子育て中のお母さんたちに聞いてみました~いただいた寄付金はすべて子育て支援に活用しています~

 豊後高田市の未来を担う子どもたちは大切な宝物。ふるさと納税で寄せられた皆さんからの寄付はすべて、子育て支援事業に活用させていただいています。 「どんな取り組みに活用されているの?」「そこに住んでいる人の声は?」  豊後高田市子育て支援事業の内容と実際の利用者の声をお届けします。

不安や孤独に寄り添い、温かくサポートしています

子どもをみんなで育て、お母さんたちを支える、つどいの広場「花っこルーム」

 市の子育て支援の中心となるのが、つどいの広場「花っこルーム」です。市内に3カ所あって、子育て中のお母さんたちがお子さんを連れて集まってきます。子どもが楽しく遊べるのはもちろん、お母さんたちが子育ての不安や悩みなどを話し合い、交流する場でもあります。同じ建物の中に市の子育て支援課があって、母子健康手帳を渡すのも、乳幼児健診を行うのもここ。子どもの保育園入園やお母さんの仕事復帰など、子育て中の人が何でもワンストップで相談できる場所になっています。

不安や孤独に寄り添い、温かくサポート

 花っこルームは今から17年前にできました。市内に住む清原さんは、当時0歳だった長女と一緒にルームを訪れたそう。「市外から嫁いで、こちらのことは何も分からないとき。周りに頼ることもできず“アウェイ育児”の孤独や不安を抱えていました。そんなとき、市の職員さんが公園で花っこルームのチラシを配っていました。それをもらったとき『こんな場所があるんだ』とすごくうれしかったですね」と振り返ります。

「花っこルーム」のスタッフは、利用していたお母さんたち!

 豊後高田市の子育て支援の取り組みの中心となっているのが、つどいの広場「花っこルーム」です。運営しているのはNPO法人「アンジュ・ママン」。フランス語で「天使のお母さん」という意味です。アンジュ・ママンのスタッフは、実は花っこルームを利用していたお母さんたち。子育て経験者ならではの、きめ細やかなサポートを行っています。

○経験者だからこそできる、きめ細やかなサポート

 アンジュ・ママンの施設長、小川さんは、花っこルームができた当初から利用していた一人。そこで出会ったお母さんたちとアンジュ・ママンを立ち上げ、「花っこルームに恩返しをしよう」と、市と一緒になって子育て支援の充実に取り組んでいます。大切にしているのは利用者の目線。「だからこそ、ルームのことをよく知っているお母さんに『スタッフになってくれませんか?』とお願いするんですよ」とにっこり。

○受け継がれていく温かい気持ち

 野村さんも、利用者からスタッフになりました。「市外で暮らしていたとき、長女と地元の子育てセンターに行ったら、ママ友のグループができていて行きづらかったんです。こっちに来て花っこルームに行くと、すごく明るくて、スタッフさんが名前を覚えて話しかけてくれてうれしくて。だから今は、利用者さんが来たなと思ったら、まだ遠くにいるときから手を振って、ちょっとでも来やすい雰囲気をつくるようにしています」と教えてくれました。

子育てにかかるお金の心配を少しでも減らしたい

5人目が生まれたら200万円! 誕生祝い金で子育てを応援

 豊後高田市は、お母さんやお父さんが子育てしやすいまちづくりを目指して、さまざまな支援事業を実施しています。その一つが「子育て応援誕生祝い金」。お子さんが生まれた家庭に「おめでとうございます!」という気持ちを込めて、お祝い金を渡しています。
 支給額は、1人目が生まれたら10万円。2人目が生まれたときも10万円。3人目が生まれたときには、4カ月後に10万円、お子さんが1歳になったら20万円、2歳になったら20万円と、合わせて50万円を支給します。第4子以降は、1歳、2歳、3歳に達した時に30万円ずつと、最大総額100万円の支給。さらに第5子以降は、最大総額200万円の支給を行なっております。

○1人育てるのに2千万円かかる!?

 市内に住む矢野さんは、小学生の長男、長女、幼稚園に通う次女、9カ月の三女の4人のお母さん。「4人目を授かったとき、母が『やった!100万円』と喜んでいました」と笑います。「子ども1人を育てるのに2千万円かかると聞いたことがあります。ずっと働き続けなければいけないと思っている中で、100万円は本当にありがたい。貯蓄して、子どものために大事に使わせていただきます」

○心から「ありがとうございます」

 誕生祝い金は、ふるさと納税で寄せられた皆さんからの寄付がもとになっています。矢野さんは「手厚い支援なので、市の財政が心配でしたが、ふるさと納税がもとになっていると知って『そうなんだ!』と。納税してくださる方には心から『ありがとうございます』という気持ちです」と感謝の言葉を口にしていました。

子どもたちに元気に過ごしてほしい

高校生まで、子どもの医療費は無料

 熱を出したり、けがをしたり。子どもはしばしば病院やクリニックのお世話になりますよね。豊後高田市は、子どもが病院などに通ったり、入院したり、歯医者さんに通ったりするときの医療費(保険が適用される分)を、すべて無料にしています。小学校に上がるまでのお子さんはもちろん、部活などでけがをする機会が多い、高校生までが対象です。
 市外の病院などにかかるときも、健康保険証と一緒に「子ども医療受給資格者証」を提示すれば無料になります。県外の病院にかかっても、いったん支払った医療費が戻ってくる仕組みをつくっています。

