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「上組町南部ばやし」を長らく支えて来た「山車」の土台を新調し、子どもたちの「未来」につなげたい

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

main_img 達成

寄付金額 1,060,000

106%

目標金額:1,000,000

達成率
106%
支援人数
33
終了まで
受付終了

岩手県遠野市(いわてけん とおのし)

寄付募集期間:2019年12月9日~2020年1月13日(36日間)

岩手県遠野市

プロジェクトオーナー

遠野南部ばやしは、古くは江戸時代・寛文元年(1661年)を起源とする町方の郷土芸能です。昭和40年代に「遠野南部ばやし上組町保存会」として復活し、遠野遺産に認定されています。

八戸から遠野へ入部した南部直義が八幡宮を現在の地に移したときに旅の遊芸師に命じ京都の祇園ばやしを模して創られたと言われ、優雅なお囃子に合わせて可憐な衣裳に身を包んだ舞い手が華やかに踊ります。なかでも行列の後ろを運行する「山車」が大きな特徴です。

上組町南部ばやしを30年近くにわたって支えてきた山車ですが、土台の台車の傷みが進み、とうとう修繕も難しい状態になったため、このたび台車を更新する費用のご協力を皆様にお願いすることになりました。

地域に育まれた上組町南部ばやしを未来の子どもたちに継承したい

1年に1度の晴れ舞台〜日本のふるさと遠野まつりの場で披露

上組町は、遠野市の中央に位置する町内会組織で、現在は約200世帯で構成されています。

南部ばやしは 「遠野南部ばやし上組町保存会」の手により、昭和40年代に復活しました。毎年9月に開催される日本のふるさと遠野まつりには、約200人の町民が参加・協力し合い、舞い手、囃し手等で地域の芸能を支えています。

「南部ばやし」の先頭に立つ舞い手は、2歳頃から中学生までの女の子たちで構成されます。本格的な日本髪とお化粧、艶やかな着物が特徴で、その華やかさに魅かれて参加される方も多くなっています。ただそれでも少子高齢化の波や家族形態の変化などにより、伝統芸能を継承することがとても難しくなっている状況にあります。

こうした背景のなか、永く遠野遺産を継承し、同時に上組町の地域の結びつき、コミュニティを維持するためにも、なくてはならない「南部ばやし」を、今後も皆様の前で披露したいと願っています。

「上組町南部ばやし」の誇りー「山車」をよみがえらせる

心穏やかに舞い・奏でるために

遠野市上組町(約200世帯)が取組む「南部ばやし」は、一番後ろに控える山車が大きな特徴となっており、上組町の誇りでもあり宝物のような存在です。

山車には三味線や太鼓といった囃方が乗り、若者たちの手によって9月の遠野まつりで町なかを練り歩きますが、前回大規模改修したときからはや30年もの歳月が経ってしまいました。

練り歩きは、賑やかに、また厳かに各町を巡り運行します。また、福祉施設への慰問も行い、遠野まつり会場に出向けない方々の前で、南部ばやしを舞い・そして奏で、楽しんでいただいています。

こうした練り歩きができるのも、山車があってこそで、その山車の土台(台車)を更新することができれば、まだまだ長く「南部ばやし」を支え、広く楽しんでいただくことが可能となります。

土台は、特定の車種の車台を用いているため、今ではなかなか手に入りにくくなりましたが、廃車された部品をうまく組み合わせることで、少しでも費用を削減することができます。

皆様方から更なるお力添えをいただくことができれば、町民一同が安心して来年以降も「南部ばやし」を皆様に披露することができます。

このクラウドファンディングを通じて地域の活性化を図り、他地域・全国の人々と交流を深めることにより、上組町の南部ばやしから、日本の、世界の南部ばやしへと成長させていきたいと考えています。

寄附金の使い道

山車の土台(台車)を更新する

・屋台の台車更新費用:160万円

※目標金額に達しなかった場合、ブレーキやハンドルなど、できる限りの部品交換で対応して参ります。

上組町の誇り、宝物を子・孫・曾孫へ

4世代に亘る継承〜菊池家と南部ばやし

上組町における伝統の継承は、上組町それぞれの家族・一族における継承から成り立っています。

たとえば、菊池よしのぶさんのご家族は、現在その祖母【三味線】、父【拍子木】、本人【囃子、太鼓(おうど)】、娘【舞い手】と、様々な形で「南部ばやし」の大切なパートを担ってきました。

父・よしのぶさんと娘のさくらさんから伺った話からは、南部ばやしを通してよしのぶさんは祖母、父の姿を、また娘の姿を、娘は曾おばあちゃんや父の姿を見守り、追いかけることで、一族の絆を確かなものにしてきたことがわかります。

よしのぶさんにとって「南部ばやし」は?

