【令和6年度】愛馬の無病息災を願う祭り「チャグチャグ馬コ」の継承のために

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 295,000

29.5%

目標金額:1,000,000

達成率
29.5%
支援人数
27
終了まで
65
/ 91

岩手県滝沢市(いわてけん たきざわし)

寄付募集期間:2024年4月4日~2024年7月3日(91日間)

岩手県滝沢市

プロジェクトオーナー

馬産地として知られる東北岩手では、古くから人と馬が生活を共にしてきました。伝統的家屋である「南部曲り家」は、土間を隔てて居間と厩が続いたL字型の構造で、一つ屋根の下で人間と馬が寝起きを共にする人馬一体の住空間を作り出していました。
今も南部曲り家や馬事文化の残る岩手県滝沢市では、農耕に疲れた愛馬を慰安し、その無病息災を願う「チャグチャグ馬コ」という伝統的なお祭りがあります。毎年6月第2土曜日に、色鮮やかな装束を身に着けた農用馬が、子どもたちを乗せ、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市中心部の盛岡八幡宮までの約14キロメートルを行進します。
平成2年のチャグチャグ馬コには102頭の装束馬が参加していましたが、コロナ禍で2年間中止後、約60頭程度まで減少しており、地域の大きな課題となっています。市内の農用馬の飼育頭数も年々減少傾向にあり、県内外から相当数の馬を借用してチャグチャグ馬コを実施しているのが現状です。
そこで滝沢市では、市内の馬資源の確保を目的に、メスの農用馬を所有し、及び繁殖させ、生産された仔馬をチャグチャグ馬コへの出馬者に無償で譲渡する取組みを行っています。
このような色鮮やかなだけではないチャグチャグ馬コの現状や課題、馬主さんの思い・苦労を知っていただき、ファンの獲得や継続的な支援につなげていこうとするものです。
いただいた寄附金は、チャグチャグ馬コの実施や継承のために活用します。具体的には、チャグチャグ馬コ馬資源確保事業(市有馬の飼養管理など)及びチャグチャグ馬コ関連事業(チャグチャグ馬コの実施、装束馬の派遣事業など)に充当します。

※寄附金額は2,000円以上でお願いしております。
※寄附金額が目標に達しなかった又は、目標を超えた場合であっても、全額をチャグチャグ馬コの実施や継承のために活用します。

令和5年度に滝沢市初のガバメントクラウドファンディングを実施しました。
大きな反響を呼び、県内外から多くのご寄附をいただくことができました。
第2弾である令和6年度は、チャグチャグ馬コの開催時期に合わせて実施いたします。

さらなる課題

令和5年度に実施したガバメントクラウドファンディングでは、皆様からたくさんのご寄附をいただきました。
いただいたご寄附は、今年のチャグチャグ馬コ開催に向けての準備や滝沢市の馬事文化へ活用させていただいております。

しかし、チャグチャグ馬コは毎年行われるため、一度ですべての問題が解決する訳ではありません。
今、滝沢市では馬を飼い続ける馬主さんへの継続的な支援が必要となっています。

継続した支援の必要性

装飾品の新調

馬を飾る装束。ひとつひとつ家族の手によって丹精こめて作られます。

愛馬を彩る色鮮やかな装飾は、ほとんどが馬主さんやそのご家族が用意するものです。
愛馬の装束は、主に農作業のない冬の時期に家族が手作りで製作します。
くさずり、むながい、しりがい、くびよろい…
チャグチャグ馬コの装束は、麻糸を編むところからスタート。房をひとつひとつ手編みし、裏地をつけ、鈴を丁寧に縫いつけます。
麻や綿などの素材にもこだわり、馬が着用した際に着心地良く着られるように工夫されています。

ひと冬では終わらず、完成まで数か月、数年かけて作り上げる家庭もあります。

クラウドファンディングで集まった寄附金では、装束代として馬主さんの負担軽減のお手伝いに使用させていただきます。

装飾馬の派遣

現在の滝沢市では農用馬の頭数が減少し、県内外から馬を借りてチャグチャグ馬コを開催しています。
クラウドファンディングで皆様からいただいたご寄附は、来年のチャグチャグ馬コ行事の開催資金として活用させていただきます。

