世界有数の海鳥繁殖地 北海道天売島の海鳥を守る!
カテゴリー:動物
寄付金額 2,270,532円
目標金額:2,000,000円
- 達成率
- 113.5%
- 支援人数
- 129人
- 終了まで
- 受付終了
北海道羽幌町(ほっかいどう はぼろちょう)
寄付募集期間:2020年11月27日~2021年2月28日(94日間)
北海道羽幌町

羽幌町には、天売島という100万羽の海鳥が子育てをする世界有数の海鳥繁殖地があります。この人と海鳥が共生する世界的にも珍しい島には、自然景観やグルメを求めて毎年多くの観光客が訪れています。
しかし、近年、町のシンボルでもあるウミガラスやケイマフリなど一部の生息数が減少しています。
羽幌町では、海鳥が安心して暮らせる自然環境を後世に残すため様々な取組みを行っており、その取組みをさらに推し進めて持続可能なものとするため、自然環境の保全と地域産業の振興を両立させる新たな制度「シーバードフレンドリー認証制度」を広めたいと考えています。
世界に誇る天売島の自然環境を守りたい!
天売島の自然環境を後世に

世界有数の海鳥繁殖地として知られる天売島は、100万羽の海鳥と人が共生する世界的にも珍しい自然環境に恵まれた島です。
しかし近年、繁殖する海鳥のうち、ウミガラス(通称:オロロン鳥)など、一部の海鳥の生息数が減少しています。

羽幌町のシンボル的存在であるウミガラスは、1960年代には約8,000羽が生息し、繁殖期になると繁殖地である岩棚にぎゅうぎゅう詰めになって子育てをする姿が見られていましたが、外来生物や天敵によるヒナや卵の捕食、漁網による混獲等により激減し、絶滅危惧種となってしまいました。
一時は10羽程度まで減少しましたが、現在は保護活動により回復しつつあります。しかしながら、まだ安定して繁殖できる数には回復しておらず、海鳥を取り巻く環境は決して良いとは言えません。
生息数の推移
1960年代 8000羽
1970年代 500~1000羽
1980年代 130~600羽
1990年代 20~80羽
2000年代 10~20羽
ここ数年は徐々に個体数が回復しつつあり、2020年は65羽を確認
(環境省 北海道地方環境事務所及び海鳥センターHPより参照)
世界に誇れる自然環境を後世に残すため、どうぞご協力をお願いします。
海鳥をとりまく自然環境の保全活動
人も鳥も猫もみんなが幸せに
■海鳥の保護活動
羽幌町では環境省と協力し、様々な施策を行っています。
(ウミガラスの保護活動)

繁殖地にデコイ(鳥の模型)を設置したり、ウミガラスの鳴き声を流すことで繁殖個体を誘因しています。
また、繁殖地に侵入する天敵のカラスやオオセグロカモメの捕獲を行った結果、巣立ちに成功するヒナの数は少しずつ増えています。
天売猫の取組み(野良猫対策)

町では平成24年に天売島猫飼養条例を制定し、飼い猫の適正飼養に努めています。
また、海鳥繁殖地に侵入しヒナを襲ってしまう恐れのある野良猫は、殺処分することなく、捕獲をして島外に搬出し、ボランティア等によって飼い慣らし(馴化)をしています。
人に馴れた猫は「天売猫」と呼び、新しい飼い主を探しています。
対策を進めるにあたり、北海道獣医師会、北海道、環境省、動物愛護団体などと共に「人と海鳥と猫が共生する天売島連絡協議会」を設立し、各地で天売猫の譲渡会や馴化・活動紹介としてパネル展示等を行い、これまでに120匹以上を譲渡してきました。
その他、全国的に有名な旭山動物園や酪農学園大学とも連携し、取組みの啓発や飼い慣らしの研究なども行い、取組みを進めています。
天売猫の飼い主様から定期的に連絡をとりあいながら、猫と海鳥と人が幸せになれるような活動を今後も精力的に行っていきます。

■シーバードフレンドリー認証制度
自然環境を後世に残すために「海鳥をとりまく自然環境の保全」と「地域産業の振興」の両立を目指した仕組みとして「羽幌シーバードフレンドリー認証制度」が平成30年度からスタートしました。
シーバードフレンドリー認証制度とは、海鳥や自然環境にやさしい取組みを行う事業者を「シーバードフレンドリー認証」事業者として認証する、地域独自の認証制度です。
認証により事業者の生産する商品などに付加価値を付け、海鳥や自然環境にやさしい取組みをすることが、経済的にも評価される仕組みとなることを目指しています。
具体的には、海鳥を混獲を回避する漁網の開発に協力している漁業協同組合や、農薬や化学肥料の使用量を通常より大幅に減らしたお米の栽培を実践している農業者などが認証されています。
また、この認証制度を全国の方に知ってもらうため、首都圏などで環境保全の啓発活動を行っています。

