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2020/07/17 (金) 12:00

【後編】地元の甘酒「稲倉」誕生秘話 ~甘酒にも「ストーリー」が必要だ~

前回のあらすじ

「お酒に限らず、新富町の資源を活かしたオリジナル商品を作りたい」…そんな思いで新富町産のお米を使った甘酒づくりを始動した伊藤酒店の五代目店主・伊藤さん。
折よく出会った、新田地区の米農家・緒方利幸さんの協力を得てお米を手に入れることができましたが、1回の仕込みで必要になるお米の量は450キロ。緒方さん宅にあるお米はギリギリその量に足りていなかったのです。

「できるだけ一つのお米で作りたい…」
そう思っていた時、緒方さんが紹介してくれたのが、同じく新田は伊倉地区の米農家・河崎和美さんでした。

奇しくも、伊藤さんにとって河崎さんは消防団時代の大先輩。
相談したところ二つ返事で450キロものお米を即座に出してくれたといいます。

「稲倉」にぴったりの神話

河崎さんのお米を懇意の酒蔵に送り、いよいよ甘酒の醸造がスタート。
しかし、まだやるべきことが残っていました。

「モノ」はもちろんですが「コト」にも注目が集まる時代です。商品化するにあたり「ストーリーがいる」と思いました。

ここでも心強い存在になったのが緒方さんでした。一生懸命いろんな神話・民話・伝承を調べてくれて、最後は地元の人も知らないような話を掘り出してくれたんです。それが本当に甘酒にぴったりで…その上その伝承が載っていた本の著者の方にも許可を取ってくださいました。

ラベルにも採用されたそのストーリーがこちら。

山幸彦と新田

宮崎県新富町に「伊倉」という地がある。
昔は「稲倉」と言われ、その地には「クイチダ」という場所がある。
「国一田」という意味があり、ヒコホホデミノミコト(山幸彦)が初めてここに新田を拓いたことから、その地一帯を「新田(にゅうた)」と呼ぶようになった。(永井哲雄著『みやざきの神話と伝承101』より)

今回の仕込みで完成した甘酒は1703本。「コシヒカリのいいお米を使っているので絶対おいしくなるという自信はありましたね。完成品を初めて飲んだ時はしみじみとした思いがあふれてきました」と話す伊藤さん。
緒方さんをはじめ、農家さんと何回も話し合いながら完成へとこぎつけた念願の味です。

「稲倉」は、地元の農家さんを応援するものでもあります。全国の農家さんの平均年齢は約67歳。高齢化が進んでおり、新富町でも後継者がいないことに頭を悩ませる農家さんも少なくありません。
そんな時代だからこそ地元の農家さんと二人三脚で、お互いが笑顔になれるものをつくる。「稲倉」の完成はその大きな一歩になることでしょう。

五代目・伊藤寛人のこだわり

情熱ある本物の酒を取り扱いたいと日頃から心がけておりますので、『酒の味』と同時に『造り手』の想いものせてお客様に届けたいと思っております。
『楽しい乾杯とちょっとした感動』をモットーに、これからも『ニッポンのいいもの』を追い求めていきます。

――伊藤酒店HPより

ありがとうございます!これからも町のことをたくさんお伝えしていきます!

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