北海道・天売島(てうりとう)の海鳥と自然環境を守りたい!
カテゴリー:動物
寄付金額 3,820,500円
目標金額:2,500,000円
- 達成率
- 152.8%
- 支援人数
- 216人
- 終了まで
- 受付終了
北海道羽幌町(ほっかいどう はぼろちょう)
寄付募集期間:2022年11月1日~2022年12月31日(61日間)
北海道羽幌町

北海道北部、日本海に面した羽幌町の沖合にある天売島は、ウミガラス(オロロン鳥)をはじめ、ケイマフリやウトウなど8種類、約100万羽の海鳥が繁殖する「海鳥の楽園」ですが、近年になり一部の海鳥が減少しています。本プロジェクトは、地域の宝である海鳥を守るため、海鳥を取り巻く地域の自然環境や生物多様性を、多くの人が参加して守る仕組みを作るものです。
そのための具体的な取り組みとして、天売島の自然環境と生態系の保全、シーバードフレンドリー認証制度、海洋プラごみの削減、環境教育を進めたいと考えています。
北海道・天売島(てうりとう)の海鳥と自然環境を守りたい!
海鳥の楽園・天売島の自然を後世に

北海道の北西部、日本海に浮かぶ天売島は、「オロロン鳥」と呼ばれて親しまれているウミガラスや、赤い足が特徴のケイマフリ、夜になると一斉に魚をくわえてヒナの待つ巣穴に戻ってくるウトウなど、8種類、約100万羽の海鳥が子育てのために集まる、海鳥の楽園です。また、漁業が盛んな有人島で、昔から人と海鳥が共に暮らしてきた島でもあります。

しかし近年になり、一部の海鳥の生息数が減少しています。
羽幌町のシンボル的存在であるウミガラス(オロロン鳥)は、1960年代に約8,000羽が生息し、繁殖期になると繁殖地である岩棚にぎゅうぎゅう詰めになって子育てをする姿が見られていましたが、漁網への混獲(対象魚種以外の生物が掛かってしまうこと)や、エサとなる魚の減少、外敵の増加など様々な原因で激減し、一時は10数羽まで減少しました。

現在は、環境省などが中心にウミガラスのデコイ(模型)や鳴き声を流す装置などを使った保護活動を行っていて、今年ようやく100羽を越えるまでに回復しました。しかしながら、まだ安定して繁殖できる数には回復していないため、今後はウミガラスが安心して暮らせる環境を残していく必要があります。

また、ウミガラスだけではなく、ケイマフリやカモメの仲間のウミネコなど、他の海鳥も減少しています。本プロジェクトは、地域産業や人の暮らしを含めて、地域内外の多くの人が天売島の海鳥と海鳥を育む自然環境保全に参加できる仕組みを作り、海鳥が後世に渡って安心して暮らせる環境を残すことを目指します。
世界に誇れる自然環境を後世に残すため、どうぞご協力をお願いします。
天売島の自然環境と生態系の保全
海鳥のヒナを襲う野良猫を島外に搬出して、人が飼えるように馴らし、飼い主を募集して譲渡する取り組みを実施してきました。おかげさまで昨年度まででほぼ全ての野良猫126匹を譲渡することができました。それにより減少していたウミネコが新たな繁殖地をつくり、個体数が回復しつつあります。


今後は、野良猫が再び増加しないようにモニタリングを行い、島民へ猫の適正な飼い方などの普及啓発や、高齢となって譲渡できなかった最後の1匹(アラレちゃん・メス)を、海鳥センタースタッフがケアをしながら、愛情を注いで飼育を続けます。
また、野良猫が島内からいなくなったことと因果関係は分からないものの、外来種であるドブネズミの被害が一時増加したことから、猫に頼らないドブネズミの対策として、低密度コントロールに取り組みます。
くわえて、かつて伐採により一度失われてしまった島内の森林を再生するため、周辺地域で採取された種から育てた苗木を植樹し、元々あった森林を再生するための取り組みが進められています。この取り組みを応援し、天売島の豊かな自然環境を守り、育てます。

シーバードフレンドリー認証制度
「海鳥を取り巻く自然環境の保全」と「地域産業の振興」の両立を目指して、海鳥や自然環境にやさしい取り組みをしている事業者を認証し、商品に付加価値をつけて購入者が海鳥保護に参加できる仕組みづくりを目指しています。
現在4事業者を認証していますが、さらに多くの事業者に参加してもらえるように、制度のリニューアルと商品開発、制度のPRなどに取り組みます。


