まちの記憶を次代に継承していきたい!(武田邸等修繕プロジェクト)

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 5,000

0%

目標金額:8,300,000

達成率
0%
支援人数
1
終了まで
85
/ 90

岩手県盛岡市(いわてけん もりおかし)

寄付募集期間:2025年9月16日~2025年12月14日(90日間)

岩手県盛岡市

プロジェクトオーナー

盛岡固有の景観を構成する重要な要素の一つに、景観重要建造物があります。景観重要建造物は、このまちの人々の暮らしにより紡がれたまちの記憶そのものです。この記憶を次代に継承していくため、クラウドファンディングに挑戦します。
盛岡市が保有する景観重要建造物は5件ありますが、老朽化が顕著になる一方で、資材費や人件費の高騰により速やかな修繕や整備ができない状況が発生しています。
今回は、クラウドファンディングを通じて景観重要建造物の失われた美観や安全を回復するとともに、皆さんの関心を高め、今後の利活用のための布石としていきたいと考えています。
景観重要建造物の利活用には、耐震性の確保などほかにも多くのハードルがありますが、盛岡固有の景観を持続可能にしていくためのスタートを応援してください!

まちの記憶を継承していくために

「武田邸」の失われた美観を取り戻す

「武田邸」は、1950年に竣工しましたが、建物の形式、材料、施工技術は戦前のもので、大正期の建物のような風格を持った景観重要建造物です。武田邸の敷地は、表通りから離れており、更に塀と敷地内の樹木で建築物が隠れているために、あまり人目につきませんが、敷地面積が800坪、建物延べ床面積が404.72㎡、庭園が約600坪と、現代の一般住宅と比べて規模が大きく、施工技術の精度が高い昭和初期の盛岡市の代表的な住宅です。平成19年に市民から寄贈された後、年数回庭園を一般公開しています。
二階の屋根は赤瓦と緑青が美しい銅板葺きの二段屋根となっていますが、令和6年に発生した雨漏に対応した際に施工した灰色の防水シートをはったまま、数百万円におよぶ修繕費を工面できず、美観を損ねたままとなっています。
また、江戸末期に造園されたとみられる池泉築山回遊式庭園は、市の保護庭園に指定されていますが、令和5年春にポンプに不具合が生じて以降、池に水が溜まらず、防草のためのブルーシートを敷き詰めたままであったり、樹木の繁茂が顕著になったりするなど、本来の美しさを失っています。
景観重要建造物は、地域の自然、歴史、文化等からみて、建造物の外観が景観上の特徴を有し、地域の良好な景観の形成に重要なものについて、地域の個性のある景観づくりのために、その維持・保全及び継承を図る制度ですが、現状ではその目的が果たせておらず、持続可能性が危ぶまれています。

現在の武田邸
かつての武田亭

景観としての美観をとりもどす

知ってもらうために、まず美観を回復する

「武田邸」は、老朽化が進んでいますが、材料が良いことや、これまでの良好な保守管理でよく保存されているため、屋根修繕や庭園の整備、また、耐震改修(今回の事業には含まれません。)などを行っていくことにより、利活用できる建造物としていくことが可能です。
今回のご支援は、利活用のための第一歩として、「武田邸」の美観を回復するための費用の一部に充てさせていただきます。
そして、皆様への公開を通じて関心を高めながら、今後の利活用を図ったうえで持続可能性を確保していきます。

盛岡固有の景観を一緒につくっていく

建造物は暮らしの記憶

建造物はその時々の人々の暮らしとともにあり、現代まで残ってきました。
「武田邸」もその例外ではありません。
しかしながら、人々の暮らしから離れてしまった建造物は、そのままでは残っていくことはできません。
その時代に合わせ、暮らしとともにあらねば残すことはできないのです。

美観や安全の回復を通じて皆さんの関心を高め、利活用を進めることで、これまで門を閉ざしていた建造物が、人々の暮らしとともにある建造物に変わっていく。建造物は、まちの景観となり、そのまちだけのストーリーを語りだす。そのストーリーが、まちの魅力となり、人が集う場所になっていく。
ご支援を通じて、盛岡固有の景観が、新たな交流を生み出していくことを願っています。

武田邸内門
邸内から見る庭園
縁側

紅葉の時期に庭園をめぐる

クラウドファウンディングの金額に応じて修繕や整備を進めます。

令和8年度の紅葉の時期には修繕や整備が完了した「武田邸」を公開できるように改修を進めていきます。
R8.4 修繕・整備個所の見積、選定
R8.7 修繕・整備の実施
R8.10 修繕・整備の完了

紅葉の武田邸

みなさまからご支援いただくふるさと納税の使い道

今回の取組は、今後の利活用の基盤として実施する修繕です。
利活用に向けては多くのハードルがありますので、段階的に目標を設定し、より実効性の高い整備を行いたいと考えています。

【段階的な目標(予定)】
500万円達成 「武田邸」屋根・雨漏修繕
630万円達成 「武田邸」庭園池用ポンプ入替費用
830万円達成 「武田邸」庭園等整備費用
1,182万円達成 「明治橋際の御蔵」階段改修費用 

注1) 事業実施に向けて全力で取り組んでまいりますが、万が一実施できない事由が生じた場合、当該寄附の趣旨に沿うような事業に活用させていただきます。当該寄附は「負担付寄附※」ではなく、「用途を指定した寄附」としてお受けするものであることをご了承ください。
注2) 当初の目標を超える寄付金が集まった場合は、当該プロジェクト又は当該寄附の趣旨に沿うような事業に活用させていただきます。
※ 当該寄附に付された条件に基づいて、地方公共団体が法的な義務を負い、その条件に基づく義務を履行しない場合には、当該寄附が解除されるようなものをいいます。

