ほっかいどうなかふらのちょう

北海道中富良野町ブログ

2021/12/28 （火） 09:31

田んぼの真ん中 “納屋カフェ” の手ごねピザ

田んぼの真ん中にある納屋カフェ「てくり」。北海道産の材料と天然酵母、中富良野界隈の地元野菜で作った手ごねピザを、手づくりの石窯で一枚一枚、丁寧に焼き上げています。

　今回は、2016年にオープンして以来、地元産の野菜や手作りベーコンなど具だくさんのピザが評判のカフェ「てくり」さんをご紹介します。竹内裕介さん、紗夏（さやか）さんご夫婦が営むお店の名前には、「てくりてくりと、ゆっくり自分達のペースで歩いて行こう」という思いと、手を使って丁寧ににつくる「手繰り」の２つの意味が込められているそうです。

＜Cafe てくり＞
住　所　：　中富良野町東５線北13号
電　話　：　0167-44-3210（お店の営業時間などについては来店前にご確認ください）

　お店は、元農家の納屋を、富良野塾の建物を手がけた経験をもつ演劇の先輩とともに、5ヶ月をかけて改装したとのこと。実はシェフの竹内裕介さん、あの脚本家でもあり演出家でもある倉本聰さんが、1984年～2010年まで開設していた富良野塾（脚本家と俳優の養成所）の卒業生なのです。
そんな縁もあって、店内のテーブルセットやファンなどは、富良野にあった「北の国から資料館」に展示されていたものが使われています。たまたま、お店のオープンと資料館の閉館時期が重なったため、富良野塾の先輩を通して譲り受けたのだそうです。

　テーブルセットは、ドラマ「北の国から」のロケスタッフのミーティングや待機場所として使われていた「パーラータケダ」さんで、閉店されるまで使われていたものなんだとか･･･
「パーラータケダ」さんには私も、高校生のときにお世話になりました。懐かしい～

　現在、田んぼは雪で覆われ雪原になっていますが、カフェの窓から見える景色は、春・夏・秋・冬と季節によって表情を変えてゆきます。まるで四季折々の絵が掛け替えられてゆくようですが、なんとすべて本物の景色なのです！

　そして、ピザを焼く石窯ですが、これも手作りです。レンガは中富良野の備前焼の窯元から譲り受けて再利用したもので、窯づくりは、東川の道の駅にある「ピッツァ亭」の方が、一から指導してくださったそうです。

準備段階から、いろいろな方とのご縁がつながって、オープンされたお店なのですね。

　そんな交流関係の広い竹内さんに、お話をうかがってみました。

　Q1．てくりのピザのこだわりは何ですか？
　A1．地元産の材料と天然酵母を使っていることです。特に野菜のほとんどは、ご近所の農家さんから分けていただいています。理由は、①スーパーより近いから！ ②しかも味はスーパーより断然おいしいから！！
そして、手ごねです。一時はピザ生地を機械でこねたこともあったけれど、やっぱりこっちの方がおいしいから！！！

　Ｑ２．富良野塾を卒業した後は、東京の劇団で俳優として活動していたのに、なぜ北海道に移住されましたか？
　Ａ２．一番大きなきっかけは、東日本大震災です。自分の生きる場所や仕事、人との関わり方など、生き方を見直し、妻の長年の夢だったカフェを営みながらなら、自分も劇団の活動を続けられるのではないかと考えました。場所を選ぶときは、夫婦二人とも、どこにいてもすぐに思い出してしまうこの地域の景色と、ここには友達や顔見知りの方もいて何かと心強かったことなどが決め手となりました。