寄附金の使い道
・シーバードフレンドリー認証事業経費:100万円
・日本唯一の海鳥普及啓発施設「海鳥センター」活動経費:50万円
・町内外への普及啓発経費:50万円
海鳥をとりまく環境保護の活動を広めたい
海鳥を守る新制度がスタート

平成30年度からシーバードフレンドリー認証制度をスタートし、環境保護に取り組む企業・団体が「海鳥にやさしいシーバードフレンドリーの事業者」として認証されています。
■4事業者をシーバードフレンドリー認証
北るもい漁業協同組合「海鳥に配慮した漁業の推進」
海鳥の混獲を回避するため、国際的な自然保護団体や日本野鳥の会と連携した混獲防止漁網の導入実験への協力や、森と海のつながりを意識した魚を育てるための植樹活動、海岸に漂着するプラスチックごみを中心とした海岸清掃などを行っています。

上築有機米生産組合「減農薬による水田営農」
良質な農産物の供給と環境負荷の少ない農業を目指し、農薬、化学肥料を大幅に減らした特別栽培による水田営農の実践や大学生や高校生の研究・環境学習を積極的に受け入れしています。

オロロン農業協同組合/ホクレン農業協同組合連合会留萌支所
「特別栽培米の販売とCRMによる地域への再還元」
上築有機米生産組合が生産する特別栽培米を、首都圏を中心に流通させ、売り上げの一部を海鳥の保全活動に寄付する活動を行っています。

株式会社ダイマル乳品「生産者・地域と取り組むCSVの実践」
周辺地域の規格外農作物を有効活用したアイスクリームの製造や、製造工程で割れてしまったモナカの皮を周辺農家の家畜のエサとして提供しているほか、工場内の徹底した節電、節水などの環境配慮を行っています。

今後は、認証した4つの事業者の取組みについての消費者へのPRを行い、シーバードフレンドリー認証事業者の拡大を目指していきます。
また、令和元年度より「シーバードフレンドリーサポーター制度」を創設し、地域外の事業者や個人からも協力者を募り取組みを拡げています!
海鳥と共に暮らす地域を目指して
取組を継続するためご支援をお願いします。

活動の歩みと今後のスケジュール
【シーバードフレンドリー認証制度】
■2018年 シーバードフレンドリー認証制度をスタート
■2019年 シーバードフレンドリーサポーター制度の創設
■2020年 認証制度のPR等の取組みを強化
■2021年 認証団体の増加を目指した取組みを実施予定
【天売猫の取組み】
2012年 天売島ネコ飼養条例制定
2014年 野良猫の捕獲と馴化飼育の開始
2017年 減少していた海鳥(ウミネコ)の新たな繁殖地を確認、個体数が増加する。
2020年 現在、捕獲数130匹、譲渡数123匹、島内の野良猫は5匹以下となっている。
2021年 すべての天売猫の譲渡を目指し、成果報告会を開催予定


関係者からメッセージ
羽幌町長 駒井 久晃
■環境保全の取組みを地域産業の活性化に繋げる

“オロロン鳥”をシンボルとして掲げる本町では、地域の貴重な自然環境を守り、後世に残すべく「羽幌町の環境を守る基本計画」を策定しています。
この計画は、町の各施策に環境との調和を持たせるとともに、計画推進に向けた取り組みを町民、事業者、町などの相互連携の中で進めることで、地域の環境課題の解決を図るものです。
特に、地域の環境と密接な関係にある地域産業を、環境保全と調和させていく「シーバードフレンドリープロジェクト」を重点取り組みの一つとして掲げています。
この全国にも類をみないプロジェクトを通して「海鳥をとりまく自然環境の保全」と「地域産業の振興」、両者がより一層推進されることを期待しています。
皆様のご支援をお願いいたします。
羽幌地域生物多様性保全協議会 会長 濱野 孝さん
■生きものと人がやさしく向き合える世界を目指して

