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蘇れ!横山大観が描いた光 「雲去来」修復プロジェクト

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 10,187,000

69.7%

目標金額:14,602,000

達成率
69.7%
支援人数
376
終了まで
受付終了

熊本県(くまもとけん)

寄付募集期間:2023年10月3日~2023年12月31日(90日間)

熊本県

プロジェクトオーナー

熊本県立美術館には、熊本藩主であった細川家ゆかりの大変貴重な美術工芸品や歴史資料等のコレクションの一部が収蔵されています。
コレクションの一つである「雲去来(くもきょらい)」は、近代日本画の巨匠・横山大観によって描かれました。
この作品は横山大観が技法の粋を尽くして制作した大変貴重なものですが、制作されてから実に100年以上の時が経ち、現状では作品の劣化が激しく、その魅力を十分にお伝えすることができません。
その修復には、大変高度な技術と14,602,000円もの多額の費用、そして2年に及ぶ期間が必要です。
横山大観が制作した当時の姿を蘇らせ、次世代に受け継いでいくために、皆さまの温かいご支援をお願いします。

横山大観の傑作「雲去来」

劣化により作品の魅力が失われつつあります

右側
左側

熊本県立美術館が所蔵している「雲去来」は、近代日本画の巨匠・横山大観が大正6年(1917年)に描いた傑作です。
大正4年(1915年)春、大観が琵琶湖の竹生島(ちくぶしま)を旅した際に雨に煙る湖中の風景に感激したことをきっかけに制作されました。

墨の濃淡と”ぼかし”によって、雲が行き来する風景が屏風に表現されています。
また、絵の裏側に金箔を貼り付ける「裏箔」という技法が用いられており、この技法によって水墨画が描かれている絹の織目の隙間から光沢が透けて見え、絵の中に柔らかな「光」や「空気感」が生み出されています。
大観にとって、琵琶湖で感じた「空気感」を表現することは難しく、この作品を完成させるまでに3回も描き直したと言われています。

しかし、制作から100年以上の時が経ち、経年劣化が見られるようになりました。
現状では表面の汚れが著しく、墨の濃淡や裏箔の繊細な表現が損なわれています。
この作品の魅力を皆さまに十分にお伝えするためには、修復が必要不可欠な状態です。

横山大観が感じ、表現した106年前の風景を後世に伝え、広くご覧いただく機会を創出するためにも、皆さまの温かいご支援をお願いします。

「雲去来」を当時の姿に蘇らせたい!

修復にはたいへん高度な技術が求められます

写真

「雲去来」は、全体に経年による汚れやシミが目立っています。
元々、墨の微妙な濃淡や裏箔を駆使して「光」や「空気感」を表現した作品であるため、汚れやシミは致命的です。

また、屏風のつなぎ目の部分には亀裂が生じ、下地の木材が収縮して画面の絹にゆがみが生じています。
こういった損傷は、時間の経過とともに徐々に進行していくので、できるだけ早い修復が必要です。

「雲去来」は貴重な作品であり、修復にはたいへん高度な技術が求められます。
絹や紙に描かれた絵画などの文化財を修復する日本の伝統技術は、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
「雲去来」は、その保存団体として認定された「国宝修理装潢(そうこう)師連盟」に加入している工房での修復を予定しています。

また、修復のためには2年に及ぶ解体修理が必要となります。

修復が実施されれば、横山大観による本来の表現が蘇るとともに、良好な状態で末永く保存することができるようになります。
修復の過程で、表面からは観察しきれなかった表現技法を知ることができるため、横山大観の作品研究にも寄与できると期待されます。

寄附金の使い道

作品の修復費:14,602,000円

【事業実施のスケジュール(予定)】
・2024年度~2025年度 作品の修復
・2026年度~      作品を公開

◯目標金額に達しなかった場合も、本プロジェクトに活用させていただきます。
◯目標金額以上の寄附をいただいた場合、他の細川家ゆかりの美術工芸品等の修復費として活用させていただきます。

動画「4Kでイッピン!2 横山大観《雲去来》」

近接撮影と4K画質で横山大観の技法に迫ります。
作品の劣化の状態についてもより詳しくご覧いただけます。

修復によってわかること・蘇るもの

横山大観の「凄さ」も伝えていきます

写真

熊本県立美術館では、これまでにも数々の細川家ゆかりの美術品を修復してきました。その目的は、作品本来の魅力を蘇らせ、後世に末長く伝えることです。

横山大観の作品では、過去に「山路(やまじ)」(永青文庫所蔵、熊本県立美術館寄託)を修復しています。「山路」は、砂のように粗い岩絵具を分厚く施すことで、風に吹かれた木の葉同士が擦れあう音を表現したとされる作品で、明治44年(1911年)の発表当時から話題を呼んでいます。