現在、4事業者を認証
■北るもい漁業協同組合「海鳥に配慮した漁業の推進」
海鳥の混獲を回避するため、国際的な自然保護団体や日本野鳥の会と連携した混獲防止漁網の導入実験への協力や、森と海のつながりを意識した魚を育てるための植樹活動、海岸に漂着するプラスチックごみを中心とした海岸清掃などを行っています。

■上築有機米生産組合「減農薬による水田営農」
良質な農産物の供給と環境負荷の少ない農業を目指し、農薬、化学肥料を大幅に減らした特別栽培による水田営農の実践や大学生や高校生の研究・環境学習を積極的に受け入れしています。

■るもい農業協同組合/ホクレン農業協同組合連合会留萌支所
「特別栽培米の販売とCRMによる地域への再還元」
上築有機米生産組合が生産する特別栽培米を、首都圏を中心に流通させ、売り上げの一部を海鳥の保全活動に寄付する活動を行っています。
※「CRM」とは
Cause Related Marketingの略で、商品やサービスの売上による利益の一部を環境活動や奉仕活動を行う機関・団体に寄付することで、環境保護や社会貢献に結びつける活動のこと。

■株式会社ダイマル乳品「生産者・地域と取り組むCSVの実践」
周辺地域の規格外農作物を有効活用したアイスクリームの製造や、製造工程で割れてしまったモナカの皮を周辺農家の家畜のエサとして提供するなど食品ロスを削減する取り組みを進めているほか、工場内の徹底した節電、節水などの環境配慮を行っています。
※「CSV」とは
Creating Shared Value(共通価値の創造)の略で、企業が社会ニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的な価値も創造されること。

これら事業者による環境に配慮した取り組みが進められ、消費者がこれらの商品を購入して事業者を応援することで、「海鳥をとりまく自然環境の保全」と「地域産業の振興」の両方を、同時に進めることができます。
海洋プラごみの削減

道北の日本海側の海岸には、海流に乗って流れてきたおびただしい数のプラスチックごみが漂着し、景観を損ね、自然環境に悪影響をもたらしています。海洋プラごみによる汚染は地球規模で進んでいて、特に劣化して細かくなったマイクロプラスチックによる、海鳥を含む海洋生物や生態系への影響が懸念されています。
海岸に漂着したプラごみは、放置しておくと劣化して細かくなり、再び海洋へ流れ出て汚染を広めてしまうことから、「海鳥を守る海岸清掃」を開催して、海洋プラごみの削減を進めます。また、海岸に漂着するプラスチックの7割は陸上由来で、ペットボトルなど使い捨てプラスチックが多くを占めることから、環境教育を進めて、使い捨てプラスチックの消費削減などに取り組みます。
環境教育の推進
学校教育と連携して子供たちへの環境教育を進めます。また、北海道海鳥センターを中心に、一般向けの学習会や行事、オンラインイベントなどを開催し、環境教育を進めます。

これらの取り組みを進めることで、天売島の海鳥と、海鳥を取り巻く地域の豊かな自然環境や生態系を守りたいと考えています。
また、寄付金を海鳥保護の取り組みに活用するだけではなく、体験ツアーや天売島の森林再生、海岸清掃、オンラインイベントなど参加型のイベントを開催し、地域内外の多くの人が海鳥保護に参加する仕組みを作りたいと考えています。みなさまのご協力をお願いいたします!
寄付金の使い道
・天売島の生態系保全:10万円
・シーバードフレンドリー認証制度の推進:200万円
・海洋プラごみの削減、環境教育:40万円
海鳥と共に暮らす地域を目指して
取組を継続するためご支援をお願いします!

