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日本画家・横山操の大作《雪原》を修復・公開したい! 佐久市立近代美術館 収蔵作品保存修復プロジェクト

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 1,180,000

39.3%

目標金額:3,000,000

達成率
39.3%
支援人数
12
終了まで
受付終了

長野県佐久市(ながのけん さくし)

寄付募集期間:2022年9月30日~2022年12月31日(93日間)

タグ:

長野県佐久市

プロジェクトオーナー

佐久市立近代美術館では、約3,400点の日本の近現代美術作品を収蔵しています。しかしながら、制作や収蔵から年月を重ねた作品は経年劣化が進んでおり、中には館内での展示や他の美術館・博物館などへの貸出ができないものもあります。

この度、2033年(令和15年)の開館50周年に向けて、「油井コレクション」の日本画作品を中心に作品の状態調査及び修復を計画的に実施します。貴重な美術資料を守ることにより、美術館での充実した体験を未来の世代にも伝えてまいります。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

佐久市立近代美術館について

佐久市立近代美術館

佐久市立近代美術館は、1983年(昭和58年)5月26日に開館しました。佐久市出身の実業家(株式会社美術年鑑社初代社長)である油井一二(ゆい・いちじ/1909-1992)が生涯にわたって収集した、近現代の日本画壇の特徴をたどることのできる「油井コレクション」のほか、佐久地域ゆかりの美術作家の作品や、明・清時代の中国陶磁器など幅広い美術資料を収蔵しています。
これらを紹介するコレクション展および企画展のほか、地域の方を対象とした公募展やワークショップなども開催し、誰もがアートに親しめる美術館を目指しています。

エントランスホール(写真左の作品は池田満寿夫《佐久讃歌》)
佐久地域に関心がある方を対象とする公募展「佐久平の美術展」
テンペラ画を体験するワークショップの様子

日本画の名品がそろう「油井コレクション」

「油井コレクション」の日本画作品の中には、日本画家・平山郁夫(1930-2009)の初期の代表作《仏教伝来》(1959年)など、近現代の代表的な日本画家の画業を語るうえで欠かせない作品が数多く含まれています。市町村立の美術館としては比類のないコレクションであり、当館の大きな特徴と言えるでしょう。

「開館1周年記念 佐久市立近代美術館コレクション+ 現代日本画へようこそ」(太田市美術館・図書館、2018年)や「佐久市立近代美術館の名作 日本画、新しき風にのせて」(茨城県天心記念五浦美術館、2016年)など、「油井コレクション」の名品を他の美術館・博物館でご紹介いただく機会も少なくありません。

修復したい収蔵作品 横山操《雪原》

横山操(よこやま・みさお/1920-1973)は戦後を代表する日本画家のひとりです。
大胆な作風によって日本画壇の中で圧倒的な個性を放ち、晩年は病に冒されながらも左手で制作を続けました。
没後50年近く経過した現在でも各地の美術館で回顧展が開催されるなど、根強い人気を誇ります。

横山操《雪原》 1963年 紙本彩色 242.0cm×605.0cm
※受付期間が終了したため、著作権保護の観点から作品画像は削除しました。

《雪原》は、一面の雪景色の中に稲架(ハザ)木の黒いシルエットが連なる、横山の郷里である新潟の風景を描いた作品です。
本作品は、横山が美術団体「青龍社」を脱退してから初めて開催された個展「越後風景展」で発表されました。画廊の壁の大きさにあわせて制作されたという《雪原》は、当館の収蔵作品の中でも指折りの大作です。

個展の案内状に記された横山の言葉「生れ故郷越後の山水を主題にして、金、銀、墨をもって第一回個展を開きます」のとおり、《雪原》には伝統的材料である「金、銀、墨」が巧みに用いられています。例えば、画面上方では墨のたらし込みによって重い雲の立ち込める様子が効果的に表現されているほか、画面下方の胡粉(貝殻から作られる白色の絵具)層の下には金箔が透けて見え、雪の白がいっそう輝くように工夫されています。

修復が完了した際には、ぜひ皆様に実物の迫力を体感していただきたいと思います。

作品の修復がなぜ必要?

博物館や美術館で数百年前の絵画や書跡、彫刻などを鑑賞することができるのは、その資料が長い間良好な環境で保管され、適切な修復処置が継続して行われてきたからです。

博物館や美術館の収蔵庫は温湿度が保たれる良好な環境ではありますが、例えば日本画に用いられる膠(にかわ)の接着力が低下して絵具が剥落(はくらく)するなど、経年による劣化は避けられません。
また、既成概念にとらわれない材料や技法によって制作された近現代の作品の場合、これらが原因で劣化の進行が早まることもあります。

