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次世代へつなぐ!静岡県立美術館 アートとみどりの散歩道 再生プロジェクト

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

main_img 達成

寄付金額 10,597,000

105.9%

目標金額:10,000,000

達成率
105.9%
支援人数
189
終了まで
受付終了

静岡県(しずおかけん)

寄付募集期間:2024年8月2日~2024年10月30日(90日間)

静岡県立美術館

プロジェクトオーナー

静岡県立美術館へと続く、アートとみどりの散歩道「彫刻プロムナード」
そこでは、四季折々の花々とともに、貴重な彫刻作品が、開館当初から世代を超えて訪れた人の目を楽しませています。
しかし、開館から40年が経過し、彫刻の塗装の剥落や腐食、さびなどの損傷が目立ち、草木の手入れも十分に行き届かなくなっています。その修復には、高度な技術と多額の費用が必要です。
美しい彫刻プロムナードに当時の姿をよみがえらせ、次世代に受け継いでいくため、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

※寄付ページを進むと「ログイン」とでますが、ページの下部から「会員登録しないで寄付する」も選択できます。

貴重な彫刻作品をよみがえらせたい!

彫刻プロムナードの作品は、作品の素材や制作方法によって、メンテナンスの仕方や劣化の進行速度が異なります。今回のプロジェクトでは、特に損傷がひどくなってしまった2点を修復します。

トニー・スミス《アマリリス》

作品について

彫刻プロムナードの坂道を上りきったところで、美術館の建物と同時に目に入ってくるのが、トニー・スミスの《アマリリス》です。1985年7月25日に、翌年開館する静岡県立美術館のシンボルとして現在の場所に設置されてから、来年で40年を迎えます。同じ形状の幾何学的立体を積み重ねた単純な構造ですが、作品の周囲を巡ると見え方が複雑に変化し、多様な鑑賞体験を生み出します。黒に着色されたスチールに反射する光と影が生み出す効果も鮮やかです。
本作品は屋外で設置されることを意図して作られた作品で、実際、この作品が現在の場所に置かれることにより、前庭と、背後の美術館の建物や周囲の自然とのあいだに調和を生み、印象深い景観を作り上げています。

トニー・スミスとは

アメリカニュージャージー州生まれのトニー・スミス(1912-1980)は、1933-36年にニューヨークのアート・スチューデント・リーグで絵画を学んだ後、1937年にはシカゴのニュー・バウハウスに在籍し、翌年からアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトの見習いと、その後2年間彼の助手を務めいくつかのプロジェクトに参加しました。以来、スミスは20年以上建築家として活動しますが、1950年代から、彫刻家に転向し、形態と空間の均衡、幾何学的構築性を追求し、ミニマル・アートの動向とも関わりを持ちました。

専門家からのご意見 黒川弘毅(彫刻家、保存・修復家、武蔵野美術大学名誉教授)

私は30年以上にわたり、彫刻プロムナードの作品群の保存に関わってきました。屋外の過酷な環境に置かれている彫刻作品は、良好な状態を維持するために、コンディションの観察と保守作業を継続的に必要とします。

鉄製の《アマリリス》には塗料が施されています。塗装の更新(塗り替え)をして16年が経過しました。
近年、塗装の劣化が加速度的に進行し、退色により作品の色調は黒からグレーに変わりました(1)。現在、表面を触ると、劣化した塗料が粉状になって指にたくさんにつきます(2)。内角を含むコーナーの多くで、塗膜に亀裂が入ってはげ落ち、さびを生じた鉄材が現れています。目につきやすい水平面では黒い塗膜層の喪失が広範囲に進み、白色の下地塗料の露出が顕著になっています(3)。できるだけ早く塗装を更新する必要があります。
また動物による常習的な尿かけが原因と思われる腐食が、作品下方の特定個所に進行しています。さびが塗膜を浮き上がらせ、剥落させている部分が拡大しています。目立たない下面には層状のさびが幾重にも激しく形成されて、大きなさびの破片が落ちはじめています(4)。この腐食は作品にとって深刻なダメージとなることが懸念され、これを迅速に処置しなければなりません。

単純な形態の構成が際立つ《アマリリス》は彫刻プロムナードにおける要です。その修復、再塗装と腐食個所の防錆は、プロムナード全体を整備する上で喫緊の課題です。

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清水九兵衛《地簪》(ちかんざし)

