【伝統工芸を未来につなぐ佐賀の伝統工芸助成プロジェクト】伴走支援で匠の技を次世代へ
カテゴリー:伝統・文化・歴史
寄付金額 2,104,000円
目標金額:2,000,000円
- 達成率
- 105.2%
- 支援人数
- 38人
- 終了まで
- 受付終了
佐賀県NPO支援(さがけん えぬぴーおーしえん)
寄付募集期間:2024年11月12日~2025年4月10日(150日間)
佐賀県NPO支援×佐賀未来創造基金×ピースウィンズ・ジャパン

佐賀県には、有田焼・伊万里焼・唐津焼だけではなく、たくさんの魅力的な伝統工芸が受け継がれています。私たち特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(以下ピースウィンズ)は、そんな佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクト「ピースクラフツSAGA」を行っています。伝統工芸をみらいへつなぐため、伝統工芸事業者の取り組みを応援する助成プロジェクトを実施します。
この助成プロジェクトは佐賀県と市民立のコミュニティ財団である「佐賀未来創造基金」と、これまで9年に渡って佐賀の伝統工芸を支援してきた「ピースウィンズ」がタッグを組んで実施する佐賀の伝統工芸事業者を支援する伴走型のプロジェクトです。
お礼の品はもちろん全て佐賀の伝統工芸品です。
厳しい時代だからこそ、行政では手の届かないきめ細かな支援が必要
事業者ニーズに寄り添う、伴走型の助成プロジェクト
ピースウィンズが実施する伝統工芸事業者に対する助成プロジェクトは2020年にスタートしました。
行政が行う補助金や助成金の支給とは異なり、柔軟に事業者ニーズに応えることのできる取り組みです。
大きな特徴は3つあります。
①佐賀の伝統工芸の事業継続、事業発展のための助成金
→事業者の創意工夫による事業継続、事業発展を支援します
②費用負担を必須としない
→事業経費に対する助成金の割合の上限を設定していないため、
事業者の費用負担が軽くなります
③視察訪問伴走支援
→専門家も同行した視察を行い、取り組み内容の確認や事業者へアドバイスを行うなど
継続的に事業者を支えます

助成の対象となった事業者からは、「販路拡大につながった」「今まで行政の助成では対応していなかった窯の修復ができた」など、助成プロジェクトを高く評価する声をいただいています。
伝統工芸事業者は、原材料事業者の廃業や人件費、物価の高騰という状況に直面しています。しかし、そんな苦しい状況でも希望を持ち、前を向いてチャレンジに取り組む事業者がいます。
2025年も、佐賀を代表するコミュニティ財団「佐賀未来創造基金」と共に助成プロジェクトに取り組み、これまで以上に伝統工芸事業者の挑戦を後押ししたいと考えています。
2024年度助成事業の対象となった伝統工芸事業者の取り組み
様々な分野で助成金が活用されています
4年目の今年は、7事業者に合計200万円の助成金を支給しました。
各事業者の取組概要を紹介します。
◆三藤窯/唐津焼/海外での展示会に向けた「型打ち」技法による新デザインの器作りと生産体制の構築

三藤るいさんが主宰する三藤窯は、デザインに優れた唐津焼の窯元です。
2025年に初の海外展示会を控え、「型打ち」技法による新デザインの器作りと生産体制の整備を進めています。
型打ち技法はタタラ(薄く伸ばした粘土)を型に押し当てて成形する方法で、ろくろ技法より比較的容易に習得が可能なため、弟子たちが早い段階で作品づくりに参加できます。弟子育成と生産体制の強化が評価され、助成対象となりました。
◆貝山製陶所/有田焼/上絵用電気窯の導入

有田焼は、型・生地・上絵など分業制で量産体制を整え、成長してきました。しかし近年、分業体制の崩壊や高齢化による事業の継続性の課題に直面しています。
貝山製陶所では高齢化の著しい上絵を内製化することで、生産の安定性と迅速な商品提供体制を整えようとしています。
現在は外注先から専門的な技術習得を進めており、さらに閑散期を利用して技術向上に努めます。
完全な上絵の自社製作を進め、5年後には経営を安定化させ、人材の雇用も検討しています。
◆玉峰窯/武雄焼/次世代への事業継承に向けた試験用窯の整備

これまでは当主の経験と技に頼って作品づくりを行ってきましたが、現在は息子さんと娘婿さんがその技を継承できるよう、試作と実験を重ねています。
息子さんが携わるようになってからSNSの運用を強化し、その活用によって全国から新規のお客様や弟子入り希望者が集まるようになりました。また、岡山の蔦屋書店での展示販売や、NHKから継続して取材を受けるなど、事業の幅も着実に拡大しています。
SNSは今や、玉峰窯にとって新しいビジネスチャンスを生み出す重要なツールとなっています。
◆岡野嵩平/灯油窯の導入

