• TOP
  • 過去実績
  • 貴重な江戸時代の民家建築を将来へ引き継ぐ~旧荒井家住宅主屋(狛江市立古民家園)の茅葺屋根葺き替えプロジェクト~

貴重な江戸時代の民家建築を将来へ引き継ぐ~旧荒井家住宅主屋(狛江市立古民家園)の茅葺屋根葺き替えプロジェクト~

カテゴリー:まちづくり 

main_img

寄付金額 1,560,000

78%

目標金額:2,000,000

達成率
78%
支援人数
79
終了まで
受付終了

東京都狛江市(とうきょうと こまえし)

寄付募集期間:2022年11月15日~2023年2月12日(90日間)

東京都狛江市

プロジェクトオーナー

 旧荒井家住宅主屋は、江戸時代後期に建築された農家建築で、狛江地域の歴史や伝統的な生活様式を伝える貴重な民家として市文化財に指定され、むいから民家園(狛江市立古民家園内)に移築・復元されています。古民家園内に移築・復元された後は、伝統的な年中行事の展示、伝統文化や伝統的な生活技術に関する教室・講座、子ども向けの体験教室など、地域学習の場として活用されるとともに、親子連れの憩いの場としても利用されています。
 古民家園内に移築・復元された旧荒井家住宅主屋の屋根は、伝統的な工法による茅葺屋根として復元されました。しかし、移築・復元後約20年が経過し、屋根全体の傷みが目立ってきたことから、建物本体(柱や梁など)に影響が生じないように、また、伝統的な民家の景観を維持していくために、茅葺屋根の全面的な葺き替えを行うことになりました。適切な時期に茅葺屋根の葺き替えを行うことで、建物をより長い間、良好な状態で保存しつつ活用していくことが可能となります。茅葺屋根の葺き替え期間中は、建物内への立ち入りはできませんが、期間中に葺き替え作業の見学会等を予定しています。葺き替え完成後は、引き続き、地域の歴史や伝統文化を継承する場として、活用していく予定です。

ふるさと納税で
このプロジェクトを応援しよう!

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付できる制度です。
控除上限額内の2,000円を超える部分について、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。

控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

市指定文化財 旧荒井家住宅主屋について

旧荒井家住宅の雪景色

狛江に残る数少ない江戸時代の建造物

 旧荒井家住宅主屋は、現在の小田急線狛江駅にほど近い狛江市元和泉一丁目の地に、江戸時代後期(18世紀末頃)に建てられた農家建築です。荒井家は、狛江駅のすぐ西側に位置する泉龍寺というお寺の表門から、南に進んだ場所に位置したため、屋号を「大門前(だいもんさき)」といい、江戸時代後期には、農業を営みながら村方の医師を務めていました。
 建築当初の姿は、桁行7間、梁間3間の直屋(すごや)で、間取りは広間型三間取りでした。江戸時代末頃には、建物の裏手側が角屋(つのや)造りに改造されるとともに、部屋を田の字型に配置した整形四間取りに改造されました。その後、表側をザシキとオクザシキの二間続きの接客空間として整えたり、明治時代以降には養蚕に対応するために床下に炉を設ける等の改造がなされました。建物の右手には農家建築の特徴でもある広い土間があり、土間には大小3つのカマドが設えられています。
 このように、旧荒井家住宅主屋は、当初、直屋であったものが、後角(うつろづの)を持つ角屋に増築され、広間型三間取りから整形四間取りに改造されたことが確認されていて、屋根を含めた建物の形態や間取りの変遷を具体的に辿ることができる貴重な古民家です。
 移築・復元に際しては、建物の機能や用途、時代背景などを最もよく特徴付けている江戸時代末頃の姿に復元されました。間取りは、北側が拡張された後の整形四間取りとして、屋根は北側の拡張部分を後角とする寄棟造りで復元されました。また、文化財建造物として建築基準法の適用を除外され、伝統的な茅葺屋根で復元されています。