作品について

彫刻プロムナードにある清水の《地簪》(ちかんざし)はシンプルな形をしていますが、表面には微細な凹凸があって、実は表情豊かな作品です。清水は、親和などを意味する「AFFINITY」という言葉で自作を説明していて、作品と周りの空間がなじむことが意図されています。盛り上がった地面から立ち上がるような本作品は、周囲の緑を背景に、赤色が映える(はずの)ものとなっています。
残念ながら、現在では塗装が剥がれ、さびも出てきて、存在感はあまりないかもしれません。清水が彫刻プロムナードのために制作した、たった一つしかない彫刻作品です。本来の姿をご覧いただけることを願っております。

清水九兵衛(きよみずきゅうべえ)とは

清水九兵衛は、1922(大正11)年生まれの彫刻家です。アルミニウムを素材とした抽象彫刻で知られ、野外作品を多く手がけました。陶芸家・七代清水六兵衛としての顔も持っています。1950年代から陶芸を発表していましたが、1960年代後半、彫刻に転向します(1968年から清水九兵衛の名前を使用)。1980年、六代清水六兵衛の急逝に伴い、七代を襲名しました。第3回彫刻の森美術館大賞受賞(1977年)、第7回須磨離宮公園現代彫刻展大賞受賞など、受賞多数。

専門家からのご意見 藤岡五郎(清水九兵衛助手)

私は藤岡五郎と申します。1989年に金沢美術工芸大学を卒業し、同年から2006年に清水先生が逝去されるまで助手を務めました。先生の逝去後は制作に関する図面や資料の分類・整理、全国に設置されている清水作品を修復する活動などを続けています。

清水先生の野外彫刻作品の数は日本国内だけでも80点以上に及んでいます。初期の作品は、アルミ表面に「ヘアライン仕上げ」と呼ばれる模様を付けた後、透明塗料を塗装していましたが、傷付いた際の修復に苦労されたようです。その為1980年代からは作品に朱色の塗装を施すようになりました。ただ、アルミの質感を重要視していた先生は、全て朱色で覆ってしまわず部分的に色を剥がしてアルミが見えるような工夫をしました。作品を近くで見ると、朱色とシルバーがハレーションを起こしてその鮮やかさにハッとさせられます。ちなみにその朱色というのは既成色ではありません。京都でよく見られる鳥居の朱色に近い赤色であった事もあり「京都レッド」と名付けられています。

「地簪」は前回の塗り替えから既に30年が経過しています。表面の塗料は多くの部分で剥離し、アルミ素地部分にも白さびが発生しています。一般的に外壁塗装は10年から20年で塗り替えることが推奨されています。特に赤系の色の材料となる顔料は他の顔料と比べて紫外線の影響を受けやすく、退色が起きやすいといわれています。ぜひ、オリジナルの「京都レッド」で「地簪」をよみがえらせることができますよう、よろしくお願い申し上げます。

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寄附金の使い道

トニー・スミス《アマリリス》の修復費 約360万円
清水九兵衛《地簪》の修復 約240万円
その他植栽やベンチなどの整備 約400万円

・目標金額に達しなかった場合も、本プロジェクトに活用させていただきます。
・目標金額以上の寄附をいただいた場合、より過ごしやすく、心地よい散歩道の整備に活用させていただきます。

【事業実施のスケジュール】

2024年度冬 修復等整備実施

寄附者の皆さまへ

ご寄附の方法・返礼品について

■寄附のみの方・静岡県にお住まいの方
このプロジェクトへのご寄附は、静岡県にお住まいの方でも、ふるさと納税制度の対象です。
個人の方の場合、一定の限度内で寄附を行うと、2000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。芸術や緑豊かな憩いの場を守るために、ふるさと納税で支援したい。そんな思いをお持ちの方は、ぜひご支援をお願いいたします。
返礼品が不要で寄附のみの方や、静岡県にお住まいの方は、「ふるさと納税で応援」ボタンからご寄附ください。

■感謝の品(返礼品)のご紹介
静岡県外にお住まいの方には、感謝のお品(返礼品)をご用意しました。
数量限定のオリジナルグッズをはじめ、高額寄附者様には当館一番人気の貴重な作品・伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》の特別鑑賞会まで、静岡県立美術館ならではのプランを寄附金額に応じてお選びください。
感謝のお品をご希望の方は、「お礼の品を選んでこのプロジェクトへ寄付をする」のボタンからご寄附ください。
※ふるさと納税の制度上、静岡県にお住まいの方はお礼の品(返礼品)を受け取ることができません。

■インターネットでのお振込みが困難な方
ご連絡をいただけましたら郵便局の払込取扱票を郵送いたします。
(静岡県立美術館企画総務課 054-263-5755 soumuPMA-shizuoka@pref.shizuoka.lg.jp)

