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世界農業遺産「茶草場農法」の掛川市東山、粟ヶ岳ハイキング道・トイレを整備したい!

カテゴリー:観光・PR 

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寄付金額 524,276

10.4%

目標金額:5,000,000

達成率
10.4%
支援人数
33
終了まで
受付終了

静岡県掛川市(しずおかけん かけがわし)

寄付募集期間:2022年7月13日~2023年1月8日(180日間)

静岡県掛川市 市長 久保田崇

プロジェクトオーナー

静岡県掛川市の北東部に位置する粟ヶ岳周辺の東山地区は、茶の一大産地であるとともに、世界農業遺産として認定された「茶草場農法」が実践されており、生物多様性の保全に貢献しています。

粟ヶ岳山頂からは、雄大な茶園景観を望むことができ、登山道では、茶草場農法が守ってきた希少な動植物と触れ合うことができます。こうした資源の魅力を高め、より多くの方に茶産地に訪れていただくため、安心・安全な登山道の整備や、快適なトイレ設備の整備などを行います。

世界農業遺産「茶草場農法」の掛川市東山の魅力

世界農業遺産に登録された東山の茶草場農法(ちゃぐさばのうほう)

茶草場農法は、茶畑の周辺にある草地(茶草場)からススキやササを刈りだし、乾燥・裁断して有機肥料として茶畑の畝間に敷きこみます。この農法により、良質かつ安全なお茶を栽培することができるととともに、固有種や絶滅危惧種が生息する豊かな生物多様性が保全されています。

粟ヶ岳周辺地域で行われてきた茶草場農法は、良いお茶を作ろうとする茶農家の営みと生物多様性の保全が両立する世界的にも貴重な農法として、2013年に国際連合食料農業機関から世界農業遺産(GIAHS)として認定されました。

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〇茶草場(茶園周辺)での茶草の刈り取り
夏に茶草場に繁茂した茶草(ススキやカヤ)を、秋から冬にかけ刈り取ります。

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〇茶草の乾燥:かっぽし
刈り取った茶草を乾燥させるため、束ねて円錐状にして干します。この干した状態が「かっぽし」と呼ばれます。

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〇茶畑の畝間への敷き込み
乾燥させた茶草を刻んで茶畑の畝間に敷き込みます。傾斜の厳しい茶園では茶草を刻むことなく長いまま敷き込みます。こうすることで分解速度が緩やかになり、乾燥防止、土や肥料の流出防止、冬場の保温にも役立ちます。

茶草場農法により保全される東山の自然環境

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〇フジタイゲキ 開花時期:5月下旬から7月中旬 絶滅危惧種
静岡県だけに見られる固有種です。以前は県下の草原に広く生育地がありましたが、今では粟ケ岳などの茶草場の3カ所にしか生育地は見つかっていません。

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〇オカトラノオ 開花時期:6月~7月
小さな花が花茎の一方に並んで咲くのが特徴です。花の形が絵に描かれた虎の尾に似ていることから命名されました。

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〇カケガワフキバッタ 6月下旬から11月上旬 絶滅危惧種
静岡県の大井川と天竜川に挟まれた地域にしかいないバッタです。翅が退化して飛べないため、地域外で繁殖することがなく、この地域独特の種となりました。とりわけススキの繁茂する茶草場で見られ、学名に「Parapodisima awagatakensis sp」とあるように粟ケ岳の名前が付けられています。

東山茶草場のシンボルである粟ケ岳

粟ヶ岳と茶草場テラス遠景

東山茶草場のシンボルである粟ケ岳は、山頂からの雄大な茶園景観や富士山、太平洋まで眺望可能な大パノラマが展開しています。また、麓から歩いて片道1時間程の気軽な登山ができる低山としても著名で、市外からもハイカーが訪れています。登山回数1000回を超えるヘビーハイカーから健康維持・トレーニングを目的とした地元のハイカーまで、茶畑・茶草場をはじめとする豊かな自然景観のなかを楽しく登山していただいています。

パワースポットでもある粟ヶ岳山頂の旧跡

粟ケ岳山頂ある阿波々神社周辺には、静岡県の天然記念物に指定されている杜が広がり、神が降臨すると伝わる「磐座(いわくら)」と呼ばれる巨石群や、幹周辺3.3mの御神木などがあり、神々しい空間は神聖なパワースポットとしても著名です。

解放感溢れる茶草場テラス

世界農業遺産に認定が契機となり2019年5月にオープンした粟ケ岳山頂の「粟ケ岳世界農業遺産 茶草場テラス」は、茶草場の「かっぽし」(刈り取った茶草を乾燥させるため、束ねて円錐状にして干したもの)をモチーフとしたユニークな建物です。解放感溢れるテラスからは一帯に広がる茶畑や富士山、南アルプスなどを眺望することができ、お洒落なカフェではお茶とスイーツ、軽食がお楽しみいただけます。

見通しの悪い登山道と仮設トイレ

魅力あふれる東山、粟ヶ岳ですが、そのハイキング道にはいくつかの課題があります。
登山口の「東山いっぷく処」には、皆様を気持ちよくお迎えできるきれいなトイレが無く(現在は仮設トイレ)、より安全に登山していただくためのハイキング道も修繕が必要な箇所が少なからずあります。また、車道はもともと工事道路として作られた道であるため、見通しが効きにくい蛇行箇所が多いうえに幅員が狭く自動車のすれ違いが困難な箇所が多いのが現状です。接触事故や脱輪なども少なくありません。安全な車道としての整備が必要ですが、それには相当の費用が必要とされます。
できるだけ多くの方々に東山ならではの自然を満喫して登山していただくために、登山口のトイレ整備、より安全なハイキング道の整備、途中休憩所増設など、環境の充実と新たな魅力の創出が必要です。