地域への馬事文化への継承

おそるおそる、でも皆興味しんしん

現在、6月の第2土曜日に行われているチャグチャグ馬コですが、元々は旧暦の端午の節句に行われていました。
昭和33年(1958)からは新暦の6月15日に変更になり、平成13年には観光客や出馬者が参加しやすいようにと、現在の開催時期である6月の第2土曜日に行われるようになりました。

時代と共に移り変わる開催時期ですが、以前は平日に行われる事もあったため、スタート地点である鬼越蒼前神社の近所にある保育園の子などが馬を写生したり、見物に来ていました。
現在は土曜日に開催されるため、滝沢市内でも遠くに住んでいる子どもは、チャグチャグ馬コを見たことがない、という子も。

本プロジェクトでは、保育園などに装束馬を派遣し、小さな子がチャグチャグ馬コに触れ合う機会を作りたいと考えています。
将来、一人でもチャグチャグ馬コに関わりたいと考える子どもの育成にも力を入れていきます。

滝沢市チャグチャグ馬コに携わる方々にインタビューをしました!

滝沢市観光物産課 菅野さん

滝沢市観光物産課 菅野さん 昨年のチャグチャグ馬コ行進にも参加!

Q1、前回のクラウドファンディングの反響はどうでしたか?

「チャグチャグ馬コ保存のためのふるさと納税を待っていた」
「チャグチャグ馬コがこのような現状になっているとは知らなかった」
「馬を大切にしている姿に心が暖かくなる。いつか見学に行きたい」など、数多くのありがたいメッセージを頂戴しました。
クラウドファンディングを通じて、チャグチャグ馬コという馬を愛する文化とその現状を多くの皆さんに知っていただき、ファンになっていただいたものと思います。
企画・実施して本当に良かったです。

Q2、今回のクラウドファンディングの開催について教えてください。

上記の意見のほか「来年以降もこのプロジェクトを続けてほしい」「馬コの時期に合わせた方が良い」といった意見も複数いただきました。
令和5年度は市有馬「鈴音」が生まれたことを機に急いで準備したため、あのような実施時期となったのですが、我々としても祭り本番との相乗効果を期待し、時期を合わせて実施したいと考えていましたので、心強い後押しとなりました。

Q3、現在の滝姫と鈴音について教えてください。

2頭とも、現在は馬っこパーク・いわてで元気に過ごしています。
鈴音は、離乳も完全に終わり、すっかり大きくなりました。今年のチャグチャグ馬コには、2頭とも装束馬として参加できると思いますので、立派に育った姿を見ていただきたいです。
夏には牧野に上がり会えなくなりますが、それまでは馬っこパーク・いわてで会うことができますので、そちらにも是非足をお運びください。

Q4、最後にクラウドファンディングへの参加者の皆様へ一言お願いします。

チャグチャグ馬コには、きらびやかな装束に身を包んだ愛馬を誇らしげに自慢する馬主さんの想いが詰まっています。一方、農用馬の維持には大きな負担が伴います。
このプロジェクトを通じ、馬を愛する文化・伝統と華やかなだけではないその現状を皆様に知っていただきたいと思います。後世にこの祭りを繋いでいくため、皆さんの御支援どうぞよろしくお願いいたします。
また、今回のクラウドファンディングでは、専用返礼品として本番の行進行事に参加できる権利を御用意いたしました。基本的にチャグチャグ馬コには、出馬者とその家族しか参加できませんので、またとない非常に貴重な機会となります。是非、行列の一員として祭りの熱気を御体感ください。

チャグチャグ馬コ同好会 滝沢市支部
支部長 藤倉さん

愛馬と共に写る藤倉さん。白い綺麗な愛馬はとても人懐っこい性格です。

Q1、チャグチャグ馬コ同好会の活動に関して教えてください。

チャグチャグ馬コ同好会には滝沢支部のほかに、盛岡支部、矢巾支部があります。
会員は、馬を所有する方、馬を持たず装束を所有する方、どちらも持たないけれどもチャグチャグ馬コを応援してくれる方の三つに分かれています。
私たちは「馬」「装束」「後継者」の主に3つの資源の保存や継承、育成に力を入れています。
「馬」の資源では、馬を増やすための活動をしており、馬の出産や育成方法などの情報共有や指導などを行っています。
「装束」の保存では、装束づくり講習会を行っており、装束の作り方を教え教わりながら装束を増やす活動を行っています。
「後継者」の育成では、市内の保育園でのふれあいや、市外のイベントに馬を派遣して馬と関わる機会をつくり、少しでも馬に興味を持ってくれる方を増やす活動を行っています。
また、同好会には青年部もあり若い人が主体となって、スノーチューブ体験や馬耕など新しい活動にも積極的に取り組んでいます。

Q2、昔と比べてチャグチャグ馬コはどのように変化していますか?

