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文化勲章受章者 世界的数学者「岡 潔」数学に対する熱意と偉業、情緒という日本人の心の大切さを未来に引き継ごう

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 1,430,000

35.7%

目標金額:4,000,000

達成率
35.7%
支援人数
46
終了まで
受付終了

和歌山県橋本市(わかやまけん はしもとし)

寄付募集期間:2016年1月25日~2016年3月31日(67日間)

和歌山県橋本市

プロジェクトオーナー

 世界的な数学者で橋本市名誉市民の岡潔博士をご存じでしょうか。数学に情熱を注ぎ、世界の誰もが手に負えなかった難問を一人で解明し、世界の名だたる数学者を「Okaとは、団体名でなく、個人の名前なのか」と驚愕させるぐらい偉大な業績を持ち、今日においてもなお数学界に影響を与えている人物です。また、随筆家としての一面もあり、ベストセラーとなった『春宵十話』を始め多くの著書を残すとともに、日本人の情緒の大切さなど訴えかけました。
 こういった、岡潔博士の偉業や日本人の心の大切さを、博士のふるさとである橋本市において発信し、未来に継承していくため、記念館の整備や資料収集、展示など顕彰事業に対し、皆様のご支援をお願いします。

岡潔(おか きよし)について

世界的な大数学者「岡潔」(おかきよし)

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 岡潔は伝説的な天才数学者で、当時世界の数学者の誰もが手に負えなかった多変数函数論※の三つの大問題を一人ですべて解決した人です。これらの業績により文化勲章を受章し、橋本市最初の名誉市民となりました。日本人でフィールズ賞(数学界のノーベル賞)を受賞した3人の数学者も岡の研究成果の恩恵を受けています。

 岡は、1901年に大阪市で生まれ、幼・少年期を父祖の地である和歌山県紀見村(現橋本市)で育ちました。1925年に京都帝国大学理学部を卒業してすぐ同大学講師に就任。4年後には同大学助教授に昇進しフランス留学しました。1932年に帰国し、広島文理科大学(現広島大学)で6年間教鞭を執り、その後故郷の紀見村に帰り研究に没頭。誰もなしえなかった難問を解き明かしました。1949年奈良女子大学教授に就任しました。

 フランス留学時代に生涯の研究テーマである多変数複素函数論に出会った岡。当時まだまだ発展途上であったその分野で、後にたいへん大きな業績を残しました。具体的には3つの大問題の解決が有名ですが、特に当時の重要な未解決問題であった「ハルトークスの逆問題」(レヴィの問題)に挑戦し、約20年の歳月をかけてそれを解決(内分岐点をもたない有限領域においての解決)しました。
 

情緒の大切さを訴え続けた思想家「岡潔」

 岡は思想家としても有能で、ベストセラーとなった『春宵十話』を始め多くの著書を残すとともに、日本的情緒の大切さを訴え続けました。岡は、人の中心は情緒(情)であると説きました。

 そして情緒を説明するのに、スミレの花をほめた芭蕉の句「山路来て何やらゆかしすみれ草」を紹介しています。スミレの花を見るとき、それが小さくて紫色だと見るのは感覚で、スミレの花はなんとなく慕わしいなぁとみるのが情緒であり、「日本人は感覚を見ているのではない。スミレという情緒を見ている」と語っています。

 また、「数学とは、自らの情緒を外に表現することによって作り出す学問芸術の一つである」と述べています。数学という分野を「情緒」という観点から展開した独特な世界観は多くの読者に多大な衝撃を与えました。その著書『春宵十話』で知名度も高く、文芸評論家の小林秀雄との対談(書籍『対話 人間の建設』)の他、松下幸之助や石原慎太郎など著名な企業家や作家などと対談を行い、その他にも多くの方々との交流がありました。

 ゆかりのある橋本市では、岡先生の功績を称え、関係資料を保存し、未来に継承していくとともに、数学の発展に貢献したいと考えています。この度のガバメントクラウドファンディングでは、記念館の整備や資料収集、展示など顕彰事業に対し、皆様のご支援とご協力を募っています。

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岡の情熱と業績

 岡の研究した分野「多変数複素函数論」についての問題は20世紀の初めに注目され始めていましたが、あまりに難しいため世界の数学者は手をつけられずにいました。岡のためにとっておかれたようなこの問題の解として、岡は10編の論文を書き上げます。生涯で10編の論文というと非常に少ない数ですが、補足的な1編を除き、9編すべてが珠玉の傑作と言われています。あまりに素晴らしい論文のため、一人の人間が書き上げたとは信じられない程です。日本の数学者が神様のように尊敬するドイツの数学者ジーゲルは『オカとはニコラ・ブルバキのように数学者の団体の名前だと思っていた』と語ったそうです。ジーゲル本人やブルバキの主要メンバーのヴェイユ、カルタンらは、はるばる奈良まで岡潔を訪ねました。