岡野さんは、武雄で磁器作家として活躍されています。通常、磁器製作の際は、ガス窯や電気窯の使用が一般的ですが、味わいのある作品づくりを目指し、灯油窯を導入しました。
購入した灯油窯は、薪による焼成も可能で薪窯での経験を活かし、新商品の製作に意気込んでいます。導入した窯は、小型で飯碗が60個ほど一度に焼ける容量となっています。
ひとりでの作業のため操作方法が難しく、一定の習得時間を必要です。電気窯と違う、ムラが出ることで味わいを面白いと感じる作品づくりを目指しています。
◆宝寿窯/武雄焼/各地で開催される展示会への出展

伝統工芸業界では、コロナ以前から続く原材料の高騰により、利益が目減りする厳しい状況が続いています。さらに、物価高騰によって一般消費者の買い控えも起こり、販売方法の見直しを迫られています。
インバウンド需要が活況を呈する中、宝寿窯では、直接お客様の声を聞きPRを強化すべく、助成に応募。
SNSを通じて中国からの買い付けなど販路の拡大を模索し、既存のお客様へのPRと新規顧客の獲得を両立するため、定期的に展示会へも出展しています。また、武雄焼のブランド化を目指し、広報活動にも力を入れています。
◆冬山窯/伊万里焼/鍋島焼と虹彩磁を融合させた商品開発

香炉・置物の専門窯元である冬山窯は、ライフスタイルの変化に対応し、新たな商品開発を進めています。
現在のニーズを把握するため、今年は多くの展示会・個展に出展します。
独自に開発したキラキラした虹彩磁(こうさいじ)という技法の器を製作し、伊万里焼の伝統技法色鍋島と融合させた商品もつくっていきます。
◆NEXTRAD/産地の魅力発信イベントの開催

NEXTRADは伊万里・有田の窯元若手経営者・後継者など13名で結成したチームです。
機械ろくろや型での製造方法など、伝統工芸品とは違う量産の魅力や、文化としての有田焼を発信していきます。
過去3回有田でイベントを行ってきましたが、更に幅広い認知拡大のために、今年は9月に東京の青山でも開催しました。11月23日・24日には例年同様有田にて開催予定。若手商社とも連携し、有田焼を来場者と共に考える、画期的な展示会です。
寄付金の使い道
本GCFプロジェクトでは「4団体×50万円=200万円」の助成金の原資を募りたいと考えています。
目標金額が未達成だった場合は自己資金で助成事業に取り組みます。
目標金額以上の寄付が集まった場合は、さらに多くの事業者を助成対象とすることができます。
寄り添い、引き出し、サポートする新たな支援のカタチ
本当の支援は「お金を渡して終わり」では成り立たない

私たちが取り組む助成プロジェクトはただ単に「お金を配る」支援ではありません。
来年度も下記のステップでプロジェクトを進め事業者の創意工夫を引き出していく予定です。
ステップ1 助成対象事業者の募集(3月)
「公益財団法人佐賀未来創造基金」と共同で事業者募集に取り組みます。ピースウィンズ・ジャパン、佐賀未来創造基金それぞれが持つネットワークを活用し、今年度よりも幅広い事業者に募集案内を行います。
ステップ2 専門家による審査(4月予定)
学識経験者、経済団体関係者、メディア関係者に依頼し、事業者から送られてきた募集要項の審査を行います。必要性・有効性・実現可能性・地域貢献性など幅広い視点で助成対象となる事業者を選定します。
ステップ3 伴走支援(5月~12月)
定期的に現地視察を行い、事業者の取り組み状況を確認します。視察には専門家も同行し、事業者へのアドバイスも行います。また、社会情勢の変化等により取り組み内容の修正が必要な場合は、聞き取りを行い適切な助言を行います。
ステップ4 事業完了報告(1月)
助成対象事業者から事業完了報告の提出を受けます。支援期間中にどのような取り組みを行い、何に助成金を使い、どんな成果を得たのかを取りまとめます。
ステップ5 活動内容のとりまとめと情報発信(2月~3月)
事業完了報告の内容や視察時に撮影した写真などを活用し、事業者の取り組み内容を発信します。情報発信を通じて事業者の取り組みを知ってもらうことでさらに支援の輪を広げていきます。
助成プロジェクトの重要性
~佐賀の未来、伝統工芸の未来のために~共同主催者・審査委員のコメント
共同主催者
佐賀未来創造基金代表理事 山田健一郎さん

2021年よりピースウィンズとの共同事業として、基金を創設して現場ニーズに沿った効果的な助成事業を行っています。また、資金的な支援のみでなく、今年度も採択された7団体の皆さまへの伴走支援や現場視察などもさせていただいております。
本事業は行政だけでは手の届かない細やかで実践的な支援を専門家の方々とともに実施することで、佐賀の「宝」を守り育て、そして次世代の「未来」につなげていくための大切な事業です。
皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
ピースウィンズ・ジャパン佐賀事務所の取り組み
つくり手とつかい手をつなぐ