○つらい症状をがまんしない

「うちの子はアレルギーがあって花粉症」と話すのは、幼稚園に通う女の子のお母さん、谷槙さん。「でも症状が出たら、すぐに耳鼻科に連れて行って治してあげられます」。お子さんがつらい症状を我慢しなくていいように、医療費無料の取り組みが役立っていたら何よりです。

○「直接お礼が言いたいくらい」

 子どもの医療費を無料にする事業の財源は、ふるさと納税を通じて、皆さんが市に寄付してくださったお金です。小学生、幼稚園児、保育園児の3人のお子さんがいる野村さんは「子どもの歯が抜けて、切開が必要になったときも治療費を手出しすることがなく、申し訳ないくらいでした」と話します。「寄付してくれる方に直接会ってお礼を言いたいくらいです」。そう、感謝の気持ちを口にしていました。

子どもの健やかな成長にとって「食」は基本中の基本

市内の保育園、幼稚園から中学校まで、すべての子どもに無料で給食を提供

 バランスよく栄養を取りながら、食べることの大切さを学ぶことができる給食。豊後高田市の子どもたちはみんな、保育園、幼稚園、小学校、中学校と、無料でおいしい給食が食べられます。ふるさと納税で寄せられた皆さんからの寄付が、そのもとになっています。

○小さくない家計への負担

 毎月3千円、4千円とかかる給食費。お子さんが2人、3人といるご家庭にとって、負担は決して小さくありません。工藤さんには高校生、中学生、幼稚園児の3人のお子さんがいて、中学生の次男と幼稚園に通う長女が給食を利用しています。「年度初めに申請書に必要事項を書いて提出するんですが、そのときに1年間の給食費が分かります。『こんなに払うはずだったんだ』と思うと、ありがたいですね」と工藤さん。何かとお金がかかる子育て世代の家計にとって、大きな助けとなっているようです。

○「他の市は無料じゃないの?!」

 谷槙さんは幼稚園に通う女の子のお母さん。市外に住む職場の同僚と、子どもの給食費の話になったとき、「他の市は給食が無料じゃないの?!」とびっくりしたと言います。「その人はお子さんが2人いて、毎月9千円近い給食費を支払っているそうです。1年間で10万円近く払うことになるなんて。『豊後高田市は無料だよ』と言ったら驚いていました」

夢に向かって努力する子どもたちを応援

「学びの21世紀塾」を軸に進める「教育のまちづくり」

 豊後高田市は「教育のまちづくり」を目指しています。
 学びの21世紀塾は、2002年、完全学校週5日制が始まることを契機に設立した市営の塾です。子どもたちの土曜日の居場所として、学習塾などが少ない田舎でも、都会と同じように学ぶ機会を提供したい。経済的な理由で受けられる教育に差があってはならない。そんな思いでスタートしました。

無料で勉強、スポーツ、体験活動

 市内の子どもたちは自分の目標や興味に沿って、休みの日や放課後に無料で、国語や算数・数学、英語といった講座や、さまざまな体験活動、スポーツ教室に参加できます。指導するのは塾の先生や教員免許を持っている一般の方、指導する分野が得意な方、退職した学校の先生など。市を挙げて、夢に向かって努力する子どもたちを応援しています。

○「塾代を考えたらありがたい」

 3人のお子さんがいる工藤さんは、高校生の長男と中学生の次男が「土曜寺子屋講座」を利用。「塾代のことを考えたら、ありがたいですね」と話します。幼稚園の年中さんの長女もいて、「年長さんからは英会話教室も利用できるようになります」と教えてくれました。

○送迎もしやすく助かります

「毎年度、よくカリキュラムを考えてくれて、保護者が送り迎えしやすい場所で開いてくれるので助かります」と話すのは江藤さん。大学生、高校生の3人のお子さんが土曜寺子屋講座を利用しました。

地域の活力は『人』

 これまでご紹介した施策以外でも、豊後高田市では、妊娠期から子育て期の支援を一貫して行っています。
 〇妊婦健診無料
 〇妊産婦医療費無料
 〇産婦健診無料
 〇市内保育園の保育料、市内幼稚園の授業料が無料
 〇市内幼稚園の預かり保育が無料 etc
 ※それぞれの無料には条件あり

このまちに確かな未来を

 人口減少社会の到来により、地方の小さなまちは、少子化に悩んでいます。これから先、住む人がどんどん減っていけば、学校も商店街も地域のお祭りもなくなってしまう・・・そして、ふるさと自体の存続まで・・・
 地域の活力を産み出すのは『人』。
 大分県豊後高田市は、全国トップレベルの子育て支援を本気でめざし、その先にある人口増を目標にしています。

人口2万2千人の『小さな町』の『大きな挑戦』

 多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。
 「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」、そんな問題提起から始まり数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。
 人口2万2千人の『小さな町』の『大きな挑戦』に、全国の皆さんの心温まる応援をお待ちしております!