酒田に唯一残る江戸時代の町屋造「旧鐙屋」を修理し次世代に引き継ぎたい!

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

main_img 達成

寄付金額 1,024,000

102.4%

目標金額:1,000,000

達成率
102.4%
支援人数
58
終了まで
32
/ 90

山形県酒田市(やまがたけん さかたし)

寄付募集期間:2024年3月1日~2024年5月29日(90日間)

山形県酒田市

プロジェクトオーナー

「旧鐙屋」は、明治27年の「庄内地震」や昭和51年の「酒田大火」でも失われることなく、酒田に唯一残っている江戸時代の貴重な町屋造です。しかし、各所に痛みが目立ち、専門家の調査により、震度5以上の地震で倒壊する危険性が指摘されました。
酒田市では、この危機的状態にある「旧鐙屋」を安全に公開、そして次世代へ継承していくため、令和2年度から修理を行っています。また、これまでもガバメントクラウドファンディングを行い、皆様から多くの支援をいただきました。誠にありがとうございました。
しかしながら、修理の完了まで先は長く、令和5年度は耐震・屋根・設備改修工事を実施しています。
次世代に江戸時代の姿を引き継いでいくため、引き続き皆様からのご支援をお願いいたします。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

旧鐙屋の修復・耐震工事にお力添えください!

なぜ修復・耐震工事が必要なの?

地震による亀裂

平成2年(1990)から7か年かけて実施した「旧鐙屋 平成の大修理」では、新たに発見された図面に基づき、明治期以降に改修された部分を江戸時代末期の姿に復元しました。
 
それから20年以上の年月が経過した現在、旧鐙屋は屋根の石ずれや杉皮のはがれなど、経年による劣化が目立ってきました。さらに追い打ちをかけるように、令和元年(2019)6月に発生した山形県沖地震により梁や柱に亀裂が発生し、専門家からは震度5以上の地震で倒壊する危険性があると指摘されるなど、大変危険な状態となっています。

酒田市では、国の史跡指定も受けている旧鐙屋の町家造としての価値や魅力を次世代に確実に継承していくため、令和2年10月から屋根葺き替えと耐震補強による修復工事を開始しました。
今回のプロジェクトにご賛同いただける全国の皆様からご支援いただくことは、旧鐙屋の価値をさらに高めるものになるとともに、市民一人ひとりが改めてその魅力を再認識することにもつながるものと確信しています。
酒田に唯一残る江戸時代の貴重な町家造「旧鐙屋」を守り伝えていくこの活動に、どうぞご協力をお願いいたします。

日本海側における近世の代表的港町・商業都市酒田の大廻船問屋

ところで、旧鐙屋って何?

旧鐙屋の通り庭(土間)

「旧鐙屋」は酒田を代表する廻船問屋で、江戸時代に繁栄し、日本海海運に大きな役割を果たしてきました。本姓を池田といいましたが、慶長13年(1608)、領主である最上義光から鐙屋の屋号を与えられてからは、鐙屋惣左衛門と称するようになりました。また、酒田の町の運営を担っていた、「酒田三十六人衆」の筆頭として活動していました。
商売で財を成し、巨万の富を蓄えた豪商の集団である「酒田三十六人衆」が、酒田の自治を担っていた江戸時代、酒田の中心街である本町に店を構えることは商人たちの夢であり、最高のステータスだったといいます。盛衰の激しい酒田において、本町に、そして三十六人衆にとどまり続けることは決して容易ではありませんでしたが、鐙屋は現在に至るまで本町に建物を残し、三十六人衆においても代々「町年寄」(=三十六人衆の長)を務めた、酒田を代表する廻船問屋の一人です。
鐙屋の繁栄ぶりは、井原西鶴の『日本永代蔵』巻二の「舟人馬かた鐙屋の庭」にも記されており、「北の国一番の米の買入れ、惣左衛門といふ名をしらざるはなし。」と紹介されるほどで、少なくとも北国地方の豪商として有名だったことがうかがえます。
現在の建物は、弘化2年(1845)4月に発生した火事の直後に再建されたものと伝えられています。

旧鐙屋のココがすごい!