貴重な美術資料を後世に守り伝えていくには、状態を正確に把握したうえで、高度な知識と技術をもつ専門家による修復処置を施すことが不可欠です。

本紙の酸化によりパネルから剥がれた日本画作品への応急処置

寄付金の使い道

皆様から頂いた寄付金は、横山操《雪原》の修復費用に充当します。

※目標金額を下回った場合でも、その全額を本プロジェクトに活用いたします。
※修復が完了した際にはコレクション展で《雪原》を公開する予定です。

※修復が必要な主な箇所は以下のとおりです。

・前景の樹の黒の亀裂および剥落
・各パネルの左右辺の汚れ
・パネルの角や縁の擦れ傷や当て傷
・裏面の緑紙の酸化
・パネル側面の和紙の毛羽立ち

プロジェクトにご支援いただく皆様へ

佐久市長 栁田 清二

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佐久市立近代美術館は、故油井一二氏が佐久市に寄贈してくださった約660点の美術作品を皆様にご覧いただく「美の殿堂」として、また佐久地域の文化芸術活動の拠点のひとつとして、創造の森・駒場公園内に1983年に開館いたしました。

佐久市立近代美術館のコレクションは、油井氏をはじめとする作品寄贈者の皆様の篤志によって形成されてきました。佐久市民にとっての貴重な財産であるだけでなく、素晴らしい作品を鑑賞するために遠方から訪れる方が大勢いらっしゃるほど、価値の高いコレクションです。

この度、収蔵作品の中でも屈指の名品である、横山操先生の《雪原》の修復を計画いたしました。本プロジェクトを通じて作品のもつ魅力を皆様に知っていただき、次世代を担う子どもたちに守り伝えていきたいと思います。

皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

お礼の品をご紹介

佐久市立近代美術館の招待券およびミュージアムグッズのほか、2021年度(令和3年度)企画展「武論尊原作展 デビューからの軌跡 武論尊/史村翔の世界」の開催にご協力いただいた「株式会社タク技研」の「北斗の拳」グッズがお選びいただけます。

さらに、佐久市内で作品を制作している陶芸家の小野道佳さん、木版画家の田嶋健さんから、本プロジェクトのため特別に作品をご提供いただきました。
こちらは本プロジェクト限定の「お礼の品」です。ぜひこの機会にご自宅でもアートをお楽しみください。

※一部数量限定の作品があります。
※「お礼の品」は、順次発送を予定しておりますが、品物によって発送時期が異なる場合がございます。

【注意事項】

本プロジェクトに対するご寄付は「ふるさと納税制度」の対象となるため、佐久市民の皆様にはお礼の品をお送りすることができません。
ご理解とご了承をいただきますようお願いいたします。
※佐久市民の方が寄付される場合も、寄付金控除はお受けいただけます。

佐久市内の作家紹介(五十音順・敬称略)

小野 道佳(おの・みちよし) 陶芸家

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1975年 東京都国立市に生まれる
1999年 明星大学日本文化学部生活芸術学科卒業
2004年 長野県移住
2009年 第20回日本陶芸展入選、第49回東日本伝統工芸展入選
2011年 第21回日本陶芸展入選、渋谷西武百貨店・新宿京王百貨店個展開催
2012年 第51回東日本伝統工芸展入選
2013年、2015年 仙台三越個展開催
2014年、2016年 新宿京王百貨店2人展開催
2017年 池袋西武百貨店2人展開催

田嶋 健(たじま・けん) 木版画家

1973年長野県佐久市生まれ、在住。
木版画による作品、イラストレーション、紙芝居等の制作他、趣味の郷土玩具蒐集から制作もする。

1997年 多摩美術大学卒業/1999年 同大学院修了
2011年 挿絵制作「井月をめぐる旅」(信濃毎日新聞連載)
2012年 紙芝居画制作「若返り水」(NHK・Eテレ「にほんごであそぼ」)
2014年~2016年3月 「朝日クッキングサークル」表紙(朝日新聞拡販紙連載)
2017年 天井広告版画完成(善光寺東之門・藤田九衛門商店2階)
2018年 真澄アーティストトラベル(信州諏訪・宮坂醸造)
2019年 個展「オーバ!DE 天井画」OPA gallery(東京・表参道)
2021年 「デザインで山あそび!」出品(長野・池田町)
他、個展等展覧会多数

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現在進捗情報はありません。

長野県佐久市

佐久市は、長野県の東部に位置する自然環境豊かな高原都市です。地域医療が充実した「健康長寿のまち」であることや、市内に北陸新幹線の駅や上信越自動車道のインターチェンジが所在しており首都圏へのアクセスに優れていることから、地方移住への関心が高まる中で「暮らしやすいまち」として注目されています。

佐久市出身の代表的な美術家(書道家)には、工部美術学校で西洋画を学び石版画家として活躍した岡村政子(1858-1936)や、「現代書道の父」と呼ばれ多くの門弟を育てた比田井天来(1872-1939)、「理想的な乳牛像」のほかアメリカで公共彫刻を多数手掛けた川村吾蔵(1884-1950)らがいます。

太平洋戦争中には東郷青児、有島生馬、奥村土牛らが現在の佐久市域内に疎開し、地域の芸術活動に影響をもたらしました。また、佐久平から望む雄大な浅間山の姿は、多くの画家たちに描かれたモチーフでもあります。