まずは、チャグチャグ馬コの装いです。
昔は布団の上に鞍を乗せ、綺麗な着物を使ってふきながしをつけていました。
現在では鈴をつけたり、飾りまんじゅうをつけたりと見た目も華やかになっています。
また、馬のサイズも昔より大きくなり、装束のサイズも昔とは違ってきています。装束を作り直す必要も出てきていますね。

そして一番変わったのは、チャグチャグ馬コの出馬数です。
特にコロナの影響で3、4年の間に出馬数が大きく減少しました。
これは主に各支部の会員の高齢化によって、今まで借りていた馬を借りれなくなった、馬を手放す人が増えたことが挙げられます。

Q3、馬を飼い続ける大変さについて教えてください。

まず費用や労力がかかります。
エサの確保のため、田んぼの周りの青草を刈ったり、稲藁を集めたりします。
特に稲刈りの後の稲藁は馬にとって美味しいようで、とてもよく食べます。
また、仔馬が生まれるとまたエサをたくさん食べるので、仔馬が生まれる年は大変です。
また、運動不足にならないように早朝に馬を歩かせたり、馬の体の手入れから馬房の掃除まで日常的に行う必要があります。

そして一番大変だと思うのは、人よりも馬を優先することです。
人よりも先に馬にエサをやって、人のご飯はその後です。
出産が始まれば寝ずに付き添って、仔馬の状態によっては付きっきりで介抱してやらねばなりません。
面倒くさがりや責任感のない方、馬を飼う人の間では酒飲みには馬を飼わせるなとまで言われており、それくらい馬を大切にした生活を送らなければなりません。

Q4、それでも馬を飼い続ける理由を教えてください。

私の経験にこんなことがありました。
ある年、仔馬が生まれたんですが、自分で母乳を飲む事ができない時がありました。
周囲の人には、この仔馬はもう駄目だとか放っておけば勝手に飲むと言われましたが、私は母乳を絞って仔馬に何回も与えました。
ある時、その事を別の馬を飼っている人に伝えたところ「そんなの簡単だ」といって、いとも簡単に母乳を自分で飲めるようにしてくれました。
それを見た時、あっけにとられたと同時に、感動のような嬉しさのような何とも言いようのない思いが私の心の中に浮かんできました。
そして、そういった手間がかかった馬であればあるほど、なにかの賞を取ったり良い馬だと褒められたりしました。
馬は自分が手をかけた分だけ答えてくれます。馬から教えられることもたくさんあります。
そして馬から教えられた事を、私は自分の子どもや孫にも伝えてきました。
馬が好きなんでしょうね。

Q5、最後に同好会として皆さんに伝えたい事を教えてください。

馬を使った伝統行事は日本以外にもさまざまありますが、馬をここまで着飾って行進をする行事は世界のどこにもありません。
それは滝沢市が昔から馬を大切にし、馬のための祭り事が盛んだった証拠です。しかし、昔のままのやり方ではチャグチャグ馬コを続ける事は厳しいのが現実です。
私たちは、昔の伝統を守りつつも今の時代にあったチャグチャグ馬コへの取り組みに力を入れていこうと考えています。
私たちの取り組みを少しでも多くの方に知ってもらい、そこからチャグチャグ馬コに関わりたいという方を増やしたり、チャグチャグ馬コと馬の魅力を少しでもお伝えできればと思っています。

滝沢市の市有馬「滝姫」「鈴音」の今

鈴音の様子

生まれたばかりの頃の様子。赤ちゃん特有のふわふわの毛が可愛いです。
2023年8月頃に撮影。好奇心旺盛でカメラに興味深々
2024年3月に撮影。体も大きくなって、冬毛でもこもこです。

滝姫の様子

2024年3月に撮影。厩に移動中。とても素直に付いていきます

普段2匹をお世話にしている馬っこ・パークの厩務員さんにもインタビューさせていただきました

馬っこ・パークの小笠原さん

馬っこ・パークの小笠原さん。ベテラン厩務員さんです
馬っこ・パークの遠藤さん。撮影前に滝姫の前髪を整えてくれました!

