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熟練の陶工集団が手間をかけて作る 美しき伊万里焼伊万里陶苑(いまりとうえん)

〈窯元インタビュー〉伊万里陶苑:金子 秀樹さん

昭和43年、大量生産によって質の低下を憂慮していた日用食器のクオリティを高め、技術を伝承するため、日本人で初めて英国大使館で個展を開催した陶芸家の澤田痴陶人(米三)と、クラフトデザイナー岡本榮司を中心に設立された伊万里陶苑。高品質なものづくりを追及し、その意志と技術を受け継いだ陶工たちにより、現代のライフスタイルにあった日用食器や国内外のアッパークラスへ向けた製品を手がけています。

伊万里陶苑では、ロクロと鋳込を使い分けて生地(成形した焼く前の状態)を作成。鋳込の手順としては、泥漿(でいしょう、液体状の陶土)を石膏型へ手で注ぎ、石膏が吸水して陶土が型へ張り付くのを待ちます。40分ほど経って厚みがついたところで溜まった陶土を排出し、石膏型から外して1週間ほど自然乾燥させます。

圧力鋳込では上下で分かれる形の石膏型を作り、機械で圧力をかけながら泥漿を注入します。

ほぼ半世紀もの間、伊万里陶苑で陶工として働く平山さん。長年の経験を元に、その日の天気や温度・湿度から毎日同じ状態になるよう土と水の量を判断。早く乾燥する理想的な配分で泥漿を調合されています。

次に、焼く前の“生の状態” つまり手で持てる硬さに乾燥させてから、細部を整えます。型から抜いただけの状態から、型同士の接合部分に出来る「バリ」と呼ばれる不要な部分を特殊なカンナで取り除いたり、濡れた布を敷いた台へこすりつけて面を水平にしたりと、細かな作業が続きます。

丸みのある製品を整える工程は、同じく伊万里陶苑を長年支え続けている山口さんの担当。乾燥させた生地をロクロへセットし、見本と見比べながら反りや段差をつけ、厚みを統一させ、美しく使いやすい形へ仕上げます。

鋳込み成形でつくられる磁器は、石膏型から出した段階である程度の完成度が約束されているのだそう。しかし、カンナや湿らせた布で縁をなぞって滑らかな口当たりにする、持った時にしっとり手になじむよう細かく削るなど、陶工が一つひとつ手間を加え使い心地や形へこだわることで、伊万里陶苑の厳しい基準をクリアする製品が出来上がるのです。

伊万里大川内山にあるショールームでは日常使いのうつわが購入できるほか、海外のレストランでも使われている美しい食器が展示されています。
「近年は海外にも目を向け、Instagramなどを活用し積極的に発信しています。北米で14店舗を展開する和食レストランをはじめ、英語・中国語圏で伊万里陶苑の食器を使っていただいているのはとても光栄なこと。海外のデザイナーやインフルエンサーが我々のうつわへ盛り付けた料理写真や動画を投稿してくれた影響もあって、海外のお客様が増えています」と話す、代表取締役社長の金子秀樹さん。

「伊万里陶苑の磁器の裏面には『いまり』の屋号を記しています。せっかく伊万里で育ったのだから、我々のうつわを手に取ってもらうことで伊万里の名を世界へもっと広げたいと色々チャレンジしています。なかなか大変な時代ではありますが、やっていて楽しいですね」

伊万里陶苑
〒848-0025 佐賀県伊万里市大川内町乙1813-1
TEL:0955-22-3080
営業時間 10:00~16:30

伊万里陶苑の作品一覧