2025/08/13 (水) 16:01

人気返礼品をつくる職人《ひと》 ~鹿嶋市ふるさと納税 特別編 Vo.4~

この記事について

鹿嶋市ふるさと納税は、鹿嶋市にふるさと納税(ご寄附)をいただく皆さんはもちろん、返礼品を用意していただく市内生産•事業者の皆さんのご協力があって成り立っています。
そこで、ふるさと納税ポータルサイトなどでは伝えきれない、生産•事業者の皆さんが「どんなこだわりや想いを抱いて作っているのか」などをご紹介します。

※最下部にもリンクがあります。

1.vol.4 SHAKATIMER・永田 和樹さん 

今回ご紹介するのは、鹿嶋市内で「ユーフォルビア・オベサ」を生産されている「SHAKATIMER」の永田 和樹さん。

永田さんが育てる鹿嶋市の「ユーフォルビア・オベサ」、実は“日本で唯一”のふるさと納税返礼品であることはご存じですか?(2025年7月3日現在)

ユーフォルビア・オベサとは?


ユーフォルビア・オベサ(以下オベサ)は、葉や茎・根に水を溜め込む南アフリカ原産の多肉植物です 。丸みのあるユニークな姿をしており、扁平、まん丸、縦長など、形に幅があり、色合いもさまざま。最大で直径15cm、高さ50cmを超えるほどになります。
球体の縦方向に走る筋状の隆起、「稜」と呼ばれる線やその間の模様が特徴的。株の下部や稜の谷間が茶〜灰褐色に変色し、表皮が硬く乾いたようになる「木質化」とあわせて、株ごとに個性を生み出します。

取材日現在、日本で唯一の返礼品であることについて伺うと永田さんはぱっと笑顔に。
「めちゃくちゃうれしいですね。これでオベサが広まるきっかけに少しでもなれれば」

2.トゲがないからラッキー?~オベサとの出会い

小学生の頃からの植物好き。サボテンが特に好きで、たまにお小遣いで買っていました。ずっと緑化委員会に所属するほどで、普段は活発な子だったので、ギャップによく驚かれていたそう。

10代で山口から上京し東京で仕事をしていた永田さんが、今から20年ほど前、偶然立ち寄った園芸店で、品種などはわからなかったけれど「可愛いなぁ」と感じてサボテンと一緒に購入した多肉植物。これが、オベサとの出会いでした 。
「トゲがないからラッキーだなと。帰宅してから調べてオベサって知りました(笑)」

その後、東京でオベサを育てていた永田さん。東京では家の中で育てるしかなく、またビニールハウスを持つのが難しかったので、コスト面でも有利だった点もあり、奥様の生まれ育った鹿嶋市に拠点を移すことにしました 。

永田さんが過去取り扱ったオベサの最大幅は14cm弱、高さ60cmにもなった株も

オベサの販売を始めることは、実は、当初の予定にはありませんでした 。
当時はオベサがほとんど売っていなかったので、見かけたら購入する、そして、気になった株は海外から取り寄せたりしていました。
手持ちの株が増えてきたので友人にプレゼントして喜ばれた経験から「オベサで皆をもっと喜ばせたい。広めたい」という気持ちが強くなり、3年ほど前にオンラインショップを立ち上げ、イベント出店を経て、店舗を構えるまでに至りました。

「昔から『コレをやる』と思ったらのめり込んでしまう性格なので、寝ても覚めてもオベサのことばかり考える生活にいつしかなっていました」

現在は夕方から夜にかけて店舗でオベサの仕事をする日々を送っています 。「夜遅くまで仕事をするなかでベンチで休憩して、ぼんやりとオベサを眺めるときに幸せを感じますね」

3.ひと株ひと株が個性的~オベサの魅力~

永田さんが語る、オベサの最大の魅力は「分かりやすさ」。
ひと株ひと株ごとの違いや成長過程がぱっと見で分かりやすく、見た目の変化も楽しめると語ります 。
「1株1株を、くらべて見てもらうことの方が嬉しいかもしれないですね。
決まった形のオベサを探してほしいと言われたりとか、こちらからこういうオベサがかっこいいんですよと提案するのではなく」

