北海道日本海の海の幸《2023・秋冬》ふるさと納税担当者おすすめの逸品

北海道の南西部、日本海を臨む町、江差。北前船交易によって「江差の五月は江戸にもない」と謳われるほどの繁栄を極めました。
かつての栄華を伝える商家や姥神大神宮などの社寺が並ぶ「いにしえ街道」、幕末のロマン漂う「開陽丸記念館」、北海道最古の歴史を有する「姥神大神宮渡御祭」、民謡「江差追分」に代表される郷土芸能など、北前船交易による繁栄は、江戸時代から伝承されている文化とともに、今でもこの地域に色濃く連綿と受け継がれています。
人口7,000人ほどの小さな町ではありますが、「誇りある暮らしを未来へ紡ぎ、みんなでつくる“自分たちごと”のまちづくり」を目指しています。

紅ズワイガニの漁場は北海道日本海の檜山沖（道南の日本海側）。西方70kmほど離れた渡島大島が間近に見える沖合まで漁にでることも。3日間港に帰らずに海上で漁を続けたあと、漁果を江差港に水揚げします。漁法はカニを傷つけないカニかご漁。海底でカゴをひき回さない海洋環境にもやさしい漁法です。

檜山地方で唯一、紅ズワイガニ漁の操業許可を得ている江差在籍「松田漁業部　宝樹丸」。カニの販売も松田さん経営の「北前水産」が行っています。漁獲から卸・販売までカニ漁師が手掛けているから、徹底した鮮度管理で紅ズワイガニ本来の味をお届けすることができます。

江差のエビの漁期は12月～5月。荒天の合間を縫って雪がちらつくなか海底に沈めたエビかごを引き揚げます。底引き網漁とは異なり、エビを傷つけることなく元気に生きた状態で水揚げしています。江差の新鮮な「日本海シマエビ」は「味よし！色よし！香りよし！」中央市場でも高い評価を得ています。

水揚げ量が少ない「ガサエビ」。前回の漁期ではなかなか獲れるポイントが見つからず、量を用意するのに苦労しました。なので、今回は漁が始まるまでは数量を絞っての受付とさせていだきます。トゲトゲしているため殻剥きには軍手が必須！ちょっと手間がかかりますが、飽きのこない希少な味をぜひ一度お試しください。

現在、江差でエビ漁を行っている船は「幸栄丸　若山水産」の一隻だけ。エビの出荷作業を担うのは若山のおかみさん。午前3時に船の出港を見届けたあと、あたりが真っ暗ななか、漁港の荷捌き場で選別作業が始まります。エビの手足やひげを損なうことのないようていねいに一匹一匹、サイズと状態を見極めていきます。

江差町では漁業経営の安定と育成を図るため、2022年11月にサーモン養殖の取り組みを開始。雨の日も雪の日も1日2回の餌やりを続けて大事に育成。2023年5月10日に初水揚げを迎えました。

純国産サーモン！岩手県雫石町で孵化した幼魚をかもめ島湾内のいけすに放流。江差の寒冷な海で育ったサーモンは、脂がのっていながら、くせのない、誰にでも食べやすい魚に育ちました。

水揚げされた秋鮭は、海近くの漁師の作業場「番屋」で手早く処理されます。加工するのは「藤谷漁業部」の「浜のかあさん」たち。筋子をほぐしピンセットで細かな夾雑物を取り除いていきます。活締め・神経締めが施された鮭から取り出された魚卵は血混じりが少なく、出来あがった「イクラの醤油漬け」は臭みもなく絶品！

秋鮭の漁場は町も間近に見える江差前浜。定置網にかかった鮭を船上に引き揚げ、まずは「活締め」。素早く魚を気絶させて血抜きします。さらに帰港後、水揚げ前の船のうえで「神経締め」。魚の中枢神経をワイヤーで破壊することで死後硬直を遅らせ、新鮮さを長持ちさせる効果があります。

乱獲や気候変動に伴い減少する海洋資源、少子高齢化・後継者の不在など江差の漁業を取り巻く状況は明るいとは言えません。このような厳しい状況のなか、将来にわたり持続的に漁業を営んでいくため、いま私たちは「獲るだけ」ではない「つくり・育てる漁業」に取り組んでいます。
私たちは「漁師になりたい」という子どもが江差で漁師として生活していける「豊かな海」、威勢の良い声が飛び交う「活気あふれる浜」を後世に遺していきたいと思っています。私たちの取り組みへの応援をよろしくお願いいたします。