しかし、その特徴である粗い岩絵具や、それを厚く施す技法ゆえに、絵具の剥落が進行していました。さらに画面にはシミや汚れが生じ、保存が危ぶまれる状況にありました。そこで当館では修復を実施。剥落の進行を止め、画面のシミや汚れを除去することで、可能な限り長期での保存を可能とし、往時の姿に近づけることができたのです。「往時の姿」といっても、新品のようにしてしまうわけではありません。文化財修復の理念に基づき、あくまで状態の回復と現状維持の範囲にとどめています。

修復に向けた解体の過程では、東京文化財研究所による詳細な調査が行われました。この調査では、絵具の科学分析と、絵絹の裏面からの観察などを実施。その結果、絵具には明治末期に普及されはじめた新たな顔料が用いられていることが判明しています。また裏面からの観察を通して、即興的に描かれたように見える「山路」が、実は入念かつ複雑なプロセスで制作されている事実も浮かび上がってきました。

横山大観は、日本画の革新を推し進めた画家として知られています。「山路」の修復時に行われた調査では、大観による革新の様相を明らかにすることができました。しかし大観が取り組んだのは、新しいことばかりではありません。彼は学生時代から伝統絵画の研究を盛んに行っていますし、「雲去来」の裏箔は平安時代から続く伝統的な絵画技法です。大観という画家は、革新の一方で伝統も重視する、複雑な側面を有した画家なのです。

「雲去来」を解体修理することは、横山大観の伝統へのまなざしをも明らかにすることが期待されます。作品が当時の状態に蘇るならば、「雲去来」は画家としての横山大観のあり様がわかる作品として熊本の宝となり、また良好な状態で後世に伝えてゆくことできるようになります。

寄附者の皆さまへ

熊本県知事 蒲島 郁夫

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熊本県では、このたび県立美術館所蔵の横山大観作「雲去来」を蘇らせるため、修復プロジェクトを開始することといたしました。
作品は制作から100年以上が経過し、大観が技法の粋を尽くして表現した「光」や「空気感」を十分にお伝えできない状態となっています。
大観の描いた「光」を蘇らせるには、大変高度な技術を用いるため、多額の費用と2年もの歳月を要します。
熊本の宝である「雲去来」の魅力を皆さまに十分にお伝えし、後世に引き継ぐためにも、皆さまの温かいご支援をよろしくお願いします。

熊本県立美術館 館長 早田 章子

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当館では熊本の宝である細川家ゆかりの美術工芸品の魅力を発信し、未来に伝えていくため、調査研究や保存修復などの事業に取り組んでいます。
「雲去来」は、近代日本画の巨匠・横山大観の代表作であり、日本近代美術の後援者であった細川護立氏が収集し、その後当館にご寄贈いただいた名品です。
完成から百年を経て、傷みが激しいため、一日も早い修復が必要な状態です。雨に煙る湖と光を表現した作品本来の美しさを取り戻し、後世に伝えるためにも、是非多くの皆さまのお力添えをお願いいたします。

応援メッセージ

公益財団法人永青文庫 理事長 細川 護光 様

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このたび、横山大観作「雲去来」修復のためのクラウドファンディングが熊本県によって開始されます。
「雲去来」は、永青文庫の創設者である私の曽祖父・細川護立が収集し、のちに熊本県立美術館に寄贈した作品です。
護立は様々な芸術家たちと親交を深めましたが、横山大観とは最も親しく、群を抜く数の作品を収集しています。
中でも「雲去来」は、大観が初めて墨絵で山水の大作を描いたとされる作品で、絵の裏側全面に金箔を貼り付ける技法で光を表現した、名品の一つです。
曽祖父・護立が愛し、今や熊本の宝となった大観の「雲去来」。
この貴重な作品の魅力を蘇らせ、末永く後世に引き継ぐために、是非多くの皆さまのご支援をお願いいたしますと共に、プロジェクトの成功を心より願っています。

感謝の品(返礼品)のご紹介

GCF限定!!【30人限定】熊本県立美術館学芸員の案内・解説付き特別観覧

今回のガバメントクラウドファンディング限定の感謝の品をご用意いたしました。
また、このほかにも熊本県のふるさと納税の感謝の品が、寄附額に応じて全て選べます。

【注意事項】
※このプロジェクトへのご寄附は、ふるさと納税制度の対象となります。

感謝の品なしで寄附のみの方・熊本県にお住まいの方

感謝の品が不要で寄附のみをされたい方や、熊本県にお住まいの方は下記の「ふるさと納税で応援」ボタンよりご寄附をお願いします。
※熊本県にお住まいの方には、ふるさと納税のルールに基づき感謝の品をお送りすることができませんので、あらかじめご了承ください。