景観政策課長 三橋 一仁

先人の残したものを、未来のために変えていく。

自分たちが決して見られない未来を、子どもたちは見ることができます。
未来を生きる子どもたちのために、良いものを遺していく。
私たちの使命は、そのようにして先人が私たちのために残した盛岡固有の景観を、資産として次代に引き継いでいくことです。
しかし、暮らしから離れてしまった建造物を、そのままの形で残していくことは容易なことではありません。
ですから、私たちは、例えば紺屋町の番屋をまちの交流拠点とするなど、現代にあった形でよみがえらせる試行錯誤を繰り返して来ました。
今回は、景観重要建造物として指定されながらも未だ十分に利活用されていない「武田邸」の利活用に向け、まずは皆さんに知っていただくため、美観の回復と安全の確保のためのクラウドファンディングに挑戦します。
盛岡は、ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52か所」に選ばれ、世界のひとびとが訪れる都市となりましたが、記事に掲載されている素敵なスポットだけでなく、その背景となっている盛岡固有の景観も同時に称えられたのだということを、ここに暮らす我々は知っています。
先人の残した盛岡固有の景観を、まちの記憶として次世代に伝えていく挑戦に、ご協力を賜れれば幸いです。

盛岡市景観審議会委員 内澤稲子さん

武田邸に宿る「街の記憶」を後世に

 歴史ある建造物は単なるモノではなく、その場所、あるいは地域で長い時間をかけて紡がれてきた物語や記憶を留め、将来へとつないでいく装置であると考えています。
『岩手の歴史的〈建築〉ハンドブック』(社団法人岩手県建築士会、2001年発行)に、武田邸が建つ場所にはかつて一軒家があり、明治期の激動の時代に何度も持ち主が変わったこと、現在のもりおか啄木・賢治青春館(旧第九十銀行)を設計した横濱勉の生家があったことなどが記されています。ふだん私たちが目にしているのは1950年に竣工した武田邸ですが、それ以前からこの場所には、多くの物語が刻まれ続けてきたことが伺えます。
 日頃から見慣れ、よく知っている街並みだったはずなのに、ある日、1軒の建物がなくなると、「ここには何があった?」と思い出せなくなる。そういう経験をしたことがある方もいらっしゃることでしょう。思い出して寂しく感じたとしても、時間の経過とともに徐々に現状に慣れていく……。その繰り返しの中で、街は姿を変えてきたのだと思います。
 時代とともに街が変化するのは当たり前のことです。しかし、新しいものを受け入れて忘れる一方では、建物と一緒にあったはずの「街の記憶」も失われるのではないかと危惧します。
 壊してしまうと、同じものを造り直すことは困難です。修繕して利活用できるのなら、盛岡の記憶をつなぐ装置として、武田邸を次世代へと引き継ぎたいと思います。次の時代を担う人たちはきっと、今を生きる私たちより、もっと新しい発想で使いこなしてくれるでしょう。

株式会社ヘラルボニー 松田 文登さん

世代を超えて受け継がれていく場の哲学

今、私たちが問うべきは「何をつくるか」ではなく「何を遺すか」なのかもしれません。
盛岡の武田邸は、時間の流れに抗うことなく、それを受け入れながら佇むことで、建築や庭園が本来持つ持続の力を教えてくれます。
大切なのは、一過性の価値ではなく、世代を超えて受け継がれていく場の哲学。その象徴として、武田邸は未来に託すべき貴重な存在です。

寄附者のみなさまへ

盛岡市からのメッセージ

盛岡には様々な価値や魅力があり、脈々と続いている「暮らし」の中から生まれ、今を生きる私たちも誇りや愛着を感じています。また、これらは、都市と自然、利便と伝統、機能と情緒など、一見すると相反する要素のバランスのよい調和を生み出しており、盛岡で暮らすことに対する安心感や快適さを抱かせています。
この盛岡の価値や魅力を、私たちは盛岡ブランドと位置づけ、「もりおか暮らし物語」と名づけ、未来へ向かって紡ぎ続けようとしています。
しかし、いかに素晴らしいものであれ、「暮らし」を離れてしまえば未来に遺していくことが容易でなくなることを、私たちは見てきました。一方で、行政のちからだけでは解決できないことでも、皆さんと手を携えて取り組むことで、開ける道があることもまた、私たちは見てきました。
盛岡には、このようにして現代に利活用されているいくつもの景観重要建造物があります。
どうぞ、まちの記憶の語り手をお尋ねください。そして、新たな語り手の再生にお手をお貸しくださいますようお願いいたします。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

現在進捗情報はありません。

岩手県盛岡市

ニューヨークタイムズ紙(電子版)に「2023年に行くべき52か所」の2番目に選ばれた盛岡市。
盛岡市は東京から新幹線で約2時間の北東北の玄関口です。戦国時代に築城された盛岡城の城下町の雰囲気が残り、東京駅の設計でも有名な辰野金吾氏が設計した、「岩手銀行赤レンガ館」をはじめとする大正から昭和初期時代の和洋折衷の建物が中心市街地に点在する、歩いて楽しめるまちです。
おもてなしや市民のソウルフードとして生まれた「わんこそば」、「盛岡冷麺」、「盛岡じゃじゃ麺」は盛岡三大麺として観光客にも人気でお土産、返礼品の定番商品です。また、日本代表のトップアスリートが使用したことで注目の「南部鉄器」も盛岡市の特産品です。さらに、お米やりんごなどの農産物に日本酒やクラフトビールなどの地酒も盛岡ブランド品に認定されています。