一見ふぞろいなオベサにも愛情たっぷり

「いろんなオベサを見てもらって自分の好みを探してほしいですね。
いろんな形とか模様とかバリエーションが多いので、それも魅力だと思います」

木質化がつくる模様、縦長、子吹き、ブロッコリー状(?)まで!個性を生かして自然体のままのオベサたち


オベサの育成において、永田さんが最も大切にしているのは「いかに自然体を残すか」ということ 。
「見た目は悪くなるので、子株を取っちゃいたい気持ちもあるんですが、あえてこのままにしています」
無理に形を整えたり、子株を取ったりせず、水やり以外は極力手を加えず、自然のままに育てています 。子株を取ってしまう生産者もいる中で、永田さんはあえて自然な姿で提供することにこだわっています 。

4.育成のカギは光・遮光

室内ではLEDライトでしっかりと光を当てています

育成での苦労は、ビニールハウスと室内の育成環境を整えること、特にライトや太陽の光の加減の調整 。室内ではLEDライトを使用。ビニールハウスでは直射日光が当たらないよう、布を張って遮光を施しています。
しかし、「基本的には苦労していない」と笑顔。楽しみながら育成に取り組んできたと明かします。
そして、悩むことはあっても「失敗してダメになる植物でもない」と、オベサの育てやすさを強調します 。「ちょっとダメになってもまた復活を待てばいいし、それがけっこう個性になってきたりする」

5.オベサ・アーティストとして表現を続けたい~今後の目標~

今後の目標としては、ふたつ。
まずは販売者としての目標は「とにかくお客様に喜んでもらうこと」。お客様が求めてるオベサを常にストックしてあったり、SHAKATIMERに来るとリラックス出来たり、欲しいものが買えたり、ショップの枠を超えて実家のような存在になりたいと永田さん。
種から育てること(実生)については、永田さんが求める株姿がしっかりとあるので、園芸技術をもっと高め、それを定着させた株をたくさん生産し「ネームがついていなくても『あ!SHAKATIMERのオベサだね』って言われるオベサをたくさん生産することが目標です」

オベサの魅力を引き出しつつ、永田さんがそのとき感じたテーマや想いが表現されている

普段からテーマを決めてデザインをしているという永田さんは、鉢も作家と相談しながら作成してもらい 、オベサの鉢植えでよく見られる「ハビタットスタイル(砂漠や岩場のイメージ)」とは異なる、永田さん独自の「作りたい世界観」を表現したいと考えています 。
「オベサを通じて、いろんなところに、いろんなことを発信していきたい。植物の枠を超えて、発信していくことが目標ですね」
そして、国内だけではなく、海外にも発信していけたらと夢を語りました。

「オベサをただの植物で終わらせたくないので、もっともっと『オベサってARTだよね』って言う人が増えるように、微力ながらそれを普及させるような活動をしていきたい」
永田さんの言葉からは、単なる生産者にとどまらない、表現者の一面が垣間見えました 。

誰かの心に刺さる、情熱的な表現をするオベサアーティストになることが個人的な目標と語る永田さん


鹿嶋で育てられ、永田さんの情熱とこだわりが詰まった唯一無二のオベサ。皆さんも鹿嶋市のふるさと納税を通じて、永田さんの手塩にかけられたオベサを育ててみませんか?

6.オベサ初心者へのアドバイス

はじめてオベサを迎えた人に対してのアドバイスとしては、「難しい植物ではないので、気楽に始めてほしい」と永田さん。週に1回の水やりと、光をしっかりと当てることを推奨しています。

そして「困ったら連絡してください」と胸を張ります。これまでも購入者からの育成に関する相談はほぼ毎日あり 、メールやインスタグラム、時にはビデオ通話で数時間にも及ぶこともあるそうです 。永田さんは、自身も周りの信頼できる人に相談しながら、購入者のどんな悩みにも対応できる体制を整えています 。

6.店舗情報

所在地:茨城県鹿嶋市宮中2313
営業日・時間:不定期
※Instagramでご確認ください。

【店名の由来】

オベサを通じて「生活にリラックスの時間を提供したい!」と同時に、リラックス以上のもの(さまざまなポジティブな思考や悟りなど)を提供し、その場限りの限定された時間のためではなく、自分にもお客様にも人生において良いものを与えるお店になりたい、という思いを込めています。
また、オベサを使ったアーティストになりたい!という思いをずっと持っていたので、海外も視野に入れて日本をイメージするワードを使いたいと考えていたところに、「釈迦は?」と友人の軽い一言。
「いいね〜、お釈迦様って心がいつも穏やかで優雅そうだよね〜。SHAKA TIMERいいじゃん!」となり命名。

7 【鹿嶋市ふるさと納税の返礼品ページ】

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