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2020/08/18 (火) 09:37

「ものづくり」の伝統をつなぐまち② ~ 斎武商店編 ~

伊八イズムを受け継いだ鴨川のものづくり

伊八の功績をもとに、『伊八イズムを受け継いだ鴨川のものづくり』と題して、
鴨川市の事業者さんをご紹介するブログ第2弾ですฅ^>ω<^ฅ

まずは、前回のおさらいから。

 鴨川出身の『波の伊八(いはち)』は、波を彫らせたら天下一品!
「関東に行ったら波を彫るな」とまで言わしめた名工です。
躍動感と立体感溢れる横波を彫り、同世代に活躍した葛飾北斎の「富嶽三十六景」などの画風に強く影響を与えたといわれています。

『初代 武志伊八郎信由(たけしいはちろうのぶよし)』から『五代目 武志伊八郎信月(たけしいはちろうのぶつき)』まで、約180年間五代にわたって『伊八』の名は受け継がれたそうです。

と、ここまでが前回のおさらいです。

では、初代伊八から五代伊八の中で一番多くの作品を残しているのは誰なのでしょうか?
ふと気になった担当者は、鴨川市の郷土資料館に伺いました。

郷土資料館で配られていた『伊八クイズ』に答えがありました!答えは、初代伊八とのこと。

現在確認されている限りでは、初代伊八の作品は、南房総を中心に江戸や相模の国に少なくとも50を超える作品が残されているそうです。

解説には、「制作量の多さの要因には共同制作があり、初代は何人かの弟子を使って、多くの仕事を効率よくこなしていたと思われる。」とありました。
なるほど。伊八工房ともいえる組織をつくっていたんですね。

が、本当にそれだけなのでしょうか?
いくら効率よく仕事をこなしても、注文がなければ多くの作品は残せませんよね?

前回のブログ取材で『伊八がたくさんの注文を貰えたのは、依頼主の声に真摯に対応し、商売の基本を踏まえていたからではないか。』とのお話を伺いました。

『工房組織』と『商売の基本』
今回のブログは「たくさんの人で作り上げた良いものを、商売の基本を大事にお客様へ提供する」そんな事業者さんのお話です。

酒仙の図

ちょっとここで本題から逸れますが、担当者お気に入りの伊八作品をひとつご紹介します。
鴨川市にある「金剛山 金乗院」
大日如来堂の欄間に飾られている『酒仙の図』です。(鴨川市有形文化財: 安永8年(1779)製作と推定)
彫刻の迫力を伝えたいと寄りすぎて撮影してしまったので、写真はつなぎ合わせています。(´-ω-`;)ゞ

七人の若い仙人たちが、大きな甕の中にある酒を酌み交わし、陽気に歌い踊るめでたい図(吉祥図)
とのことですが、とにかく酔っぱらっています。
鶴も亀もいるおめでたい構図のなかで、ひしゃくを掲げ楽しそうに酔っぱらっています。ヽ(゚∀゚*)ノヽ(*゚∀゚)ノ
仲間に入れてほしいです。

お施主さんが、どういうリクエストを伊八にしたのかはわかりませんが、
「おめでたい彫り物を作ってネ!d(・∀・○)」
という依頼なら120%以上依頼に応えてるのではないでしょうか。

そして、本当に1枚の板?!と目を疑うほど圧巻の奥行き・躍動感。
この写真でお伝えできないのが残念ですが、鴨川市にお越しの際には是非!是非!本物をご覧ください!

房州ひじきの斎武商店(さいぶしょうてん)

それでは、ブログの本題。
「工房組織」と「商売の基本」のキーワードから、真っ先に思い浮かべた返礼品提供事業者さんは『斎武商店』さんです。

『さいぶのひじき』の名称で有名な斎武商店さんは、明治元年創業。
2020年には創業153年を迎えた、水産加工販売の老舗です。

伝統製法でつくる房州ひじき

ここで、簡単ではありますが、『房州ひじき』についてご説明します。

温暖な気候に恵まれた鴨川市は、黒潮に洗われて茎が太く柔らかい極上の天然ひじきが収獲できます。

房州ひじきの収獲は、春の大潮の日に漁師の方々みんなで一斉に刈り取ります。
漁師さんたちも、漁業組合の方たちも、ひじき加工業者さんたちも、この時期はひじきのことしか頭にありません。(たぶん・・・・)

真偽のほどはさておき、房州ひじきの一番の特徴は『収獲してすぐ蒸す』こと。
生原藻からすぐに煮熟、乾燥を行う独特の加工法は房州ひじきならでは。
(他県のひじきは、生原藻を乾燥したものを水戻しし、煮熟、乾燥して作られています。)

この房州独自の伝統製法により作られた房州ひじき。
太くて柔らかくつややかで、しっかりした長ひじきの食感と、ひじき本来の旨みと香りが味わえます。

⇓⇓今年取材させていただいた「房州ひじきができるまで」は、一番下の動画でご覧いただけます。⇓⇓

圧倒的な共同作業

さて、今回のブログ取材先になぜ斎武商店さんを選んだかというと、答えは左の写真にあります。
今年3月。ひじき加工の取材をさせていただいた際、圧倒的な共同作業を見せてくださったのが、斎武商店さんだったのです。

ひじきが蒸しあがると、続々と人が集まり釜あげ作業が始まります。
男性陣が力仕事の釜あげ作業を行い、女性陣、子供たちが手際よく釜あげのサポートに入ります。

そのみごとな連携作業は見惚れてしまうほど!あれよあれよという間に、大量のひじきが釜からあげられていくのです。
伝統製法を守りつつ、一朝一夕では成しえない手際の良さは『さいぶのひじき工房』といってもよいのではないでしょうか?