皆さまからお受けした寄附金は、税制上の優遇措置の対象となります。
個人の方の場合、一定の限度内で寄附を行うと、2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。
法人の場合、寄附金額の全額を損金に算入することができます。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

  • 2025年03月31日 15:00

    横山大観「雲去来」修復現場リポート②

    『蘇れ!横山大観が描いた光「雲去来」修復プロジェクト』、進行中です‼
    修復状況を確認するため、2月末に修理工房を訪問しました🔍

    修理工房では、絵が描かれている「絵絹(えぎぬ)」を支えるための「裏打紙(うらうちがみ)」と呼ばれる補強用の紙を除去する作業が進められていました。

    裏打紙の除去には水を使いますが、多量の水を使うと絵絹と裏箔がはがれてしまい、作品を傷つける恐れがあります。

    修理工房では、筆を使って、裏打紙に水とエタノールの混合溶液を少量ずつ染み込ませ、指の腹で慎重に裏打紙を除去されていました。
    素早く、かつ絶妙な力加減は、まさに神業でした!

    「雲去来」の修復は、令和7年度に完了予定です。
    修復中の様子は、このプロジェクトページで随時発信していきますので、次回も是非ご覧ください‼

    もっと見る

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熊本県

九州の真ん中に位置する熊本県は、阿蘇や天草をはじめとするダイナミックで豊かな山海の自然に恵まれ、その恩恵を受けて育った食と文化が自慢のエリアです。
「三池炭鉱万田坑」「三角西港」「天草の﨑津集落」の3つの世界遺産や国宝「青井阿蘇神社」など、見どころも多彩。
平成28年熊本地震で大きな被害を受けましたが、全国からのあたたかなご支援を受けながら、着実に復旧・復興を進めています。

  • GCFとは?

このプロジェクトへの応援メッセージ

  • 横山大観の作品、修復された姿で見たいです!楽しみにしています!

    2023年12月31日 18:14

  • 熊本出身者として、応援しています!

    2023年12月31日 17:53

  • 横山大観を今後も応援し続けてください。

    2023年12月31日 14:56

  • 熊本県庁の方から横山大観のクラウドファンディングの話を聞きました。是非有効に活用ください

    2023年12月30日 17:16

  • 頑張ってください。

    2023年12月30日 13:15

  • 地元ですし、横山大観大好きなので、ぜひ修復プロジェクトが成功することをお祈り申し上げます。

    2023年12月29日 20:25

  • これからも貴重な文化財の保存や修復に力を入れて頂きたいと思います。

    2023年12月29日 8:55

  • 文化財の維持にはどこの施設も大変苦労されてるかと思います。
    少しでもお力になれれば幸いです。

    2023年12月28日 23:09

  • 熊本県の宝を次世代へ繋ぎましょう。

    2023年12月26日 7:48

  • 地元の貴重な宝を応援します。

    2023年12月23日 20:33

  • 郷土の貴重な美術品を守るため、応援しています。

    2023年12月23日 20:28

  • 今回の寄付で横山大観画伯の名画が後世に伝わる一助になる事、嬉しく思います‼️

    2023年12月23日 19:17

  • 行政のみなさんは、当たり前の日常の大切さを守るお仕事。表立って感謝される場面は少ないかと思いますが、頑張って下さい!

    2023年12月21日 13:06

  • 頑張ってください

    2023年12月20日 19:34

  • トリプルパンチに負けずに頑張ってください。
    文化振興もしっかりお願いします。

    2023年12月19日 17:17

  • 熊本の未来にお役立てください!

    2023年12月18日 13:14

  • やっぱり、作品本来の魅力を知りたいです。

    2023年12月15日 17:30

  • 貴重な横山大観作品を後世に伝えるため、微力ながら応援します。頑張ってください。

    2023年12月13日 15:39

  • 雲去来をはじめとする御館ご所蔵のすばらしい作品を、未来のこどもたちに繋いでください。応援しています。

    2023年12月11日 22:16

  • 熊本出身です。幼い頃からよく県立美術館に行っていたので、とても大切な思い出の場所です。ぜひぜひ横山大観の作品の修復にお力添えできればと思っております。

    2023年12月10日 18:58

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