2022/04/06 (水) 08:30

大山千枚田「綿・藍トラスト」~棚田との触れ合いで得る癒しと気づき~

自分たちで育てたオーガニックコットンから糸を紡ぎ、その糸を自分たちで育てた藍で染色して織り上げる・・・
石油を原料とした化学繊維に頼った暮らしの現在、失われつつある「衣」を作る暮らし。
先人達が作り上げた「衣」に関わる技術をもう一度見直し、新しい暮らしの中に取り入れていこう、そんな素敵な取り組みが鴨川市では行われています。

「綿藍(わたあい)トラスト」と名付けられた活動は、1年間の農作業や様々な体験で先達の知恵を学ぶと共に、地元農家の方たちとの交流を通じて、農業に対する理解を深められる棚田の保全活動の一環として、NPO法人 大山千枚田保存会が行っています。

そんな「綿藍トラスト」の年間最後のイベント、「藍染の回」にお邪魔させていただきました!
皆さんの素敵な活動と、大山千枚田の素晴らしさを少しでも感じて頂けたら幸いです。

先人たちの技術を体験!育てて作る『綿(わた)』と『藍(あい)』
【先着10組限定!】大山千枚田 綿藍(わたあい)トラスト制度参加権利 [5-70]

令和4年度のふるさと納税での会員受付は、令和4年4月30日(土)まで。

大山千枚田(おおやませんまいだ)

「東京から一番近い棚田」として人気の「大山千枚田」。
千葉県で最も標高の高い愛宕山(あたごやま)の麓に、約3.2ha、大小375枚の棚田が広がっています。

都心から車で約2時間の地に、日本の原風景とも言える美しい景観が広がり、四季折々に表情を変える棚田の風景は絶好のフォトスポットとして多くの方が繰り返し訪れます。

また、大山千枚田は日本で唯一、雨水だけで耕作を行っている「天水田(てんすいでん)」からなる希少な棚田でもあり、貴重な植物や生態系の残る生物多様性の宝庫でもあります。

※大山千枚田は私有地の為、畔での写真撮影は許可が必要です。

大山千枚田は、1999年に「日本棚田100選」、2002年には「千葉県指定の名勝」に選出されています。

2010年には当時の天皇皇后両陛下が視察にお見えになり、大山千枚田の風景に感動された天皇陛下が、翌年の新年に「刈り終へし棚田に稲葉青く茂りあぜのなだりに彼岸花咲く」とのお歌を詠まれ、御製碑が建てられています。

近年では2021年に公開されたアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 」のロケ地としても話題になりました。

NPO法人 大山千枚田保存会

そんな大山千枚田の保全と活用をはかるため、1997年に千枚田の地権者と支援者によって「大山千枚田保存会」が結成されました。2003年にはNPO法人の認可を受け、2023年には20周年を迎えます。

日本の原風景と言われる棚田の景観は、人が田植えをしなければ成り立ちません。
天水田である大山千枚田は、管理が難しく多くの作業が”人の手”に委ねられます。
棚田の美しい景観は、保存会の皆さんや地元農家の方々の日々の作業によって保全されているのです。

保存会発足後には様々な活動がスタートしました。
中でも参加者の皆さんが棚田のオーナーとして米作りを行う「棚田オーナー制度」は、スタートと同時に大きな反響を呼び、特に都市部にお住いの方々から多くのお申し込みを頂いたそうです。

「棚田オーナー」にはじまった大山千枚田保存会の活動は「酒づくりオーナー」「大豆畑トラスト」「綿・藍トラスト」「山賊体験」など多岐にわたります。
どの活動も、自然と共に作物の育つ素晴らしさを肌で感じ、貴重な生態系や自然環境について学べることから、多くの方にご賛同いただき、美しい棚田の景観の”守り人”として活動していただいています。

このような環境保全と都市との交流を通した幅広い活動が認められ、大山千枚田保存会は 2021年度「農林水産際」の「豊かなむらづくり部門」で農林水産大臣賞を受賞しました!

まだまだご紹介したいことがたくさんあるのですが、全ての活動はお伝えできません…
もっと知りたい方は大山千枚田保存会の公式HPをチェックしてみてください!

