棚田にできた新たな酒蔵との協働事業！里山保全プロジェクト

里山のいま

かつて、人里と山の生活圏の間には、人の手で管理された雑木林や竹林などがありました。
しかし、過疎化が進む中山間地では管理が行き届かず、立ち枯れした木々や放置された薮は野生動物の格好の隠れ場所になっています。
従来、富山にはイノシシはほとんど生息していませんでした。しかし、温暖化の影響で降雪量が減ったことで脚の短いイノシシでも越冬できるようになり、生息数は増加。元々いたシカなどと食糧を取り合うように人里に下りてきたと考えられます。
収穫直前の稲穂が食べられ、家庭菜園の野菜までも被害に遭う状況に、農業を諦めてしまう方もでてきています。

「白岩・芦見」という土地

立山町の中山間地にある白岩・芦見地区は人口減少、高齢化ともに進行する小さな集落です。農業を営む方も少なくなり、耕作放棄地や管理が行き届かない森林が増えています。
しかし、ここには豊かな水を湛える棚田があり、遠くには富山湾を望む、美しい風景が広がっています。春には雪解け水が水路を走り、夏には青々とした稲が揺れます。秋には一面を蜻蛉が飛び交い、冬にはしんしんと雪が積もる。日本の原風景を感じさせる、のどかな環境を守っていきたいと考えています。

寄付金の用途

曖昧になった人間と野生動物との棲み分けをするため、里山を整備します。立ち枯れした木の伐採や、下草を刈り、森林周囲の雑草木の除去や枝打ち等を行い、集落や農地と野生動物の生息地との間に適切な緩衝地帯を設けます。
野生動物とのバランスをとるとともに、美しい景観の保全のためにも寄付金を活用させていただきます。里山保全は数年に渡る長期的な事業になるため、町内外の方のご理解とご協力を得たいと考えています。
このプロジェクトは、白岩・芦見地区で新たに酒蔵を構えた株式会社 白岩の協力を得て、実施します。

株式会社 白岩

シャンパーニュ地方の中心に生まれ、ドンペリニヨンの5 代目醸造最高責任者を28 年間務めたリシャール・ ジョフロワ氏は、日本酒に新たな可能性を感じ、酒造りに取り組んでいます。
田んぼに囲まれ、山と海を同時に望むことができる場所を探す中で、立山連峰と富山湾を一望できる白岩・芦見地区に惹かれたリシャール氏は、この土地での酒蔵建設を決めました。
自然豊かなこの土地と調和し、融合するように建つ酒蔵は世界的建築家の隈研吾氏によって設計されました。
リシャール氏が初めて手がけた日本酒「IWA 5」は 3 種類の酒造好適米と 5 種類の酵母によって醸された原酒を「アッサンブラージュ」というシャンパン造りで培った技法でブレンドして完成しました。
古来から行われてきた伝統ある酒造りに革新的な手法を取り入れた「IWA 5」 は日本国内に留まらず、世界各地のシェフから高い評価を受けています。

リターン（返礼品）について

2020 年に「IWA 5」を初めてリリースした株式会社 白岩は、1年程前より立山町白岩に位置する自社の酒蔵で醸造を開始しています。立山の豊かな水で仕込み、白岩・芦見地区が育んだこのIWAの日本酒が本プロジェ クトの返礼品です。
「IWA 5 アッサンブラージュ 4」は 2022 年春過ぎに 醸造・瓶詰めを行い、1 年間熟成を行った後、2023 年夏頃の発送となります。美しい里山の風景に思いを馳せ、この日本酒の背景にあるストーリーとともに、豊かな味わいと余韻をお楽しみください。