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 この事からもわかる様に、岡の数学への情熱と業績は並はずれたものでした。1960年には文化勲章を受賞しましたが、その時天皇陛下に「数学とはどの様な学問か」と問われると、「数学は生命の燃焼によって作るのです」と答えたそうです。また岡は「数学をしている時だけは自己というものを認識しない」とも語りました。我を忘れて数学に傾倒した岡には、世界の数学者から「岡は寝ている時以外はいつも数学をしている」との伝説がついてまわりました。広島文理大学を辞した37歳から49歳まで、岡は故郷にこもり、自らの山林・田畑を売ったお金や奨学金で数学の研究に没頭しました。文化勲章受賞後は講演や執筆の依頼が多く来るようになり、晩年は数学の研究に加え、心の世界の研究に没頭し執筆活動に専念しました。

 岡の主な肩書きは、奈良女子大学名誉教授、理学博士。主な受賞歴を順に挙げると、日本学士院賞、朝日賞、文化勲章、橋本市名誉市民、毎日出版文化賞、勲一等瑞宝章などです。

 橋本市では、現在の数学は岡先生の理論なしでは成り立たないと言われるほど高く評価されている岡の数学の業績と、人の中心は情緒(情)であるという情緒の思想を、広く伝えるとともに、未来に受け継いでいきたいと考えています。

岡潔の功績を後世に受け継ごう

 これだけ素晴らしい功績を残した岡潔ですが、1978年に亡くなってからその功績は世間から忘れられていました。そうした中、ゆかりのある人たちによって少しずつ、岡潔の業績や思想を形にして後世に残すという活動が進められてきました。成熟した社会に入ってきた現在、岡潔の思想が見直され、注目されてきています。そして、著書の復刻版などが出版され、再び岡潔のことが広く知られるようになってきています。

 また、橋本市は岡先生の業績や思想を受け継ぐとともに、算数数学教育を推進するため「橋本市岡潔数学WAVE」を設立しています。主な活動では、「おもしろ算数・数学教室」、岡潔顕彰講演会、伝記絵本「岡潔博士ってだぁーれ?」の制作などを行っています。

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 岡先生にゆかりのある橋本市では、平成31年の「岡潔記念館」の開館に向けて全国から基金を募っています。しかしながら、その整備費はまだ十分ではありません。この度のGCF(ガバメントクラウドファンディング)は、その整備費の一部として役立てられる予定です。
 日本の世界に誇る数学者「岡潔先生」の数学にかけた情熱、そして思想家として日本の未来を明るくするために執筆活動を続けた彼の偉業を後世に残す、一大プロジェクトに皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

 

今回の取り組みに賛同してくださった方へのお礼の品

岡潔グッズをお送りいたします

ご寄附をいただいた方に、寄附金額に応じて下記の、地域木材を利用した「岡潔グッズ」をお送りいたします。
また、10万円以上のご寄附頂いた希望者の方には、「岡潔グッズ」の他、完成後の記念館の銘板にお名前をご掲示させていただきます。

【1万円以上の寄附】 :岡潔 箴言しおり
【3万円以上の寄附】 :岡潔 箴言しおり + 岡潔 一合枡
【5万円以上の寄附】 :岡潔 箴言しおり + 岡潔 一合枡 + 岡潔 風鈴
【10万円以上の寄附】 :岡潔 箴言しおり + 岡潔 一合枡 + 岡潔 風鈴 + 岡潔 団扇(うちわ)
                  + 完成した記念館の銘板にお名前をご掲示。(希望者のみ)

※寄附金額から御礼の品等の経費を差し引いた金額を岡潔顕彰基金に積み立てさせていただきます。

■岡潔 箴言しおり

岡潔氏オリジナルイラストと箴言(しんげん)をモチーフにしたしおりです。割れにくい加工のされた杉でできています。

サイズ:縦 約13㎝
    横 約4.5㎝

★以下の六種類の中からお選びください。

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A)私は人というものが何より大切だと思っている。私たちの国というのは、この、人という水滴を集めた水槽のようなもので、水が絶えず流れ入り流れ出ている。これが国の本体といえる。ここに澄んだ水が流れ込めば、水槽の水は段々と澄む。『春風夏雨』

B)日本民族は情の民族である。人と人との間によく心が通い合うし、人と自然との間にもよく心が通い合う。この心を情というのである。日本民族は、情によってつながっている。『一葉舟』

C)情緒の中心の調和が損なわれると、人の心は腐敗する。社会も文化も、あっという間にとめどもなく悪くなってしまう。春にチョウが、舞わなくなり、夏に蛍が、飛ばなくなったことが、どんなに大変なことかわかるはずだ。『春宵十話』