何歳頃から南部ばやしに関わっていましたか?
ー記憶がないが、3歳くらい、歩けるくらいから、男の子でありながら踊っていたようです。

さくらさんと向かい合って奏でることが多いがどんな気持ちですか? また屋台はどのような意味をもっていますか?
ー1年のなかで一番のイベントでもあるし、上組町という町内が1つになれる大切な機会です。「太鼓」という役割を23年間やらせてもらってますが、代々『太鼓』の先輩方が自分の娘とこの距離で「太鼓」を奏でています。そういう先輩方に憧れて、今年いよいよ自分の娘が中学校3年生になって行列の前に来たな。娘もそうですけれども、娘の後ろにそびえる屋台、映える屋台。やっぱり上組町でよかったなと今年は特にそういった思いをかみしめながらやらせてもらいました。町内の皆様には感謝していました。

まつりの前に思うことは? 伝統の重みを感じることはありますか?
ー特に意識したことはありません。生まれたときから、南部ばやしを子守唄ではないですが、自然と口ずさめる環境にあったので、自然とおまつりというのは身に染み付いていて、秋がくればいよいよ来たなと。町内の皆さんが一致団結できる機会ですので極力参加するようにしてます。

さくらさんにとって「上組町南部ばやし」は?

何歳頃から南部ばやしに関わっていましたか?
ー覚えていないけれど、2歳頃から曾おばあちゃんに手をひかれて参加していました。

舞い手は今年で卒業ですが、今後はどういう役割を担いたいですか?
ー中学校卒業して、高校からは三味線のパートに移って、曾おばあちゃんみたいにきれいな音色を奏でたいし、曾おばあちゃんが屋台の上からみた景色を自分もみてみたいです。

さくらさんにとって、お祭りはどんなものですか?
ー1年のなかでいつもと違う装いをした、友達と写真を取ったりして楽しんだりするし、それが一番楽しいです。今年がお祭りが最後ですし、パレードとかも数えるくらいしか踊らないけれども頑張っていこうと思います。

今後はどんなふうに関わっていきたいですか?
−高校からは自分がいきたいパートで頑張って行きたいし、遠野を離れてもお祭りに帰ってきて参加したいと思っています。

事業に携わる方の思い

遠野市産業部観光交流課長 菊池 功幸

■日本のふるさと遠野まつりを後世に。

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遠野まつりは、毎年9月第3土日の2日間行われており、参加者、観客数合わせて3万人を超す、遠野で最も規模が大きいイベントです。

近年、遠野まつりの参加団体から、少子高齢化の影響等により、出演者不足について課題となっている旨の発言が目立つようになってきました。

まつりは、地域住民の手によって伝統芸能の継承、地域全体の連帯と協調、他地域間の交流が図られるだけでなく、関係人口と交流の活性化が図られ、後には定住化へのきっかけともなりうる、大きな意義を持つものと考えています。

遠野遺産「遠野南部ばやし」を活用した交流促進事業により、寄附者からの応援をいただくことにより、屋台修繕に活用されることとなるため、まつり参加団体の強化は遠野まつりの維持存続に不可欠です。

このプロジェクトが他団体へ広がることによって、遠野市の活性化及び他地域への波及と過疎地域の活性化につながる先駆的な取り組みとなることに期待しています。

遠野南部ばやし上組町保存会 会長 白岩 俊貞さん

■子供たちが誇れる「南部ばやし」として継承していきたい

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南部ばやしをご披露できるのは、地域内外の多くの子どもたちの力によるところが非常に大きいと感じています。

それは、華やかな衣装を着て踊る女の子のみならず、笛や太鼓といった囃子方として、南部ばやしの演奏を支える男の子の力もあります。

南部ばやしに参加する子どもたちは、それぞれの役割を果たし、一緒に参加している地域のお兄さん、お姉さんを見ながら憧れを持ち、「いつか自分も」という気持ちでひたむきに取り組んでいます。

私は、南部ばやしの核となる「山車」を改修するこの取り組みを通じ、子どもたちが進学などでこの地域を離れることになっても、いつか戻り、南部ばやしを継承していきたいと思えるようにしたいと願っています。

子供たちの「誇り」を大人たちが支え育てていく「南部ばやし」となることが大人としての役割として、私自身もまだまだ頑張っていきたいと思っています。

みなさまの支えでつなぐ、遠野の文化

日本のふるさと遠野まつりを後世に。

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遠野市は、郷土芸能の伝承と、地域の活性化、交流・関係人口の拡大にむけ、市民総意で取り組んでいます。

人口約27,000人の市ですが、毎年9月第3土日に行われる「日本のふるさと 遠野まつり」には2日間で、60団体以上、約1万人が演者として参加します。

このまつりを今後も盛り上げながら、継承していくことについて、本プロジェクトのご支援に心よりお礼申し上げます。

市は、今後も更に遠野まつりにおける郷土芸能の振興を通じて、地域の活性化、交流・関係人口の拡大を図ってまいりますので、是非、遠野へお越しくださいますよう、よろしくお願いいたします。

現在進捗情報はありません。

岩手県遠野市

遠野市は、岩手県を縦断する北上高地の中南部に位置する遠野盆地の小都市です。江戸時代には南部藩の重要拠点の一つとして、また内陸部と沿岸部を結ぶ交通の要衝・宿場町として栄えたと言われています。

柳田國男が今から110年前に著した『遠野物語』でも知られ、現在も継承されている伝統芸能や素朴な民話など、日本のふるさとを護るまちづくりの姿勢は、市内外から今も高い評価を頂いています。