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【第2弾】水産資源への影響をストップ!ガンガゼを捕獲・有効活用して藻場を回復 |持続可能な漁業と地球環境保全を目指して

カテゴリー:食・農林水産業・商工業 

main_img 達成

寄付金額 1,879,000

125.2%

目標金額:1,500,000

達成率
125.2%
支援人数
98
終了まで
受付終了

佐賀県NPO支援(さがけん えぬぴーおーしえん)

寄付募集期間:2022年9月2日~2022年12月1日(91日間)

佐賀県庁 × NPO法人 浜-街交流ネット唐津

プロジェクトオーナー

NPO法人 浜-街交流ネット唐津は、魚消費量の減少や魚価の低迷等による漁家経営の悪化及び後継者不足にともなう産地機能低下等の問題を解決するために、漁業者自らが設立した組織です。魚食普及のための料理教室や漁業体験、海の学習教室、加工品製造、販売支援事業、持続可能な漁業を目指した漁場環境保全事業等に取り組んでいます。

磯焼けが水産資源と地球環境に及ぼす悪影響をストップ

藻場の役割は、水産生物育成と地球環境保全

藻場は、沿岸域で海藻が繁茂している場所です。藻場の役割は、魚類などの産卵の場、稚魚育成場、餌場など、水産生物にとって多様で重要な役割を果たしています。

また、一方で、陸域から流入する有機物や窒素やリンなどの栄養塩を吸収して水の浄化を行うとともに、光合成による二酸化炭素吸収、酸素供給など地球環境保全の重要な役割を果たしています。

ところが、近年、地球温暖化の影響により海水温が上昇しており、その結果、これまで唐津の沿岸域には生息していなかった南方系で大量に海藻を食べるウニ類のガンガゼが増え、藻場の消失(磯焼け)が広域でみられています。

ガンガゼは、アカウニやムラサキウニに比べ味が劣ることから商品価値が低く漁獲対象となっていません。

その結果、ガンガゼが増えすぎて磯焼けした海域では、本来生息するアワビやウニ等が減少するとともに、魚類などに漁業全体に大きな影響を及ぼしています。

一方、現在、地球温暖化対策として二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標が示されています。

これまで二酸化炭素吸収源として森林による吸収・固定(グリーンカーボン)が大きいとされてきましたが、2009年、国連環境計画(UNEP)が報告書『ブルーカーボン』を発表し、CO2吸収源としての海の可能性を提示しました。

地球温暖化対策としても藻場の回復が期待されています。

【参考】海の森 ブルーカーボン CO2の新たな吸収源(国土交通省港湾局 2021年3月)

ガンガゼ駆除と母藻設置による藻場回復とガンガゼの有効利用

藻場回復による持続可能な漁業と地球温暖化対策

1 ガンガゼ駆除と母藻設置による藻場回復

令和4年度は、昨年度にいただきました寄附金で、4月から漁業者によるガンガゼ駆除に取り組んでおり、設定海域(8,000m3)のガンガゼをすべて駆除するとともにアラメやホンダワラ等の母藻を設置して来シーズンの海藻の繁茂を待っています。

今回の寄附金では、令和5年度に設定海域を拡大して駆除と母藻設置を行います。

1 ガンガゼ駆除と母藻設置による藻場回復

2 ガンガゼの有効利用

ガンガゼは、旨味成分も含んでいますが、苦味やえぐ味成分も含んでおり、アカウニなどに比べ市場価値がなく漁獲対象となっていません。

令和4年度は、ガンガゼの苦み成分を緩和した加工品の開発に取り組み、「ウニパスタソース」を開発しました。

今回の寄附金では、令和5年度にガンガゼの有効利用を図るため、新たな加工品開発や他への利用を探っていきます。

※SDG's 14.海の豊かさを守ろう(海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する)

2 ガンガゼの有効利用

3 藻場回復による地球温暖化対策

小さな取り組みですが、藻場回復により二酸化炭素の吸収効果を高め、地球温暖化抑止に貢献します。

※SDG's 13.気候変動に具体的な対策を(気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る)

3 藻場回復による地球温暖化対策

寄付金の使い道

◆目標金額 150万円
--
・ガンガゼ駆除経費:700,000円
・加工品製造 賃金(加工職員):270,000円
・需用費(消耗品費):200,000円
・委託費(製造委託):100,000円
・光熱水費:50,000円
・旅費:30,000円
・県手数料:150,000円
--
※目標金額に達しなかった場合は、規模を縮小して実施します。
※目標金額以上の寄付が集まった場合は、規模を拡大して実施します。

寄付金の使い道

藻場回復で水産資源回復と地球環境保全

藻場は、前述したように海洋生物にとっての産卵場と保育場、餌場になっています。藻場が回復することで海洋生態系を回復し生産性を高めることで、水産資源の回復となり、さらには二酸化炭素吸収による地球環境保全になります。