D)日本は、戦後個人主義を取り入れたのだが、個人主義というものは日本国新憲法の新憲法の前文で考えているような甘いものではない。それに同調して教育まで間違ってしまっている。その結果、現状はひどいことになっている。『対話 人間の建設』

E)日本には、犠牲的行為がたやすくできる人が多く、人々はそれを善と考えて、人生を渡るときの指針にしていたのである。『月影』

F)私が初めて道徳教育を受けたのは、数え年五つの時だった。これは祖父から受けたもので、一口にいえば「ひとを先にして、じぶんをあとにせよ」という教育だった。『春宵十話』

■岡潔 一合枡

岡潔氏をモチーフにした一合枡です。
岡潔にちなんで『升(Math=数学)』が商品化されたという経緯があります。

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■岡潔 風鈴

岡潔氏をモチーフとした風鈴です。岡潔氏の直筆をプリントしたものです。短冊は特殊加工した割れない高野杉を使用。

サイズ:(全体)縦 約30㎝
    (短冊のみ)縦 20㎝ × 横 4.5㎝

★以下の二種類からお選びください。

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A)「藤咲いて 野にも 村にも 風渡る」

B)「風蘭の 香りの 秘密見つけたり」

■岡潔 団扇(うちわ)

岡潔氏をモチーフにした団扇です。オリジナル岡潔イラストの透かし彫りと、岡潔氏直筆の句をプリントしたものです。

サイズ:横 約20㎝、縦 約18㎝
    持ち手部分 約10㎝
材質: 高野杉(割れにくい加工済み)

★以下の四種類の中からお選びください。

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A)「風蘭の 香りの 秘密 見つけたり」

B)「深山木の こぬれに匂ふ 風蘭の 香りをなつかしみ 文に名づけつ」

C)「夏もはや 残月の 夢の わかれ哉」

D)「藤咲いて 野にも 村にも 風渡る」

現在進捗情報はありません。

和歌山県橋本市

橋本市は、和歌山県の東北端、自然豊かな紀伊半島のほぼ中央に位置する人口約65,000人のまち。 中世では、京から高野山に至る高野街道の宿場町として栄えました。江戸時代には船継問屋場として、また大和街道・高野街道を往復する伝馬所として、地方物産の集散地としてこの地方の中心地となりました。 平核無柿、富有柿、巨峰などの特産品が人気。鶏卵は、県内の生産量の50%以上を占めています。「パイル織(編)物」は、日本一の生産高を誇り、高級毛布、インテリア・衣料・寝装用品など、あらゆる分野にわたり国内外で広く愛用されています。100年以上の伝統を受け継ぐ「紀州へら竿」は、全国シェアの大半を占め、平成25年に国の伝統的工芸品に指定されました。橋本市は「紀州へら竿の里」と呼ばれ、ヘラブナ釣り愛好者羨望の竿はここから生まれています。

  • GCFとは?

このプロジェクトへの応援メッセージ

  • 分野は違えども、一学徒として岡潔先生のことは尊敬申し上げております。

    2016年3月26日 18:33

  • 今の日本で最も大切なのは教育だと思っていますが、最近の教育は実利に走り、教養・情操・思想教育が軽視されていることを危惧しています。こういう時こそ、素晴らしき先人を学ぶべきと思います。どうぞ頑張ってください。

    2016年3月11日 23:01

  • 大変尊敬する岡潔先生の記念館設立とは、とても素晴らしいことと心から賛同申し上げます。ふるさと納税でこのようなプロジェクトを立ち上げたことはとても有意義だと感じます。寄付はなかなか集まりづらいかもしれませんが、目標額に達し記念館設立となりますよう心から応援申し上げます。

    2016年2月20日 16:47

  • 「人の中心は情緒である」岡先生の春宵十話をおもいだしました。ふるさと橋本を離れ、20年という月日がながれました。いまの私に出来ることとして、ふるさとが輩出した偉大なる数学者、そして思想家でもある岡先生の記念館を建築し、橋本市が数学日本一のまちと呼ばれることを願いつつご寄付させていただきました。しっかり頑張ってください。

    2016年2月5日 10:56

  • このプロジェクトに大賛成です。世界的な大数学者、岡潔博士の数学の業績や思想を日本のみならず全世界に発信する基地として、また、岡潔ファンや博士の数学に関心がある人々のシンボルとして是非、記念館が開設されることを願ってやみません。皆さん、一緒になって実現させましょう。

    2016年1月29日 13:09

  • 私も学生時、数学を志したものの結局その道には進めませんでしたが、21世紀も多くの日本人が数学等の分野で活躍できるための一助として取り組みに賛同します。複素函数は一変数でも十分過ぎるほど奥深い学問ですが、多変数となると及びもつかない領域で、敬服します。

    2016年1月27日 13:37

  • 期間が短いのですね。記念館完成後はお訪ねしようと思っています。

    2016年3月26日 16:25

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