CONVERSATION座談会

改めて考える、共感の持つ力

若者が集まり、ふるさと納税や地域について議論するFurusato Hot Times座談会。
第3回は最近よく耳にする「共感」という言葉に着目し、その言葉が使われることの多い
プロジェクトやクラウドファンディングに対する考えを交えながら、
「共感とは何か」また、「共感とはどのような力を持つのか」を
20代前半の若者7名で話し合いました。

  • 後田 将人23歳

    < 今興味を持っている地域 >
    岐阜県郡上市、徳島県阿波市

  • 山下 颯大21歳

    < 今興味を持っている地域 >
    北海道八雲町、北海道東川町

  • 篠田 大知20歳

    < 今興味を持っている地域 >
    神奈川県相模原市藤野地域

  • 鎌野 真美

    < 今興味を持っている地域 >
    鹿児島県、神奈川県横浜市

  • 金子 直樹23歳

    < 今興味を持っている地域 >
    神奈川県鎌倉市由比ガ浜

  • 長谷 拓海23歳

    < 今興味を持っている地域 >
    栃木県那須町、千葉県御宿町

  • 多田 祐里奈

自分以外の人が動くときに
必要とされるもの

共感が必要だと思った瞬間や
意識した瞬間はありますか?

篠田 僕はプロジェクトを大学で行うことになった時に「共感」を意識しました。地域を盛り上げるために、大学のバスを活用した農業体験の企画や地域にある茶畑のお茶の販売などを行おうとしたんです。ただ、その際に、反対意見もかなり上がってきて。こういった新しいことを進める、かつ支持していただくためには共感が必要だと感じましたね。

金子 自分もかなり近くて、「共感」は会社なり組織なりチームなり、ある一つの目的にビジョンを持って進む際には、パッションが必要で、そのパッションを作るためには「共感」が必要になるんじゃないかと思います。また、「人が動く瞬間に最も必要なもの」ということもできると思います。自分自身は事業を立ち上げる際に、人を集めたり、人と何かつながることが必要だったので、意識するようにしていました。

後田 自分は少し抽象的に考えてみました。例えば、趣味で絵を書くのは、自分の範囲を超えずに行うものだけど、もし個展をやるとなったら、場所や準備で誰かに協力を得ないとできないものになるんじゃないかなと思います。それはさっき金子君や篠田君の言った事業やプロジェクトでもそうですし、日常生活でもありうることだと思います。なので自分の半径5メートルよりも想いや規模間が大きくなってきたら「共感」が必要になるんじゃないかなと思います。

多田 私は「共感」という言葉を聞いたときに就活が思い浮かびました。「御社の企業の理念に共感しまし。」というワードをよく聞くなと思ったんです。一つの目的に共感して人が集まり、繋がり合っていくのは企業にも当てはまることだと思います。そう考えると、やはり人が集まる時には、「共感」が必須の条件になってくるのかもと思いました。

共感にはどんな力があると思いますか?

後田 普段考えてしまう時間とかおカネについて考えず、馬鹿力を出すことができるものだと思っています。元々知らないことであったとしても、共感することによって、自分の時間を使ってでも応援したくなったりします。学生のプロジェクトなんかは特におカネがあるないに関わらず走り出しているものが多い印象です。時間を忘れて没頭する時に出てくるパワーやエネルギーは共感によって生み出されているのかもしれないと感じました。

多田 私はチームの中で、個々の持つ能力を最大化する力があると思います。人に言われてなんとなくやるのではなくて、チームの中で「共感」できるものがあることによって、自分自身が興味を持ち、突き進めるのではないかと思うんです。なので共感できる目標が一つあると、それがモチベーションにつながり、それぞれの潜在的な能力を発揮させることができるのではないかと思います。

篠田 確かに、何事も始めるときは共感がないと進まないですよね。先ほど上がったような馬鹿力やモチベ―ションによって事業は前に進むのではないかと思います。僕はそれに付け加えて、深く理解する力もあるのではないかと感じました。やりたいことや悩み、課題などは共感が生まれることによって、もっと知りたいという深い理解に繋がると思います。

金子 原動力になるものなんじゃないかなと思います。とくに思うのはプレゼンの時とかですかね。プレゼンのゴールってわかってもらうことじゃなくて、人の心に響かせることだと思うんです。それって、それが論理的な説明かどうかとか、頭が良いというだけでは難しいと思うんですよね。しっかり説明をしたうえで、パッションに共感してもらうことが大切なんだと思います。

共感を生むために工夫していることはありますか?