ご支援いただきました皆さまのお名前をホームページ又は館内に提示させていただきます。(ご希望の方のみ)

メッセージ

静岡県立美術館 館長 木下直之

写真

彫刻プロムナードは美術館の誕生とともにありました。広場や庭園など屋外の演奏会がプロムナードと呼ばれるように、この坂道を上るところから、すでに美術館は始まります。2年後に、当館は開館40周年を迎えます。
さらに40年後、100年後へと美術館をつないでいくことが、私たちの使命です。この大切な仕事に、皆さまのお力をお貸しください。彫刻プロムナードをよみがえらせ、坂道で過ごす皆さまの時間が楽しいものになるようにします。

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ご利用のお客様から寄せていただいた思い出のエピソード

プロムナードのアートと自然は、開館前から整備が行われ、世代を超えて楽しまれてきました。ご利用されているお客様から寄せていただいた、思い出のエピソードをご紹介します。

自然の中にある彫刻作品は、誰もが気兼ねなくアートに触れていただける貴重な場所です。その作品と環境を守り、より良い状態で次世代へと伝えていくために、いま成すべき修復と整備を実施したく、ご寄附をお願い申し上げます。

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ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

お礼の品一覧

  • 2025年05月15日 11:43

    プロムナードツアーを行いました。

    昨年度は、本プロジェクトへのご支援を誠にありがとうございました。おかげさまで清水九兵衛の《地簪》の修復も無事終わり、画像の通り美しい色合いを取り戻しました。
    先月には、完成なったプロムナードの修繕のお披露目をかねて、プロムナードツアーも実施いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
    対話型鑑賞を行いながら実施するプロムナードツアーは、今後もボランティアさんたちを中心として開催していく予定ですので、是非、ご都合がつく際にはご参加ください。

    最後に、修復後の《地簪》の画像を、この進捗ページにてお見せするのが遅くなってしまいましたこと、お詫び申し上げます。修復の様子を写した動画も、美術館ウェブサイトおよびYoutubeチャンネルにて引き続き公開していますので、どうぞご覧ください。

    美しくなったプロムナードを、今後も適切に維持管理し、次の世代へとつなげていきます。
    引き続きの応援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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静岡県

静岡県では「生まれてよし 老いてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「住んでよし 訪れてよし」の理想郷“ふじのくに”を目指し、皆様と二人三脚で様々な施策に取り組んでいるところです。「ふるさと“ふじのくに”」に貢献したい!「ふるさと“ふじのくに”」を応援したい!という皆様からの寄附をぜひお願いします。

  • GCFとは?

このプロジェクトへの応援メッセージ

  • これからも、応援しています

    2024年10月29日 12:09

  • 美術館はよく訪れるので綺麗になるのが楽しみです

    2024年10月26日 12:57

  • 私は静岡県で生まれ育ち、東京の大学の芸術学科に地元から通っています。富士山と静岡県立美術館は私たちの美の起源であり、これからも未来に伝え繋いでいく大切な資源といえます。そんな憧れの美術館の博物館実習で大変お世話になり、次の世代のつないでいきたいです。

    2024年10月10日 14:45

  • 県民の「財産」を守るために協力します。

    2024年9月4日 13:15

  • アマリリスの修復よろしくお願いします

    2024年8月26日 22:21

  • 美しいプロムナードを次世代につなげたい❣️

    2024年8月19日 8:47

  • 応援しています。

    2024年8月17日 20:47

  • 美しいプロムナードを維持したい

    2024年8月16日 11:18

  • 今回,2月16日~3月9日迄の県民ギャラリーでの受付をさせていただきました。 その関係もあります。 改めて,会場を含めて,作品とその経緯や関心いただく皆様のお役に立てたら…と思いました。

    2024年8月14日 21:23

  • 四季折々の表情を見せてくれる道。微力ながら応援しております。

    2024年8月14日 20:04

  • 静岡県立美術館の屋外彫刻の修繕には、クラウドファンディングだけに頼るのでなく、基本的にもっと県予算をつけて下さい。現状のままでは文化レベルの低い県だと思われますよ。

    2024年8月14日 10:13

  • 立派な美術館です。この次来館するときは雑草が無くなってきれいになった「彫刻プロムナード」を歩きたいです。

    2024年8月12日 20:45

  • 応援しています。

    2024年8月12日 8:01

  • 木下君,頑張ってね!娘に聞きまして,微力ながら。

    2024年8月6日 12:30

  • きれいになった彫刻を横目にお散歩するのを楽しみにしています。がんばってください!

    2024年8月4日 12:24

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