綿・藍トラスト

大山千枚田保存会の活動のひとつ「綿・藍トラスト」は、暮らしの基本である衣、食、住の一つである「衣」の活動に取り組んでいこうという趣旨ではじまりました。

耕作放棄されている農地を活用し綿と藍を育て、収穫物を利用し昔のままに「衣」をつくります。
綿の種まき・藍の定植にはじまり、藍の収穫、藍の生葉染め体験、糸紡ぎ体験、機織り体験、藍の乾燥場染め・・・
畑の手入れや除草作業なども会員の皆さんで行います。

年間を通して行われる様々なイベントと、地元農家の方々との交流を通じて、先人達が作り上げた「衣」に関わる技術を学び、後世に伝えていく。そんな素敵な取り組みの一つです。

令和4年の作業イベント日程

【申込締切】令和4年4月30日(土)
【説明会・綿の種まき・藍の定植】令和4年5月上旬予定
【草取り・摘心・藍の収穫・藍の生葉染め】令和4年7月下旬予定
【藍の収穫・綿畑の手入れ・糸紡ぎ体験】令和4年9月中旬予定
【草木染】令和4年10月中旬予定
【綿の収穫・綿くり・綿うち・糸紡ぎ体験】令和4年11月上旬予定
【畑の片付け・綿分配・機織り体験】令和4年12月中旬予定
【藍の乾燥葉染め・作品展示・反省会】令和5年2月上旬予定

藍染体験

今回取材させていただいた「藍染体験」は、令和3年度の綿藍トラスト最後のイベントです。

藍の定植に畑の手入れ、草刈りなどなど・・・
約1年間、共に活動されてきた会員の皆さまの、集大成ともいえるイベント。
たくさんの思い出が詰まった作品が出来上がる瞬間に立ち会わせていただきました!

ざっくりとではございますが、藍染の工程とともに、会員の皆さまの様子をご紹介させていただきます。

藍染工程その1

藍染の工程は、夏にもいだ藍の乾燥葉から染液を作ることから始めます。
下ゆでして灰汁取りを行った藍葉に水を加え、薬品を入れて煮込むことで染液が出来上がります。

藍葉の色素成分はもともとは水に溶けないため、炭酸ナトリウムを加え水溶液をアルカリ性にし、さらに強い還元力をもつハイドロを加えると、成分が溶け出すそうです。

科学が苦手な取材班があたふたと必死でメモしているうちに、知見の深い会員さんたちは先生の説明を受けてきぱきと作業を進められていました。

藍染工程その2

染液を煮出している間に、染布を加工します。
ハンカチや手ぬぐい、Tシャツなど、会員の皆さんが持参された素材に思い思いの加工を施します。

蛇腹に折ってひねってみたり、輪ゴムや糸、割りばしなどを括りつけてみたり・・・
この作業で染め上がりの柄が決まるのだそうです。
わくわくしながら皆さんの作業を拝見しているうちに、一番液ができあがりました!

「青は藍より出でて藍より青し」そんな言葉の通り、青い染液かと思いきや、出来上がったのは鮮やかな黄色い液体。
その不思議は次の工程で・・・

藍染工程その3

工程その1を繰り返し、二番液も煮出します。
表面は濃い紫色ですが、中身は鮮やかな黄色の染液が完成。
一番染まりやすい温度まで染液を冷まします。

冷ました染液に素材を漬け込み約5分間。取り出した布は鮮やかなグリーンに!
アルカリ性の染液が酸素に触れ酸化することで【黄色】→【緑色】→【藍色】へ変化するのだそうです。

思い思いに施された素敵な柄の出現と、不思議な色の変化に会員の皆さんの歓声があちこちであがります。

藍染の完成

染め上げた素材を十分に参加させた後、水洗いをして作品が完成です!

素敵な作品の数々に見とれていると、綿藍トラストに参加して10年というベテラン会員さんが話しかけてくださいました。
「藍の生葉を使った藍染はね、その日の空の色に染まるのよ。」
なんて素敵なお話!藍の生葉染めは7月。澄み渡り抜けるような初夏の空色に染まる藍染・・・

そんな生葉染めに思いを馳せわくわくしていると、別の会員さんも気さくに話しかけてくださいます。

「地元の人はあまり実感がないと思うけどね、私たちのように田舎の無い人には、ここは本当に最高!
 草刈りすらも楽しいの。毎回毎回、全てが新しい体験。それをこんな自然に囲まれて楽しめるなんて、とっても贅沢!」