寄付金の使い道

1 500万円以上(水洗トイレ2基、多目的トイレ1基、合併浄化槽)
2 500万円未満 途中休憩所、登山道整備など安全かつ快適に登山していただける環境整備を、ご寄付いただいた金額の範囲内で整備を実施させていただきます。

 ※上記金額及び内容な、状況により変更させていただく場合がございます。

寄付者の皆さまへ

株式会社 茶文字の里東山 田中鉄男社長

株式会社茶文字の里東山は、お茶を基幹として、地域振興を目的に地域の皆さまからの出資で運営されています。

粟ヶ岳登山口の「東山いっぷく処」は、東山地域の粟ヶ岳を訪れる皆さまの案内所、休憩所、地場産品の販売所、アンテナショップなど、多くの役割を果たし親しまれております。

このたびのトイレ設置工事をはじめとする環境整備に際し、皆さま方の心温まるご厚情により、安全かつ快適な癒しの空間の提供ができることを期待しております。

よろしくお願いいたします。

久保田崇 掛川市長からのメッセージ

「お茶どうぞ」ともてなす文化がこの地には根付いております。新緑の季節になると、市内に広がる茶畑は、一面、新茶の柔らかいきみどり色に彩られ、吹き渡るやさしい風とともに心地よさを体感していだたけます。

掛川市と掛川茶がNHKの「ためしてガッテン」で放映され、お茶の健康効果を多くの皆さまに知っていただくようになりました。

東山地区は、粟ケ岳の麓に広がるお茶の生産が盛んな地域です。掛川市の基幹作物であるお茶とお茶のある景色を守っていくため、また、茶草場農法により保全されてきた生物多様性を未来へ継続させていくために、より多くの皆さまにその代表的な地である粟ケ岳へお越しいただき、お茶を味わい、茶畑の景色や多様な生物をご覧いただきたいと思います。

皆さまを気持ちよくお迎えするために、このたびのプロジェクトを立ち上げました。

おひとりでも多くの皆さまの温かいご支援を心からお待ちしております。

現在進捗情報はありません。

静岡県掛川市

掛川市は日本列島のほぼ中央の東経138度線上、静岡県西部に位置し、静岡県の二大都市、静岡市と浜松市の中間に位置する中東遠地域の中核的都市です。

市北部に標高832mの八高山をはじめとする山地、市中央部に小笠山丘陵、市南部に遠州灘に面した砂浜海岸が広がる、起伏に富んだ自然の多いまちです。また、新幹線掛川駅や2つの東名ICなど交通アクセスが良く、ほどよく田舎、ほどよく都会のバランスがとれた地方都市と言えます。

日照時間が長く年間を通じて温暖な地域で、降雪はほとんどありませんが、冬は「遠州のからっ風」と呼ばれる強い季節風が吹くことが気候的特徴です。

歴史的には縄文時代から人々が集住し、古墳時代には60m級の前方後円墳と円墳6基から成る和田岡古墳群(国史跡)が形成されました。
古代から東海道と秋葉道(塩の道)が交差する要衝にありました。
中世から戦国時代にかけては今川・武田・徳川氏らの群雄が争奪を繰り返し、掛川城・高天神城(国史跡)・横須賀城(国史跡)はじめ多くの城郭が築かれました。近世以降は、掛川城と横須賀城の近世城郭を擁す藩としてならびに城下町として栄え、現在でも往時の息吹を感じさせてくれる名所旧跡が数多く所在します。

温暖な気候と土地の形状や土壌の特性を活かし、市北部では基幹産物である緑茶をはじめ水稲・畜産が営まれ、市南部では大規模に整備された水田による効率的な水稲営農が行われています。

令和元年の農業産出額は133億円で、県内では浜松市、富士宮市、静岡市に次いで第4位をなっています。
産業においては、新幹線掛川駅や東名高速道路掛川I.C、第二東名森・掛川I.C等のアクセスの利便性により工業団地が誘致され、ロジスティクスの拠点都市としての性格を強め製品出荷額は1兆円を超える県内有数の工業都市でもあります。

市の特産品である緑茶生産は、世界農業遺産に認定される茶草場農法による生産を中心に全国トップクラスの生産量を誇り、品質においても全国茶品評会等で数々の賞を受賞しています。
特に深蒸し煎茶は、普通煎茶よりも蒸し時間を2~3倍長くする製法により、茶葉の成分が浸出しやすく、色が濃厚で自然の甘みが感じられる深い味わいになります。さらに、カテキン・テアニンに加え、βカロテン・ビタミンE・クロロフィル等の成分が多く抽出、生活習慣病の予防効果も実証されています。

昭和54年(1979)に全国に先駆けて「生涯学習都市宣言」を行い、現在も多くの市民に「報徳の精神」と「生涯学習の理念」が根付き、市民一人ひとりの充実した生きがい持ち「挑戦し続けることのできるまち」、郷土に愛着を持てる「協働のまちづくり」が進められています。