主屋の裏手に突き出た後角
チャノマの囲炉裏

移築復元後、はじめての茅葺屋根の全面葺き替え

地域の歴史を継承する

 旧荒井家住宅主屋では、移築・復元後、これまでに公開・活用によって傷んだ床板や畳、雨戸・障子等の修繕を行ってきました。屋根についても、茅が痩せた部分に差し茅を行ったり、風雨の影響を最も受けやすい屋根の棟や棟上に取り付けられた煙出し、雨水が集中する角屋の屋根の谷部分、北側の杉皮葺きによる下屋の修繕等を行ってきました。
 しかし、経年劣化に加えて、ここ数年の台風や局所的な大雨等の影響もあり、煙出しや竹と杉皮で作られた棟部分の傷みが激しくなってきました。また、屋根全体も表層の茅が痩せて脱落したり、茅を押さえている竹材(押さえ竹・ほこ竹)の一部が露出するなど傷みが目立つようになってきました。
 茅葺屋根は、その素材が竹や茅、杉皮、わら縄といった自然素材であることから、一般的に、約20~30年程度を目安に全体的な葺き替えが必要とされており、旧荒井家住宅主屋では、移築・復元から約20年が経過したことを契機に、全面的な屋根の葺き替えを行うことになりました。適切な時期に茅葺屋根の葺き替えを行うことは、伝統的な古民家の景観を維持するためだけではなく、貴重な古民家の建物本体(柱や梁、屋根の小屋組み等)を将来に向けて良好な状態で継承していくためにも必要不可欠なことです。

寄附金の使い道

寄附金は、旧荒井家住宅主屋の茅葺屋根の葺き替え工事に活用させていただきます。

【寄附金の使い道】
・茅葺屋根の葺き替え工事:2,000,000円

【事業実施のスケジュール】
・2022年11月14日から2023年3月初頭を予定

※目標金額に達しなかった場合も市の予算で葺き替え工事を実施いたします。
※目標金額以上の寄附をいただいた場合も、全額を葺き替え工事の費用に充てさせていただきます。

移築・復元直後の主屋
土間上部の茅葺屋根内部の様子
平成23年度に実施した部分的な屋根修繕の様子

住宅都市のなかの古民家園

地域の歴史を学び、体験し、継承する

 副都心新宿から、小田急線で約20分の場所に位置する狛江市は、水と緑に恵まれた住宅都市として発展を続けています。かつては、田畑が広がる江戸・東京の近郊農村でしたが、昭和40年代頃から、急速に住宅地化が進み、かつての農村の原風景ともいえる茅葺屋根の古民家は次第に姿を消してきました。
 旧荒井家住宅主屋は、昭和から平成にかわる頃、小田急線の連続立体交差・複々線化事業によって取り壊されることになりましたが、市民の間から保存を求める声があがりました。市民の有志らはこの古民家を解体・保存し、市内に移築・復元することを目指して行政に働きかけ、市民と行政が協働で進めるワークショップ方式で古民家の復元事業が進められました。
 そして、平成14年4月27日に、旧荒井家住宅主屋が移築・復元されて、むいから民家園(狛江市立古民家園)が開園し、その後、平成22年には園内に旧髙木家長屋門が移築・復元され、現在に至っています。なお、愛称の「むいから」とは、麦稈(むぎわら)のことを指す狛江周辺の方言です。茅葺屋根の一部に麦稈が利用され「むいから」屋根と呼ばれていたことにちなんだものです。
 むいから民家園は、全国で2番目に小さな市にある小さな古民家園ですが、市指定文化財である旧荒井家住宅主屋と旧髙木家長屋門を将来に向けて継承するために復元・保存、公開しています。かつての農村の原風景を偲ぶだけではなく、狛江の伝統的な年中行事の展示や伝統芸能、伝統的な生活文化を学ぶ場、子どもたちの体験学習の場として、さらに四季を感じることができる憩いの場として広く活用されています。旧荒井家住宅主屋は、葺き替え作業の完成後も、引き続き、地域の歴史や伝統文化を継承する場として、広く活用していく予定です。