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旧鐙屋の建物を見ると、風が強い酒田に店を構えた商人が、建物や商品を守るため、さまざまな工夫を施していたことをうかがい知ることができます。
建物のほぼ中央を通り庭(土間)が貫通していますが、これは商品を運ぶときに屋根がかかったところを通るためとされています。雨や雪が横殴りに降ってくる酒田においては、品物を守るため、このような造りの町屋が典型でした。
土蔵は、漆喰部分に強い風雪が直接当たることを防ぐため、「さや」と呼ばれる木材で覆われていますし、火災時の強風による延焼対策のため、西側は高塀になっています。
また、屋根は石置杉皮葺屋根(いしおきすぎかわぶきやね)と呼ばれる他では見られないつくりをしています。
現在の家屋は177年前に建てられたと伝えられ、国の史跡でもあり、酒田に現存する唯一の江戸時代の町家造といわれています。
江戸時代の酒田商人の暮らしぶりと繁栄を現在に伝える貴重な空間として、市民や観光客から親しまれています。

皆様に親しまれる「旧鐙屋」に!

寄付金の使い道

今回のご支援は、「旧鐙屋」を維持し、訪れる皆様に満足していただくため、老朽化した部分を修復する費用の一部に充てさせていただきます。
※目標金額に達しなかった場合でも、ご支援いただいた寄附金は修復費用に充てさせていただきます。目標金額以上のご寄付をいただいた場合は、来年度以降に繰り越して活用させていただきます。

【事業内容】
・屋根の修繕
・耐震補強
・設備更新

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【事業実施のスケジュール】
・2020年10月以降 修復工事開始
・2021年7月~ 調査解体
・2022年     耐震補強工事・屋根改修工事
・2023年     耐震補強工事・設備改修工事・屋根改修工事(実施中)
・2024年     耐震補強工事・設備改修工事・仮設屋根撤去(予定)
・2025年     耐震補強工事(予定)
・2026年3月   修復工事完了(予定)

旧鐙屋を修復し、旧鐙屋を皆さんに知ってもらいたい!

江戸の文化を次の世代へ継承

「旧鐙屋」が再生されていく姿を全国に発信することは、酒田をはじめ日本の貴重な文化財であるということを認識していただける絶好の機会だと考えています。
鐙屋を見たい、知りたいという次の世代に継承し、この町家造の魅力を全国に伝えるためには、皆様からのご支援が必要です。
旧鐙屋を江戸時代の姿でずっと守り伝えていくため、ご協力をよろしくお願いします!

石がずれ、杉皮がはがれた屋根
工事中の鐙屋
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昨年度から屋根の耐震補強工事を行っています。
屋根裏にブレスを入れて横揺れに対処しました。

床下部分の耐震補強工事。
ここに鉄筋を添えて補強し、強度を高めました。

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ジャッキアップして土台を取り替えました。

コンクリート基礎を新設しました。

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下屋の野地板を張り替えました。

「旧鐙屋」の魅力とは

歴史も人もつなぐ交流の場

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170年以上の歴史が刻まれた旧鐙屋。建設当時の情景がうかがえ、想像力がかきたてられます。
国の史跡にも指定され、現存する町家造では酒田最古のものといわれており、杉皮と石で葺いた特徴的な屋根に注目が集まっています。
修復工事前の令和2年9月、旧鐙屋にて「あぶみあ~と」と題した現代アート展を開催しました。多くの方にご来館いただき、今までとは異なる利用者への広がりの可能性が感じられました。
人と人をつなぐ交流の場、新たな交流を生み出す拠点となり、これからも特別な存在、そして愛される存在になることを目指します。

近世酒田の経済活動を今に伝える唯一の廻船問屋遺構

酒田市長  矢口 明子

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「旧鐙屋」は酒田市役所の目の前、市の中心部にある文化財です。
本市の観光資源としても重要な役割を担っており、毎年多くの観光客で賑わいます。酒田港にクルーズ船が寄港した際には、多くの外国の方が旧鐙屋を訪れ、興味深げに施設内を見学します。
敷地内にある庭園では、春のツツジ、夏のサルスベリ、秋には柿の実、冬には雪景色と、四季折々の自然豊かな風景を楽しむことができます。
経年劣化や近年の度重なる自然災害により、屋根の破損や耐震強度の不足が深刻な課題となっていましたが、これまで、ガバメントクラウドファンディングで多くの皆様からご支援をいただき、大規模な修復工事に取り掛かることができました。誠にありがとうございました。
港町酒田のシンボルの一つである「旧鐙屋」を再生し、新しい出会いの場として地域の発展を図り、この素晴らしい建物を全国に発信していければ、と考えています。
昨年度に引き続きとなりますが、皆様のご支援よろしくお願い申し上げます。

現在進捗情報はありません。

山形県酒田市

北に鳥海山、南に月山を望み、雄大な庄内平野の中央を流れる最上川の河口に位置する酒田市は、江戸時代、北前船交易により商人の町として栄え、今もなお上方文化を感じることができる史跡や建築物が多い湊町です。
近年は、国際貿易港の酒田港を中心に、国際交流都市として発展を続けています。