2025/07/09 (水) 09:15
人気返礼品をつくる職人《ひと》 ~鹿嶋市ふるさと納税 特別編 Vo.3~
この記事について
鹿嶋市ふるさと納税は、鹿嶋市にふるさと納税(ご寄附)をいただく皆さんはもちろん、返礼品を用意していただく市内生産•事業者の皆さんのご協力があって成り立っています。
そこで、ふるさと納税ポータルサイトなどでは伝えきれない、生産•事業者の皆さんが「どんなこだわりや想いを抱いて作っているのか」などをご紹介します。
※最下部にもリンクがあります。
1.vol.3 87PLANTS・花房 紘美さん
鹿嶋市のふるさと納税返礼品として、今、全国から注目を集めている植物があります。その名は「アガベ」。力強く、そして美しいその姿に魅了される人が後を絶ちません。
今回は、そのアガベを鹿嶋の地で種から丁寧に育て上げ、全国へと送り出している生産者、87PLANTS(ハチナナプランツ)の花房 紘美さんを訪ねました。

真夏の太陽が降り注ぐ6月のある日。ビニールハウスの中は40度近い熱気に包まれていました。そんな中で出迎えてくれたのは、終始笑顔を絶やさず、楽しそうに取材に応じてくださった花房さん。その額には、きらきらと汗が輝いています。
2.趣味から始まったアガベ栽培
「87PLANTS」という社名は、花房さんの名字「ハナフサ」から取ったものだそう。会社を立ち上げてからおよそ4年。「もともとは趣味でアガベを育てていたんです」と花房さん。

「アガベ」とは?
アガベはアメリカ大陸などの乾燥地帯などが原産の多肉植物の一種。
特長は、放射状(ロゼット)に広がる葉で、多くは葉縁に鋸歯(きょし)と呼ばれる鋭いとげがあります。鋸歯の形や色、葉肉の形も様々で、そのフォルムから見る人を惹きつけ、多くの愛好家がいます。ドライガーデンの主役でもあります。
アガベの生産を始めたきっかけは、当時、欲しいと思ったアガベがなかなか手に入らず、手に入ったとしても非常に高価だったから。
「それなら自分で種から育ててみよう」というシンプルな思いが、今の87PLANTSの原点となりました。
以前は20年ほどパートで勤務していたという花房さん。「何かやりたい、好きなことを仕事にしたい」という思いが募り、「私にできることって何だろう」と考えた末に「これだ!」とたどり着いたのがアガベでした。
3.鹿嶋での挑戦、そのきっかけ
生まれは福岡ですが、お父さまの転勤の関係で鹿嶋に住んでいた花房さん。アガベ栽培を始めるにあたり、土地探しには苦労しました。「長く住んではいたものの、ハウス用に土地を持つという意識がなく、ツテもなかった」。
そんな中で、市内でサツマイモ畑を営む方との出会いがありました。その方の厚意で隣接する畑の一部を借りられることになり、愛車のバイクを売ってハウスを建て、87PLANTSはスタートを切り、花房さんの人生が大きく動き始めたのです。

【写真】大切に乗っていたバイク


花房さんに、アガベを好きになったきっかけについて尋ねてみました。
「もともと花を育てたりしていましたが、鹿嶋は潮風が強くて、天候によっては一晩で植物が枯れてしまうこともあるんです。そんな中で何か育てられないかと調べて知ったのがアガベでした」。
また、カリフォルニアの街中に自生するアガベのダイナミックさに魅せられ、「かっこいい!育てたい!」と思うようになったとか。
(今でも作業中に手を止めて、自分の育てたアガベを眺めて「かっこいいなぁ」と見とれてしまう瞬間があるそうです。)

4.こだわり、試行錯誤を重ねてきた道のり
87PLANTSのアガベ栽培で最も大切にしていることをうかがうと、「土」だと花房さんは即答。
ホームセンターなどで販売されている土ではアガベの育成が難しいため、87PLANTSでは、水はけと水持ちのバランスを考慮した独自の配合で土づくりを行っています。
これにより、手に入れた方がすぐに植え替えをする必要がなく、届いてすぐにアガベの育成を楽しめるよう配慮されています。

趣味から始めたため、師匠がいるわけでもなく、すべてが手探りだったと初めのころを振り返ります。「苗をダメにしてしまったこともありましたし、畑の土壌を知るのにも時間がかかりました」。
また、これまでの道のりで関わった人々にも感謝の気持ちを持ち続けています。
「畑を貸してくださった方だけでなく、現在の店舗も友人である『鹿畑ポテト小屋』の佐々木さんが無償で貸してくれていて、たくさんの人にお世話になっています」
最初の1年間は、お店を知ってもらうために小さなマルシェにも出店していましたが、今では店舗運営と合わせて、植物好きが集まるイベントを中心に活動しています。
最近は温暖化の影響か、暑さに強いアガベへの注目が日に日に高まっているのを感じています。また、最近では、アガベファンに女性も増えているそうです。


5.アガベがもたらす喜びと、今後の展望
アガベの魅力について、花房さんは「育っていく過程を楽しんでほしい」と語ります。
また、返礼品を受け取った寄附者から「すごく綺麗で感動しました」といった喜びの声が直接届くことが、何よりも嬉しい瞬間だそうです。
届いてからも雨や寒さを防ぐように工夫して大切に育ててくれる方も多くいると笑顔で話してくれました。
今後の目標を尋ねると、「ハウスをもう1棟!」とにっこり。今年か来年にはハウスを増設し、直売の頻度を増やしたいと考えているそうです。
ハウスにはお店に出しきれていない大きな株も多く、ハウスで直接見てもらうことで、アガベの魅力をより深く伝えたいという思いがあります。

「管理も楽ですし、お庭がにぎやかになります。ぜひアガベを育てて楽しんでいただきたいです」
ますます人気が高まるアガベ。鹿嶋市のふるさと納税を通じて、あなたもアガベの魅力に触れてみませんか?
おまけ:初心者おすすめのアガベ
花房さんに、アガベ初心者におすすめの品種を教えてもらいました。
寒さや暑さ、蒸れに強く、見た目も美しい「パリー系」の品種がおすすめとのこと。

毎日水やりをする必要もなく、手がかからないわりに、庭が華やかになることもアガベの大きな魅力です。
「アガベを、お庭にドーンと植えたらテンション上がりますよ!」
6.店舗情報

所在地:茨城県鹿嶋市平井1180-23
営業日:金・土・日曜日
営業時間:11:00〜18:00
※詳しくはInstagramをご確認ください。
7 【鹿嶋市ふるさと納税の返礼品ページ】

しかふる3号
鹿嶋市ふるさと納税の担当者です。生産者の皆さんの知られざる情熱やこだわりをご紹介します。