そんなお話を伺ったあと改めて作品を拝見すると、会員の皆さんの感動や思い出の詰まった大切な作品に、また違った感動を覚えるのでした。

反省会と作品展示

1年最後のイベントということで、反省会も行われました。

綿藍トラストの最終目標は、ご自宅でも同じ作業ができるようになること。
単なる体験ではなく、会員の皆さんの余暇活動の一環として、活動を持続していくことが目的です。

「綿から糸を紡ぐ作業」が一番難しく、配られた綿を自分で紡いでいけるか不安…そんな感想も聞かれました。
そんな中、先ほどお声がけくださったベテラン会員さんが、これまで作られた作品を披露してくださいます。

収穫した綿からコツコツと糸を紡ぎ、藍で染め、機織りで織り上げた一反の織物。
手間も時間もどれほどかけて作られたのか…大作を目の当たりにした会員さんたちから歓声が上がりました。

綿藍トラストは1年ごとの活動期間ではありますが、皆さん次の年もまた継続して参加されるそうです。
先輩会員さんの素敵な作品から刺激を受けて「また来年!」とご挨拶される会員さんたちが印象的でした。

ありがと~!大山千枚田~!

藍染体験取材を終え、水の張られた棚田を眺めていると、
「ありがと~!!おおやませんまいだ~!!」目下の道を走る車から元気な声が聞こえてきました。
同日に行われていた「山賊体験」に参加されたお子さんでした。
車から身を乗り出さんばかりに手を振って、何度も「ありがと~!!」と大きな声で叫んでいます。

山賊体験は1泊2日で、大山千枚田とその周辺の自然を思いっきり楽しめる人気イベント。3歳以上から大人まで参加することが可能です。
荒れた森の手入れをしながらターザンごっこや虫取り、秘密基地を作ったり…
大人も童心に帰りながら、自分たちで森のあそび場を作ります。

そんな山賊体験を終え、車窓から何度もお礼の言葉を繰り返す姿に「本当にいい体験をしたんだね!」と嬉しくなった担当者は、保存会の方に代わって一生懸命手を振り返しました。
きっと帰りの道中では、語り切れない発見と感動のお話が尽きないのではないでしょうか。

棚田との触れ合いで得る、癒しと気づき。

地元出身の担当者ですが、恥ずかしながらふるさと納税担当になってはじめて大山千枚田を訪れました。
取材や写真撮影に何度か足を運び、そのたびに異なる表情を見せてくれる棚田に癒しを貰うだけでした。

今回、会員の皆さんの生のお声を聞き、お話の端々から棚田に訪れ自然を楽しみ癒されるだけでなく、そんな自然環境を自分たちの手で守っていきたいという想いを感じました。
都会の方々から、地元の素晴らしさを気付かせていただき、この素敵な取り組みをもっと多くの方に知って貰わなければ!と身のひきしまる思いで今回記事を書かせていただきました。

鳥や虫たちの声、濃い緑の匂い、空と雲と棚田が織りなすコントラスト。
そんな圧倒的な自然と共に、たくさんの方の手で大切に守られたきた歴史と想いを全身で感じることのできる場所が鴨川にはあります。
深呼吸するたびに取り込まれる自然のパワーに癒されながら、新たな活力と気づきを得ることのできる、かけがえのないパワースポット「大山千枚田」。
是非一度いらしてみませんか?

大山千枚田保存会のお礼の品

先人たちの技術を体験!育てて作る『綿(わた)』と『藍(あい)』
【先着10組限定!】大山千枚田 綿藍(わたあい)トラスト制度参加権利 [5-70]

令和4年度のふるさと納税での会員受付は、令和4年4月30日(土)まで。

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【先着50組限定!】大山千枚田 酒づくりオーナー制度参加権利 [5-69]

令和4年度のふるさと納税での会員受付は終了しました。
令和5年度の受付開始後お申し込みいただけます。是非お気に入りに追加してください!

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令和4年度のふるさと納税での会員受付は終了しました。
令和5年度の受付開始後お申し込みいただけます。是非お気に入りに追加してください!

応援ありがとうございます!

鴨川市ふるさと納税事務局:清水

鴨川市ふるさと納税事務局の清水と申します。ふるさと納税業務を通じてたくさんの「鴨川のいいもの」を発見&勉強させていただいています。事業者さんから教えて頂いた感動を、少しでも寄附者様にお伝できるよう頑張ります!

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