事業実施によって達成したい目標値や成果(令和5年度)
・ガンガゼ捕獲:年間捕獲数 6,000個体
・藻場回復:海藻被覆度:対象海域の20%
・ガンガゼの有効利用検討(加工品等)

ガンガゼの駆除による藻場回復

2023年4月 関係者による藻場再生検討会議開催(捕獲海域、有効利用等)
2023年5月~2024年3月 ガンガゼ駆除・捕獲
2023年5月~2024年8月 ガンガゼ有効利用(加工品製造等)

本プロジェクトに関わっている方々の声

藻場を回復して持続可能な漁業を 藻場回復グループ代表 東宝丸 井上健一

藻場を回復して持続可能な漁業と地球環境保全を

昨年の寄附を活用して令和4年4月から藻場回復事業に取り組んでいます。

おかげさまで7月までに設定した海域のガンガゼをほぼすべて駆除が終了しました。

また、地元の子供たちにも藻場の重要性を理解してもらうために、次のシーズンの海藻の素となるアラメやホンダワラ等の母藻投入も終了しました。

これからは、海藻の芽が育つように毎月モニタリングを行っていきます。

また、今回のウニパスタソース開発が成功したことで、今後の新たな加工品開発に弾みがつきました。

来年度は、加工品を含めた有効利用を図ります。

私が海士漁を行っている海域は、20年前から漁の間にガンガゼ駆除を行ってきたこともあり磯焼けがみられていません。

根気よく続ければ藻場は必ず回復します。

近年の水産資源の減少の一因としての磯焼け回復に期待しています ひびき水産 増本茂宣

私は長年定置網漁業を営んでいますが、近年の水揚げ量は減少傾向にあります。

その要因の一つに、唐津沿岸域で広範囲にみられている磯焼けが考えられています。

藻場は、魚類の産卵場や育成の場、餌場としての役割を担っていることから、その回復が重要です。

今回の取り組みが全域に拡大すればと期待しています。

活魚料理 潮路乃 オーナーシェフ 田中 義弘

唐津の魚の水揚げが年々減少しています。

多くの方々が唐津のイカやアワビ、サザエなどの新鮮な料理を求めて来店されますが、最近は年々水揚げが減少しており心配しています。

藻場が回復して水揚げが増えることを期待しています。

また、ガンガゼは、旨味成分に加え苦み成分等も含むことから唐津では利用されていませんが、今回のウニパスタソースは、苦みがなくウニ特有の旨味が十分あり驚きました。

ガンガゼ有効利用は藻場回復のポイントになりそうです。

持続可能な漁業と地球環境保全のための藻場回復にご協力ください

NPO法人 浜-街交流ネット唐津 代表理事 千々波行典

地球温暖化による影響は環境、生活、産業などいたるところに大きく影響しており、漁業への影響もみられています。

温暖化を抑えるためには温暖化ガス排出の削減が急務で、私たち一人ひとりの意識向上と行動も求められています。

当法人も、使用する電力を再生可能エネルギーに変更しています。

今回の藻場回復では、水産資源回復を図るとともに、温暖化抑制の一助となればと考えています。

ご支援宜しくお願い申し上げます。

  • 2023年12月21日 13:13

    ご支援いただき、ありがとうございました。

    暖かいメッセージと共にご支援いただき、ありがとうございました。
    多くの方からご支援いただけたこと、大変嬉しく思っております。
    いただいた寄付金は、2023年の藻場再生事業に活用させていただきました。おかげさまで水産資源回復にとって重要な藻場の再生に成功しました。2024年はこの藻場を活用してアカウニの種苗放流による資源回復に取り組みます。ぜひ引き続き見守っていただけますと幸いです。

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  • 2023年07月31日 10:11

    藻場再生事業で、対象海域を拡大

    2022年から開始しています藻場再生事業で、対象海域を拡大して実施しています。ありがとうございました。

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  • 2023年05月01日 09:38

    R3年度ふるさと納税GCF寄附金を活用した「藻場回復事業報告」(その3)

    令和5年3月の調査の結果、対象海域の8%(当初目標5%)の面積に、ホン
    ダワラ、アカモク、ヒジキ、ワカメ等の海藻を再生させることができました。令和5
    年度も海域を拡大して再生事業に取り組んでいます。

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佐賀県NPO支援

私たちが活動する佐賀県玄海地区(唐津市、伊万里市、玄海町)は、好漁場でもある玄界灘に面しており古くから漁業が盛んな地域です。玄海国定公園にも指定され、多くの松原や自然景勝地に恵まれ、また朝鮮半島 などとの交流に関係する文化史跡も多く残っています。