は山梨で作られたものだそうです。ポテンシャルがある地域だと自負しています。そんな意外と知られていない情報を街づくりを通じて発信していきたいです。また、直接的な関わり方としては、実家が農家なので、定期的に帰って果物を作る生産者側になってみるのも面白いなと思っています。まずは、山梨に関わりたい同世代を見つけることからスタートさせたいです。

平川 僕は訪れた地域の良さを他の地域に伝えることができるといいなと思っています。間接的な関わり方もしつつ、対面で直接的に地域に関わりたいです。今、ネットが発達して、簡単にコミュニケーションが取れるようにはなったものの、実際に地域の人たちと顔を見て話すことで知れることが増えたり、関係を築けたりするように感じています。だから、僕が地域と地域を繋ぐ役割になっていきたいです。色々な情報が集まっている場所をつくるのではなく、自分が沢山の地域に行って、良さを知って、他の地域にその良さを伝達していくことをしてみたいです。僕の地元の良さを知っている人が各地域に点在しているようなイメージです。田舎に住んでいて感じたのは、田舎は発達していないからこそ沢山の文化を吸収できる環境にあるということです。沢山の地域の沢山の良さを集めて、分散させて、新しい地域の形を作っていけたら嬉しいです。

赤堀 トラストバンクのパブリテック事業部の関わり方にものすごく満足していて、好きな関わり方だなと思っています。地域や地元について考えると、どうしても自分の地元とどのように関わっていくかに偏りがちですがそうではなく、東京にいながら地元や他の地域とも関われるというのが理想的な関わり方だと思います。

主催者よりひとこと

「地元に戻るか」それとも「東京に残るか」大学進学を機に拠点を東京に移した学生は、就職活動を始めるタイミングで一度は考えたことのある内容だと思います。今回は、そういった将来の選択に不安や悩みを持つ学生と、東京で働く選択をしたトラストバンク社員で、地域との関わり方について話し合いました。「将来どこに住みたいのか」という問いに対して、住む=働くという考え方をしている学生が多く、大学でリモートを経験している世代であるものの、仕事をリモートで行うという言葉が出てこなかったことが印象的でした。「地域と関わる」ということは、たまに遊びに行ったり、街の人とお話ししたり、地元を友人に紹介するなど、ハードルが高いものではないと思います。今後も、若者が地域と関わる方法を見つけられるように、お手伝いできると嬉しいです。

Furusato Hot Times 運営 
村上花音