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2020/04/28 (火) 17:35

波佐見焼ができるまで

日本全国に点在するやきもの産地。
その中における波佐見焼の大きな特徴の一つに、大量生産を可能とするために「分業制」を取り入れていることが挙げられる。
分業制は、「型屋」、「生地屋」、「窯元」といったそれぞれの専門家で工程を分担し、一つの製品をつくっていくやり方。
そうすることで各専門の技術がより深まり、結果として精度の高い製品を効率的に量産することが可能となる。

波佐見町中尾郷にある〈一龍陶苑〉は、波佐見の数ある窯元の中でも長い歴史を持つ老舗。
江戸時代後期に創業し、現在の一瀬 龍宏社長で7代目を数える。
波佐見焼といえば染付や白磁・青磁の印象が強いが、一龍陶苑ではその伝統を守りつつ新たなデザインにも挑戦し、数々のヒット商品を生み出してきた。

不動の人気を誇る『しのぎシリーズ』。

エッジの効いたフォルムと落ち着いた色釉、そしてヘラなどの工具を使って削り出す鎬文(しのぎもん)の陰影がバランス良く調和する逸品だ。
店頭ではもちろん、波佐見焼のイベントや陶器まつりでも次から次へと手に取られていく人気商品。
マグカップやプレート、ボウルなどついつい揃えたくなるライナップの豊富さも魅力のひとつ。

そんな一龍陶苑の『しのぎ』が生まれる現場を密着取材した。

すべてのはじまりはここから

最初に訪れたのは、試行錯誤して考案した窯元のアイデアや形状デザインを原型から一緒に創り上げる「型屋」さん。

【型の製作】
“型を量産するための型”「ケース型」に石膏を流し込み、やきものの鋳込みで使われる「使用型」をつくっていく。

15分ほど待つと石膏が固まるので、ケース型から取り外す。
その後不要な部分を整え、しばらく乾燥させると使用型の完成となる。

型は消耗品で、1個の使用型から作れる器は約200個ほど。
耐久性を高めるためにも、石膏の配合は日々調整している。
また、やきものは焼成時に変形するため、型の時点で逆算した設計をしなければならない。
長年の経験と緻密な作業が必要となる、難しい仕事だ。

やきものの中枢を担う工程

次は、やきもののボディである「生地」の製作を担当する、「生地屋」さんを訪問。

【鋳込み】
しのぎシリーズは、「圧力鋳込み」という手法を使って成形される。
機械の台上に使用型を積み重ね、上下で挟み込みながら圧力をかけた状態で生地を注入していく。

生地から水分が抜けて固まったら、順番に型から生地を取り外していく。
その後、裏面に刻印をつけ、板に並べた状態で乾燥。

乾燥が終わったら、仕上げにスポンジを使い、残った土やピンホールなどを修正する「水拭き」を行う。

繊細な作業をテキパキとこなす職人さんたちの姿が、とても印象的な仕事場だった。

最後の要。ここで一気に仕上げまで

一龍陶苑さんで行われている作業を見せていただいた。

【素焼き】
乾燥した生地が窯元に持ち込まれたら、まずは930度で素焼き。
乾燥後とはいえ生地は割れやすいので、慎重に窯に積んでいく。

【銘判】
素焼きが済んだら、生地を冷まし、裏面に銘判をつけていく。
シールのようなものを押しつけて剥がすと、生地に模様が転写される。

【釉かけ】
釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の液体を、ひとつひとつ手作業で生地にかけていく。
釉薬は焼くと融けて固まり、生地の耐久性や耐水性を高める役割を持つ。

【窯積み・本焼成】
釉薬がある程度乾いたら、無駄な空間をつくらないように計算をしながら窯に生地を積んでいく。
それが終わると、いよいよ本焼成。1280度もの高温の中、約13時間かけてしっかりと焼き上げる。

【窯離し】
本焼成後、ある程度窯の温度が下がってきたら窯を開け、製品を冷ます。しばらく冷ましたら、製品を取り出し、最後に仕上げの工程を経てようやく完成となる。

波佐見焼は大量生産とはいえ、すべての工程に手作業が関わっている。
さまざまなプロフェッショナルがいくつもの技を繋いで、ようやくひとつの器が完成するのだ。
機械によるそれとは異なり、人の想いやぬくもりが込められた器。
よく見ると器のひとつひとつが微妙に異なる表情を持っていて、器選びの時間をより一層楽しくしてくれる。
「ただかわいいだけじゃない。波佐見焼の裏側も感じてほしい。(一龍陶苑・一瀬社長)」
 今回の取材を通して、波佐見焼をもっと大切に使おうと思った。

波佐見町ふるさと納税の波佐見焼アイテムを一覧で見ることができます♪
お気に入りのブランドから検索することもできるのでとっても便利!
ぜひ活用して、お気に入りのうつわを見つけてくださいね!

『波佐見焼』で有名な波佐見町!町のおすすめスポットも紹介していきます!

emi

波佐見町ふるさと納税担当

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