正月の繭玉飾り
鯉のぼりが泳ぐ古民家園
子ども向けの染物教室の様子
縁側でのお月見

寄附者のみなさまへ

 葺き替え作業期間中は、旧荒井家住宅主屋の建物周辺に立ち入ることはできませんが、むいから民家園は通常通り開園し、旧髙木家長屋門は見学できます。
 葺き替え作業の進捗状況や葺き替え作業の見学会の予定等については、むいから民家園(狛江市立古民家園)公式Twitter(@komae_muikara)にて逐次情報発信する予定ですので、こちらを是非フォローしてください。
 葺き替え作業の完成後は、引き続き、地域の歴史や伝統文化を継承する場として、活用していく予定です。是非、足をお運びいただければと思います。


むいから民家園(狛江市立古民家園)
住所:東京都狛江市元和泉二丁目15番5号
開園時間:午前9時30~午後4時30分
休園日:毎週月曜日(休日にあたるときはその翌開園日)、年末年始(12月28日~31日、1月1日~4日)

御芳名の掲示について(希望者に限ります)

・1万円以上の寄附をいただいた方には、古民家園内に御芳名を掲示させていただきます(希望者のみ)。御希望の方は、寄附申込フォームに必要事項を御記入ください。
・寄附額により掲示の大きさが異なります(小:1万円以上3万円未満、中:3万円以上5万円未満、大:5万円以上)。
・寄附は複数回いただけますが、同一の寄附者から同一の内容の掲示は1回とさせていただきます。
・ニックネームや御家族等での御芳名掲示は可能ですが、文字数が長い場合は、文字が小さくなります(公序良俗に反する内容や不適当な内容は掲示できません)。
・御芳名の掲示は、令和5年度以降を予定しています。

旧髙木家長屋門からみた主屋

現在進捗情報はありません。

東京都狛江市

「ともに創る 文化育むまち~水と緑の狛江~」

◎都心に近い、緑豊かなベッドタウン
 狛江市は、東京都下の多摩丘陵の東南端多摩川沿岸に位置し、新宿から電車(小田急線)で南へ20分の位置にあり、市役所を中心に、東は世田谷区、西及び北は調布市、南は多摩川をはさんで神奈川県川崎市に接しています。澄みきった空、緑も多く武蔵野の野趣も富んだ狛江に住宅地を求める人々が増え、東京のベッドタウンとなっています。

◎四季を愉しむ
 狛江の誇る水と緑からなる、動植物や季節ごとのイベント等、様々な形で四季を感じることができます。
春:根川さくら通りや六郷さくら通り等、数キロメートルに渡る都内有数の桜並木
夏:狛江の夏の風物詩、多摩川で行われる「狛江古代カップ多摩川いかだレース」
秋:商工祭・農業祭・文化祭・スポーツ祭・市民祭を一堂に会した、狛江市の人口に並ぶほどの人が集う市内最大のお祭り「狛江市民まつり」
冬:狛江市消防団出初式・狛江多摩川ロードレース大会・どんど焼をひとつに集結させた、冬の一大イベント「こまえ初春まつり」

◎こまえの特産物
・狛江ブランド農産物:狛江独自の生産工程管理手法により『統一した狛江オリジナルのチェックリスト』を使い、各生産工程において項目を一つ一つしっかりと確認・管理をしている農産物で、安心・安全でおいしいことが特徴です。2015年には、フード・アクション・ニッポンアワード食文化・普及啓発部門に入賞しました。
・枝豆:狛江の誇る、隠れた名産です。枝豆をモチーフにした商品も多く、えだまめ羊羹やこまえ~る(枝豆を使用した発泡酒)等があります。また、市内飲食店のメニューにも数多く取り入れられており、様々な味の枝豆を堪能することができます。毎年夏には「えだまめ祭り」が開催され、通常より安く枝豆が購入できます。