Q、滝姫と鈴音の現在の様子を教えてください。

小笠原さん:鈴音は1頭でいるときは静かですが、釈承(2才先輩)と放牧している時は兄妹のようにじゃれあっています。

遠藤さん:毎日、ごはんをたくさん食べて、雪の中で走り回っています。6月に向けて、体力作りはバッチリです!!冬毛もたくさん生えているので、モコモコでとてもかわいいですよ。

Q、2匹はどんな性格ですか?

小笠原さん:滝姫はリーダーですね。
遠藤さん:しっかり者です。大きな顔と大きな体で、どっしりとかまえている所は、女の子ですがとてもたくましく見えます。

小笠原さん:鈴音はおっとりとして、控えめな性格です。
遠藤さん:まだまだ小さな体ですが、両前足をそろえてちょこんと立っている姿はとってもかわいいです。マイペースな女の子です。

Q、2匹をお世話する上で、気を付けている所を教えてください。

遠藤さん:毎日の小さな変化を見逃さないように気をつけています。

小笠原さん:やはり体調管理ですね。具合は悪そうでないか、足は腫れていないかなど毎日見ているからこそ分かる異常に早く気づいてあげるように気をつけています。
あと、出産に向けての準備をする時期だと普段のお世話の他に体温の調整や体の状態に気をつけています。

Q、最後に馬の魅力を教えてください。

遠藤さん:いつも変化し、学びや気付きを与えてくれます。馬と人が一緒に成長できる所が魅力です。

小笠原さん:どんな時でも素でそこにいる事です。私が落ち込んだり、怒ったりしていても馬はいつも同じままで馬房で迎えてくれます。
そこに癒されたり励まされたり、「馬の顔が優しい」というのはそういう事なんだと思います。そういうところが魅力ですね。

武田市長から皆様へ

滝沢市長 武田哲(たけだ さとる)

滝沢市のクラウドファンディングのページをご覧いただきありがとうございます。また、昨年度は多くの御支援を賜り誠にありがとうございました。
チャグチャグ馬コは、農用馬とともに暮らし、家族と同様に扱ってきた愛馬精神が花開いた祭りです。全国に留まらず全世界に誇ることができる文化だと考えております。
現在この文化・伝統の継承が危機を迎えています。
このプロジェクトを通じて、馬を愛する文化・伝統と華やかなだけではないその現状を皆様に知っていただき、継続的に応援いただくファンになっていただければ幸甚に思います。
人と馬とが一緒に築いてきた風景を後世に残していくため、皆様の温かい御支援をどうぞよろしくお願いいたします。

現在進捗情報はありません。

岩手県滝沢市

滝沢市は、岩手県の県央部、盛岡市の北西部に隣接し、交通の要所にあります。
宮沢賢治も愛した秀峰南部片富士、十和田八幡平国立公園に含まれる岩手山の麓には牧場や農林試験研究機関が広がり、馬返し登山口は深田久弥の日本百名山である岩手山の表玄関であり、鞍掛山と共に、登って良し、眺めて良しの名山として知られています。
サケも遡上してくる雫石川、北上川、諸葛川などが流れ、豊かでのどかな自然に里や街、人のくらしが調和しています。
平成12年2月15日には人口5万人を達成し、人口日本一の村となりました。
平成26年1月1日に市制移行し、「住民自治日本一の市」に向けた、幸福感を育む礎を市民みんなで創ることにより、市民が夢と希望を持ち、将来にわたり生き生きと暮らせる活力のある地域の実現を目指しています。

  • GCFとは?

このプロジェクトへの応援メッセージ

  • チャグチャグ馬っこの伝統を守るのは、本当に大変だと思いますが、なんとか守っていただきたいとわずかながらですが寄付させていただきました。今年もチャグチャグ馬っこ楽しみにしています。

    2024年4月17日 13:20

  • 今年もこのプロジェクトを待っていました。
    今年も見に行きます。チャグチャグ馬コを見ると幸せな気持ちになります。

    2024年4月7日 21:53

  • 目標達成を祈念しています。
    微力ながら応援します。

    2024年4月7日 18:06

  • となりの盛岡市からチャグチャグ馬コが続くように応援しています。

    2024年4月7日 13:54

  • お馬さんを大切にするこのお祭りが大好きです。素晴らしい文化がずっと続きますように応援します。

    2024年4月6日 7:38

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