地域産業の振興と環境保全は相反するものと思われがちですが、双方がともに助けあい共存出来ないかと考えています。
「海鳥をとりまく自然環境の保全」と「羽幌地域の産業振興」の持続的な両立を目指し、羽幌の自然環境にやさしい取り組みを認証・啓発する「シーバードフレンドリー認証制度」を進めていきます。
生きものと人がやさしく向き合えば良いと考えています。
天売猫飼育馴化ボランティア 梅原 清美さん
■海鳥と猫の幸せのために

天売島の海鳥を守るために、島で増えすぎた野良猫の保護活動に協力しています。
天売島の冬はとても寒くて厳しく、野良猫にとっても決して暮らしやすい場所ではありません。
島で捕獲された野良猫を、海鳥センターの飼育室で人が飼えるように馴れるまでお世話をしています。
この取組みは、海鳥だけではなく猫の幸せも守る取組みだと思います。全ての猫に新しい家族が見つかり幸せに暮らせるよう、願っています。
住民の声
天売島民 齊藤 暢さん
■海鳥と共に生きる

私は天売島で生まれ育ち幼いころから身近に海鳥がいました。
小学生のころから本格的に野鳥観察をするようになり、夏場は近所の密漁監視員の叔父さんに船に乗せてもらいオロロン鳥を見に行くのがとても楽しみでその頃は屏風岩やカブト岩にも多く繁殖していました。
そのオロロン鳥も一時は10羽程度まで減ってしまいましたが、沢山の人たちの保護活動のおかげで今は60羽程度まで繁殖数が増えました。オロロン鳥が増えた要因は単純な事ではないと思います。
海鳥が安心して暮らすためにはまず豊かな海が必要です。
森が水を蓄え海に栄養を送り、魚が集まり島に暮らす人々や海鳥を育む、その命の循環が大切なのではないでしょうか。
海鳥を保護することは実は島に暮らす私たち自身の暮らしを守る事だと考えます。いつまでも海鳥と人とが共に暮らす島でありたいと思います。
寄附者の皆さまへ
羽幌町からのメッセージ
天売島に生きる海鳥・猫・全ての自然環境が地域の一員であり、人と共生する住みよい「まちづくり」を羽幌町は目指しています。
全国の皆さま応援をよろしくお願いします。
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2021年03月02日 15:33
天売猫の取り組み
【馴化~譲渡の取り組み】
島外に搬出した130匹のうち、124匹に新しい飼い主が決まっています。
飼い主が決まった天売猫たちは、それぞれの家庭で幸せに暮らしています。
コロナ禍でなかなか難しい状況ですが、海鳥センターで馴化中の天売猫たちの飼い主を募集しています。
【島内のノラネコの状況】
現在、島内ではほとんどノラネコを見かけなくなっており、おそらく5匹以下に減少したものと推測しています。
ノラネコの影響などにより減少したウミネコが、新たなコロニーを作り個体数が回復してきています。もっと見るまだコメントはありません
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2021年03月02日 15:27
ウミガラス(オロロン鳥)の飛来・繁殖状況
令和2年度は、65羽が飛来し、過去20年で最大の飛来数となりました。
また、24羽のひなが巣立ち、10年連続で巣立ちに成功しています。
今後もこれらの取り組みを継続・発展させて、海鳥と自然環境に優しいまちづくりを進めていきます。
今後の取り組みにご注目ください。もっと見るまだコメントはありません
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2021年03月02日 15:12
目標達成のお礼
この度は当プロジェクトに対し、皆様の温かい寄附及び応援メッセージを賜り誠にありがとうございます。
おかげさまで目標額を達成することができ、ご支援いただきました皆様、また、SNSなどで情報拡散にご協力いただきました皆様、ご協力をいただいた全ての方にお礼を申し上げます。
ご支援いただきました寄附金は、令和2年度天売島海鳥保護事業に充てさせていただきます。
皆様の想いをしっかり受け止め、天売島の海鳥や自然環境にやさしいまちづくりを目指した活動に活用させていただきます。もっと見るまだコメントはありません
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北海道羽幌町

羽幌町は、北海道北部の日本海側、留萌管内のほぼ中央に位置し、沖合いには天売島と焼尻島のふたつの島を有しており、天売島は世界でも珍しい「人と海鳥が共生する島」、焼尻島は「緑と原生花の島」として有名で、共に「署寒別天売焼尻国定公園」に指定されています。
日本有数の漁獲量を誇る甘えびをはじめ、ホタテ、タコ、ウニといった海産物、グリーンアスパラやねばりながいもなどの農産物、ストレスのない環境の中、潮風を受け豊富なミネラルを含んだ牧草を食べて育った焼尻めん羊など、資源に恵まれた自然豊かな町です。
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