修復プロジェクト第4弾:佐久市立近代美術館所蔵の下田義寬の作品を修復したい!

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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目標金額:1,200,000

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支援人数
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終了まで
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長野県佐久市(ながのけん さくし)

寄付募集期間:2025年10月4日~2025年12月31日(89日間)

長野県佐久市

プロジェクトオーナー

佐久市立近代美術館では、約3,450点に及ぶ日本の近現代美術作品を収蔵しています。
しかしながら、制作や収蔵から年月を重ねた作品は経年劣化が進んでおり、なかには館内での展示や他の美術館などへの貸し出しができないものもあります。

そこで、2033年(令和15年)の開館50周年に向けて、「油井コレクション」の日本画作品を中心に、作品の状態調査および修復を計画的に実施することで、貴重な美術資料を守り、作品の価値を後世に伝えてまいります。

下田義寬《花の時》

1975年,紙本彩色,145.0cm×72.0cm

下田 義寬(しもだ・よしひろ/1940-)

富山県出身の日本画家。
下田は、イメージの重層化、いわゆるダブル・イメージの手法を用いて自然を表現している作家です。

画面に描かれている二匹のサル、そしてその手に抱かれている子。本作品は、どこか幻想的な雰囲気が漂いながらも優しさに溢れています。
本作品を制作した下田は、東京藝術大学に学び、卒業後は同大学院に進学、郷倉千靭(ごうくら・せんじん)に師事しました。現在は日本美術院に所属し、活躍しています。

本作品は、1975年(昭和50年)の第30回春の院展の出品作です。画面の上部には波紋に映る大きな月が描かれ、中央のサルの周囲には花や木が描き込まれています。サルといえば春に出産することで知られていますが、小さな子を抱くサルと画面に描き込まれた花によって、タイトルにもなっている「花の時」を鑑賞者はリアルに直観することができます。
シルクスクリーンの技法を採り入れたり、あるいは月の部分に薄紙を貼ったりなど、様々な技法を用いて繊細に構成された画面からは、叙情的な雰囲気が漂ってきます。

修復が完了した際には、下田の描いた叙情的かつ幻想的な世界を実物から味わっていただきたいと思います。

寄付金の使い道

皆様から頂いた寄付金は、下田義寬《花の時》の修復費用に充当します。

※目標金額を達成できなかった場合、目標金額を超えた場合でも、皆様から寄せられました貴重な寄付金は、その全額を本プロジェクトに活用いたします。
※修復が完了した際にはコレクション展で《花の時》を公開する予定です。

修復が必要な主な箇所は以下のとおりです。

・四辺に沿ってある折り込みのための筋付け跡の一部で紙の上層が剥がれ、絵の具が剥落している
・絵画層に深い亀裂が発生し、紙ごと画面側に引っ張られている

作品の修復がなぜ必要?

博物館や美術館の収蔵庫は温湿度が保たれる良好な環境ではありますが、例えば、日本画に用いられる膠(にかわ)の接着力が低下して絵具が剥落(はくらく)するなど、経年による劣化は避けられません。
また、既成概念にとらわれない材料や技法によって制作された近現代の作品の場合、これらが原因で劣化の進行が早まることもあります。

貴重な美術資料を後世に守り伝えていくには、状態を正確に把握したうえで、高度な知識と技術をもつ専門家による修復処置を施すことが不可欠です。

修復作品の調査状況

佐久市立近代美術館について

佐久市立近代美術館

佐久市立近代美術館は、1983年(昭和58年)5月26日に開館しました。佐久市出身の実業家(株式会社美術年鑑社初代社長)である油井一二(ゆい・いちじ/1909-1992)が生涯にわたって収集した、近現代の日本画壇の特徴をたどることのできる「油井コレクション」のほか、佐久地域ゆかりの美術作家の作品や、明・清時代の中国陶磁器など幅広い美術資料を収蔵しています。

これらを紹介するコレクション展や企画展のほか、地域の方を対象とした公募展なども開催し、美術館を身近に感じる環境づくりを目指しています。

日本画の名品がそろう「油井コレクション」

「油井コレクション」の日本画作品の中には、日本画家・平山郁夫(1930-2009)の初期の代表作《仏教伝来》(1959年)など、近現代の代表的な日本画家の画業を語るうえで欠かせない作品が数多く含まれています。

市立の美術館としては比類のないコレクションであり、当館の大きな特徴と言えるでしょう。

プロジェクトにご支援いただく皆様へ

佐久市長 栁田 清二

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佐久市立近代美術館は、故油井一二氏が佐久市に寄贈してくださった約660点の美術作品を皆様にご覧いただく「美の殿堂」として、また佐久地域の文化芸術活動の拠点のひとつとして、創造の森・駒場公園内に1983年に開館いたしました。

佐久市立近代美術館のコレクションは、油井氏をはじめとする作品寄贈者の皆様の篤志によって形成されてきました。佐久市民にとっての貴重な財産であるだけでなく、素晴らしい作品を鑑賞するために遠方から訪れる方が大勢いらっしゃるほど、価値の高いコレクションです。

この度、収蔵作品の中でも名品である、下田義寬先生の《花の時》の修復を計画いたしました。本プロジェクトを通じて作品のもつ魅力を皆様に知っていただき、次世代を担う子どもたちに守り伝えていきたいと思います。

皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

佐久市立近代美術館 非公認応援キャラクター「いちじくん」

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みなさんのご協力をお願いしたいジク!

お礼の品をご紹介

「北斗の拳」タンブラー(株式会社タク技研製)

2021年度企画展「武論尊原作展 デビューからの軌跡 武論尊/史村翔の世界」の開催にご協力いただいた「株式会社タク技研」の「北斗の拳」タンブラーのほか、「プラザ佐久」の「楽國信州佐久版 5蔵セット 飲み比べ180ml 5本入」や佐久市立近代美術館の招待券などをご用意いたしました。

本プロジェクトに対するご寄付は「ふるさと納税制度」の対象となるため、佐久市民の皆様にはお礼の品をお送りすることができません。
ご理解とご了承をいただきますようお願いいたします。
※佐久市民の方が寄付される場合も、寄付金控除はお受けいただけます。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

お礼の品一覧

現在進捗情報はありません。

長野県佐久市

佐久市は、長野県の東部に位置する自然環境に恵まれた高原都市です。地域医療の充実や保健予防活動の推進による「健康長寿のまち」であることや、北陸新幹線、上信越自動車道、中部横断自動車道による高速交通網の充実や災害の少なさもあり、地方移住への関心が高まるなか、「暮らしやすいまち」として注目されています。

佐久市出身の代表的な美術家(書道家)には、工部美術学校で西洋画を学び石版画家として活躍した「岡村政子(1858-1936)」や、古法(俯仰法)を発見し、多くの門弟を育てた「比田井天来(1872-1939)」、「理想的な乳牛像」のほかアメリカで公共彫刻を数多く手掛けた「川村吾蔵(1884-1950)」らがいます。

太平洋戦争中には、「東郷青児」、「有島生馬」、「奥村土牛」らが佐久市域内に疎開し、地域の芸術活動に影響をもたらしました。また、佐久平から望む雄大な浅間山の姿は、多くの画家たちに描かれたモチーフでもあります。