海鳥が後世まで安心して暮らせる環境は、すぐにできるものではなく、地道に継続することが必要です。私たちは、この取り組みを継続して、海鳥とともに暮らす地域づくりを進めたいと考えています。みなさまのご協力をお願いいたします!
環境保全の取組みを地域産業の活性化に繋げる
羽幌町長 駒井 久晃

“オロロン鳥”をシンボルとして掲げる本町では、地域の貴重な自然環境を守り、後世に残すべく「羽幌町の環境を守る基本計画」を策定しています。
この計画は、町の各施策に環境との調和を持たせるとともに、計画推進に向けた取り組みを町民、事業者、町などの相互連携の中で進めることで、地域の環境課題の解決を図るものです。
特に、地域の環境と密接な関係にある地域産業を、環境保全と調和させていく「シーバードフレンドリープロジェクト」を重点取り組みの一つとして掲げています。
この全国にも類をみないプロジェクトを通して「海鳥をとりまく自然環境の保全」と「地域産業の振興」、両者がより一層推進されることを期待しています。
皆様のご支援をお願いいたします。
生きものと人がやさしく向き合える世界を目指して
羽幌地域生物多様性保全協議会 会長 濱野 孝さん

地域産業の振興と環境保全は相反するものと思われがちですが、双方がともに助けあい共存出来ないかと考えています。
そのため、シーバードフレンドリー認証制度を、より効果的な制度となるように育てていきたいと思っています。
また、地元高校生への環境教育にも力を入れています。やがて地域の産業を担う子供たちに、自然環境の大切さを伝えたい。
生きものと人がやさしく向き合えば良いと考えています。
安心・安全な米づくりで海鳥保護に貢献
上築有機米生産組合 代表 川端 博明さん

日本のうるち米の最北地とされる羽幌町上築という地域で、農薬や化学肥料を極力減らした米づくりをしています。
この地域はもともと冷涼な気候で病害虫が少なく、温暖な地域に比べて農薬等の使用量が少ないのですが、そこからさらに削減し、有機肥料も使って育てた「こだわりのお米」です。
人にとって、安心・安全で美味しく食べられるお米は、農薬や化学肥料を減らすことで川や海、海に暮らす海鳥への影響を減らすことができ、海鳥にも人にも優しい環境を残すことができると思っています。
海鳥と共に生きる
天売島民 齊藤 暢さん