カリスマ直伝の店頭販売

出来上がった極上ひじきをお客様にお届けするため、斎武商店では店頭販売だけでなく、デパートの催事や全国物産店などのイベントにも積極的に出店しています。

斎武商店7代目 斎藤 衛(さいとう まもる:上写真左) 社長は『対面販売のカリスマ』と言われるほど、いとも簡単にお客様の懐に入り込んでしまう人柄の持ち主。
現在では、催事出店に参加することは減ってしまいましたが、売り場に立てば昔のお嬢さんで人垣ができるほど。

そのカリスマ直伝の対面販売で、お客様の人気集めているのが地元にもファンの多い「さいぶ3兄弟」です。
笑顔がとっても素敵な長男 出さん(いずる:上写真右)
アームレスリング大会に出場経験もある次男 渉さん(わたる:下写真左)
やさしい雰囲気でとっても話しやすい三男 亨さん(とおる:下写真右)

愚直なまでに丁寧な接客を目当てに、催事中何度も足を運んでくださるお客様もいらっしゃるそうです。

出店先の会場には、売り子(3兄弟)と話がしたい!握手がしたい!とDMを受け取ったお客様が催事場に足を運んでくださいます。※コロナの影響により現在は握手サービスは行っていません。

「たとえ1人のお客様であっても、直接知り合う人を大切にしたい。」と、年間100日は催事出店しているとのこと。

「生産者が消費者と信頼関係を築くことが商売の基本だと考えています。お客様と直にお話しすることで、安心して商品を買っていただく。今の時代広告宣伝の方法はいろいろあるけれど、うちはこれで頑張ってます(笑)」
ニコニコと取材に答えてくださったのは、長男の出(いずる)さん。

お父様の衛さんから受け継いだ商売の基本を忠実に守りながらも、世情に合った触れ合い方を模索しながら、着実にさいぶファンを増やしています。

伝統を未来へつなげる

斎武商店では、地元の小学校の社会科見学や職場体験を受け入れています。

地場産業や、地元で作られているものを子供たちに知って貰いたい!
学校からの依頼は、大歓迎で受け入れているそうです。

伝統の製法で作られる、地元の名産品房州ひじき。
見て、触れて、「後々まで大事にしていきましょう!」と熱い課外授業を行っています。

この社会科見学や職場体験をきっかけに、大きくなってからアルバイトに来てくれる子供たちも毎年いるそうです。
こうやって、伝統は未来につなげられています。

支える人たち

斎武商店のイメージキャラクター『ひじきくん』は7代目社長奥様の桂子(けいこ)さんの発案。
まだ「ゆるきゃら」なんて言葉がなかったころ、イラスト大会で優勝した方へ依頼し制作して頂いたそうです。

当時、桂子さんの案に関心のなかった社長さんや3兄弟も、現在のゆるきゃらブームを受け、桂子さんの先見の明に感心しきり。
斎武商店の人気商品でもある「ひじきご飯の素」や「たまごひじきスープ」なども桂子さんの発案による人気商品。
長男出さんは「アイデアでは桂子さんに及ばない!」とお話しくださいました。

桂子さんだけでなく、3兄弟のお嫁さんたちも稼業を支えていらっしゃいます。
ご縁のあった社員もほとんどが鴨川市民。ひじきを収獲する漁師さんたちへの感謝も忘れません。

積み上げ続けた「商売の基本」はお客様にしっかり伝わっています。
コロナ禍に於いては、お客様からお手製の「ひじきくんマスク」をいただいたそうです。

「海の恵み、土地の恩恵を受けてうちの商売は成り立っています。
 限られた資源を知って貰い、大切に味わって貰えるよう、これからも頑張ります!」と、出さん。

人を愛し、人に愛され、土地を愛し、伝統を守り伝える。
斎武商店のひじきには、たくさんの愛がつまっています。

房州ひじきができるまで

房州ひじきができるまでを動画にまとめてみました。
鴨川の春を感じ取っていただけると嬉しいです。
浜荻地区・小湊地区の漁師の皆様、ひじき加工の斎武商店様、中野健太郎商店様、宮崎商店様にご協力いただきました。
ありがとうございました!(≧ヮ≦●)

応援おねがいします!

鴨川市ふるさと納税事務局:清水

鴨川市ふるさと納税事務局の清水です。ふるさと納税業務を通じてたくさんの「鴨川のいいもの」を発見&勉強させていただいています。事業者さんから教えて頂いた感動を、少しでも寄附者様にお伝できるよう頑張ります!

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