全国的に市場の衰退が続く伝統工芸産業。佐賀においても売上減少や後継者不足などの問題が発生、さらに物価高騰や原材料事業者の廃業などにより問題は深刻化しています。ピースクラフツSAGAは、ピースウィンズ・ジャパンの国内事業の一つとして、伝統工芸が抱える課題解決のために9年前にスタートしたプロジェクトです。
【主な活動内容】
・ふるさと納税返礼品は佐賀の伝統工芸品のみ
→事業者の方々の売上増への貢献、認知度の拡大に繋がります。
・国内外のデザイナーとの商品開発
→開発した商品はふるさと納税にも掲載。伝統とモダンデザインとが融合した商品はふるさと納税返礼品としても好評です。職人さんの創作意欲にも火をつけています。
・伝統工芸事業者への助成
→独自の助成制度を開始。ショールームや窯の修復など自治体等の助成では行き届かない細やかなサポートを行っています。
他にも国内外展示会・販売会への出展、SNS発信や、オンラインショップを運営。
2024年2月には、中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」にも出店し、新規販路を開拓しています。
私たちはこれからも佐賀の伝統工芸のつくり手とつかい手をつなぐため、伝統工芸の未来のために全力で支援活動に取り組んでいきます。
ご支援をよろしくお願いいたします。
お礼の品を選び、伝統工芸事業者を支援する!
このガバメントクラウドファンディングでご寄付いただいた方には、佐賀の伝統工芸品をお礼の品としてお届けします。
お皿やマグカップなどの日用食器をはじめ、選りすぐりの素晴らしい工芸品を取りそろえました。実際に手元に置いて、品質の素晴らしさ、デザインの美しさを感じていただければ幸いです。
みなさまのご支援が佐賀の伝統工芸事業者をさらに後押しします。
【注意事項】
佐賀県内の寄付者のみなさまへ
※平成31年4月1日付けで総務省から、ふるさと納税にかかる返礼品等について、「当該地方団体の区域に住所を有する者に対して返礼品等を提供しないこと」との通知がありました。(平成31年総務省告示大179号第2条1号二)
この通知を受け、佐賀県民の皆様からのふるさと納税(NPO等の支援)によるご寄付につきましては、送付ができなくなりましたので、ご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。
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2025年02月06日 17:00
2024年度伝統工芸助成事業が完了しました。
2024年度伝統工芸助成事業は、12月末で各事業が完了しました。
完了前には、各事業者の最終視察を実施。2日間に分けて、武雄市から有田町、伊万里、唐津までの地域を巡りました。採択時の審査員が同行し、助成事業の進捗状況や具体的な取り組みについて、事業者から現場で説明を受けました。
<審査員コメント>
三藤窯:唐津焼を海外で活用し、日本文化そのものを伝えようとする姿勢が素晴らしい。
玉峰陶苑:難しい挑戦を楽しみながら結果に繋げようとする姿が素晴らしい。
貝山製陶所:分業制が維持困難な中、自社で商品を完結させる方向性は時代に合っている。
岡野嵩平:前回の助成から着実に制作を進めている点が好印象。
冬山窯:意義のあることに挑戦しており、伝統的な鍋島焼と現代性を融合させようとする姿勢が素晴らしい。
NEXTRAD:産地全体の課題に取り組む公益性の高い活動を応援したい。
2025年の伝統工芸助成事業は3月から公募開始予定です。
引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。もっと見るまだコメントはありません
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2024年12月26日 16:20
伝統工芸品の展示販売会を開催しました!
2024年11月29日(金)から12月8日(金)までの10日間、佐賀駅前のアンテナショップSAGAMADOにて、ピースクラフツがセレクトした伝統工芸品の展示販売会を開催しました。期間を多く設定したため、過去最高の売り上げとなりました。
本展示では、助成事業で採択された事業者の作品を中心に、有田焼をはじめ、武雄・唐津焼や黒牟田焼など、佐賀を代表する伝統工芸品を幅広く紹介。現代のライフスタイルにも調和する、美しい手仕事の作品を展示し、多様性や新しい魅力を感じていただける内容となりました。
駅に近い立地に加え、SAGAアリーナでの催し物の影響もあり、週末を中心に多くの方にお越しいただきました。サガマドの集計では、期間中に約11,696人が来店し、お客様が途切れることなく訪れる印象でした。
工芸品の魅力を楽しむと同時に、購入を通じて伝統工芸事業者への支援にもつながる取り組みです。今回も多くの方にご来場いただき、地元の焼き物や工芸品に関心を持っていただく機会を創出できました。これからも継続的に活動を進めてまいります。もっと見るまだコメントはありません
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佐賀県NPO支援
佐賀県のふるさと納税は、皆さまが支援したい佐賀県内のNPO等を指定して寄付することができます。
お返の品は指定されたNPO等が自らの創意工夫で送ることで、県の事務経費を抑え、できる限り多くの額を指定されたNPO等にお渡しし、“自ら考え行動する自発の地域づくり”を応援しています。
コメント投稿をありがとうございます!
あなたのその想いが
プロジェクトを動かしています。
投稿は順次、進捗情報ページへ反映されます。
反映まで数日かかることがあります。