篠田 自分はチームの中でもなるべく笑顔でいることを意識しています。これの必要性を感じたのは、大学の先輩がきっかけでした。彼女はずっとニコニコしていて、周りには沢山の人がいるんです。その方に情熱があるのはもちろん、笑顔が掛け合わさることで、人が集まる理由になっているのではないかと思います。笑顔があるかどうかって些細な違いのように感じるかもしれないですが、長期的に考えてもすごく大きな違いだと思うんです。

後田 僕は少し前に自分でクラウドファンディングのプロジェクトをしたのですが、その時に「共感」を生み出そうとしすぎて、「こんなにも困っている」ということをだけに偏った発信をしてしまうと、支援しようとそのプロジェクトに興味をもってくれた方も疲れてしまうのではないかと感じました。そこでどうしたら気持ちよい状態で応援していただけるのか、と考えたときにたどり着いたのは、自分たちが何に向かって活動をしているのかを示し続けることでした。どんなことを考えて、それをどう生かしたのかを語っていると、ありがたいことに、自然と僕たちの活動やその先ゴールに共感し見守ってくださる人が増えたような気がします。僕の語りかけた言葉のどこかに共感してくれていたのなら嬉しいですね。

通常ではできないような
大きな想いが形になる仕組み

クラウドファンディングとは
どのような制度だと思いますか?

山下 想いを形にする手段だと思っています。クラウドファンディングって0から1を作る方法の一つだと思っていて、自分の想いから始まったものが、誰かに共感してもらって支援してもらうことで形になっていくじゃないですか。そうやって形にすることで、自分たちのしていることを知ってもらうきっかけにもなると思うんです。

鎌野 私は共感と協力を求める制度かなって思いました。そもそもクラウドファンディングをやる理由は資金不足だと思うんです。目指したいものに対して、自分たちだけでは達成できなくて、「それでもやりたい、だからお願いしたい。」ということなのではないでしょうか。なのでクラウドファンディングでいう協力の手段はおカネなんじゃないかなと思います。ただ、共感がないとそもそも協力してもらえないので、そこに対する想いを表現する必要があると思います。クラウドファンディングをする側と応援する側の思いが重なった時に、それが初めておカネというものに変わり、協力するということになるのではないかと思います。

長谷 大体お二人と同じなのかなと思うのですが、僕は共感という力によって大きなプロジェクトを形にする仕組みかなと思っています。特に面白いなと感じているのは共感していれば、誰でも応援者になれるというところです。クラウドファンディングの場合は、誰でも応援したい人にお金という形で想いを届けることができると思います。自分の推しのプロジェクトみたいなものを自分で応援できるのは嬉しいです。

ガバメントクラウドファンディング®
(GCF®)をどのように活用したいですか?

長谷 僕は地域で頑張っている人を知ってもらうきっかけとなる制度だと思いました。GCF®を通して、自分たちの活動内容を知ってもらうことで、共感したファンを増やすことにもなるのではないでしょうか。現在、自分の知り合いの方が地域おこし協力隊として活動しており、牧場の牛乳を使ったソフトクリームやアイスクリームの特産品開発を頑張っているのですが、機械の導入などの初期費用がかなり高額とのことでした。ぜひその友人には勧めてみたいですね。

鎌野 GCF®は地域で活動する団体を知れることが一つの特徴だと感じました。サイトには色々な団体の方がいて、その方々の文章で活動について書かれています。意外と地域について活動する方の情報がまとまっていることってないので、自分たちの活動の参考になるのではないかと思いました。また、新たな団体の活動について知ることによって、応援したくなるような地域を見つけることもできるのではないかと思います。私は鹿児島が大好きなので、応援するとしたら鹿児島とか九州に目を向けることが多いです。ただ、東北や関東などにも魅力的な地域や応援したくなるような団体ってあると思うんです。今はそもそも目を向けるきっかけがないのですが、GCFをチェックすることによって、知らない地域の魅力をどんどん深ぼれるのではないかと思いました。

山下 僕は自分がGCF®をする側として考え、「教育」の分野でチャレンジしたいと思いました。こちらから与えた問いの答えを教えるような学び舎ではなくて、子供たちを遊ばせる中で生まれた、子供たち自身の問いの答えを導き出せるような場所を作りたいですね。今はテクノロジーで効率化を図ることのできる部分が多くあると思います。なので校舎はあってもいいし、なくてもいい。地域のいろんな人や場所に出向いて活動するのが面白いと思っていて、町と一緒に取り組めると良いと思っています。