私は天売島で生まれ育ち幼いころから身近に海鳥がいました。
小学生のころから本格的に野鳥観察をするようになり、夏場は近所の密漁監視員の叔父さんに船に乗せてもらいオロロン鳥を見に行くのがとても楽しみでその頃は屏風岩やカブト岩にも多く繁殖していました。
そのオロロン鳥も一時は10羽程度まで減ってしまいましたが、沢山の人たちの保護活動のおかげで今は100羽程度まで繁殖数が増えました。オロロン鳥が増えた要因は単純な事ではないと思います。
海鳥が安心して暮らすためにはまず豊かな海が必要です。
森が水を蓄え海に栄養を送り、魚が集まり島に暮らす人々や海鳥を育む、その命の循環が大切なのではないでしょうか。
海鳥を保護することは実は島に暮らす私たち自身の暮らしを守る事だと考えます。いつまでも海鳥と人とが共に暮らす島でありたいと思います。
寄付者の皆さまへ
羽幌町からのメッセージ
これまでの取り組みにより、海鳥のヒナを襲ってしまう野良猫の問題は、ほぼ解決へと向かっています。ご協力ありがとうございました。
海鳥も人も、その他多くの生き物を育む自然環境も、ともにこの地域の一員であり、人と自然が共生する住みよい「まちづくり」を羽幌町は目指して、今後も取り組みを継続します。
全国の皆さま応援をよろしくお願いします。
ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!
ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。
控除上限額かんたんシミュレーション
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2023年12月24日 15:27
【R5活動報告】羽幌高校との連携授業
先日報告した葛西臨海水族園での羽幌高校1年生の成果発表は、春から秋にかけて行われた環境教育の連携事業から、生徒たち自身が課題を見つけて解決のための方法を探究するというものです。
その連携授業は、羽幌ビオトープでの生き物調査や海岸清掃とマイクロプスチック調査、外来種と海鳥、風力発電と野鳥など、地域の自然環境と人との関わりや影響について学ぶ授業を15コマ分ほど実施しました。
連携授業は毎年ブラッシュアップしながら続けていますが、一部の生徒は2年生以降も同じテーマの探究を続けていて、海鳥センターに調査方法の相談に来たりしています。
この授業を来年度以降も続けることで、高校生たちが地域の自然環境を大切に思い、自ら考えて解決のために行動できる力を育てたいと考えています。
この連携授業にも寄付金が活用されました。ご寄付いただきました皆さま、ありがとうございました!もっと見るコメント 1件
ゲスト さん
天売島の海鳥を守り、豊かな自然を守るため、頑張っている皆さんを微力ながら応援しています。
天国の島とも言われる天売島に行ってみたいです。2024/1/3 19:12
ゲスト さん
天売島の海鳥を守り、豊かな自然を守るため、頑張っている皆さんを微力ながら応援しています。
天国の島とも言われる天売島に行ってみたいです。2024/1/3 19:12
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2023年12月20日 16:00
【R5活動報告】天売島の森づくり
令和5年4月30日と5月1日に天売島で近自然森づくりの活動を行いました。
北海道科学大学名誉教授の岡村俊邦さんや、天売島の島づくり団体などが中心となり、未来のための森づくりのプロジェクトが数年前から進められています。この活動に、羽幌シーバードフレンドリー推進協議会が、植樹活動を中心に参画しています。
まず植樹場所の草を刈り、防草シートを張って(木の成長後取り除きます)、道北で採取した種子から育てた様々な樹種の幼木を混ぜて植えます。こうすることで、その場所にあった樹種だけが残り、自然に近い樹林を育てることができます。
植樹後は、場所ごとにどの樹種を植えたか、記録を残していきます。過去に植えた場所では、どの樹種が残ってどのくらい成長したのかなども調べました。
私たちは植樹活動が中心ですが、別の場所では混み合った人工林の間伐や、切り出した木をばん馬に引かせて運ぶ「馬搬(ばはん)」も行われました。運んだ間伐材は製材して、シーカヤック艇庫を作るなど、植樹と間伐、間伐材の有効利活用で森を育てています。
森と海はつながっていて、豊かで健康な森を育てることが、海鳥を育む豊かな海を守ることにつながります。もっと見るまだコメントはありません
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2023年12月18日 09:00
葛西臨海水族園でPRを行い、羽幌高校生が環境学習の成果発表を行いました!
12月16日(土)と17日(日)の2日間、葛西臨海水族園で海鳥講演会「つどえ オロロ〜ン!」とその前後におこなわるシーバードフレンドリー認証制度をPRするためのパネル展や物産展が開催されました。
このイベントに、環境学習で連携授業を行っている羽幌高校1年生の生徒が参加しました。16日に行われた講演会「つどえ オロロ〜ン!」では羽幌高校生の発表があり、海鳥を守るためのブルーカーボンの提案など、春から連携授業で学んできたことをもとに、自分たちで仮説を立てて考察し、解決のための提案までを堂々と発表していました。
先日は千葉県我孫子市で開催されたジャパンバードフェスティバルにも羽幌高校1年生が参加して活動発表をしていますが、学習成果の発表の場として、葛西臨海水族園の海鳥イベントやジャパンバードフェスティバルに参加することは、とても良い刺激になっています。
この高校生たちの旅費に、ふるさと納税ガバメントクラウドファンディングの寄付金を活用させていただきました。
天売島の海鳥を守るふるさと納税ガバメントクラウドファンディングは今年も募集中です。今年の寄付金は来年度の1年生の環境学習と成果発表に活用されますので、みなさま、ぜひご協力ください!
※進捗状況のページをこれまで活用していませんでした。寄付者の皆さまに進捗状況をお知らせするため、後ほど今年の活動などを投稿したいと思います。もっと見るまだコメントはありません
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北海道羽幌町

羽幌町は、北海道北部の日本海側、留萌管内のほぼ中央に位置する町です。沖合いには二つの島、天売島と焼尻島が浮かびます。町の東奥には天塩山地の最高峰ピッシリ山(1,032m)がそびえ、ピッシリ山に端を発する2つの河川、羽幌川と築別川の流域がそのまま町の形となっています。源流から河口まで、森と川と里と海と島がつながる、自然豊かな町です。
中でも特徴的な自然環境を有する「海鳥の楽園」天売島と、「オンコ(イチイ)の原生林と花の島」焼尻島は、共に「暑寒別天売焼尻国定公園」に指定されています。
その豊かな自然環境の恩恵を受け、日本有数の漁獲量を誇る甘えびをはじめ、ホタテ、タコ、ウニといった海産物、北限のうるち米やグリーンアスパラ、ねばりながいもなどの農産物、潮風を受け豊富なミネラルを含んだ牧草を食べて育った焼尻めん羊など、食資源に恵まれた町でもあります。
コメント投稿をありがとうございます!
あなたのその想いが
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投稿は順次、進捗情報ページへ反映されます。
反映まで数日かかることがあります。