若手木工家たちの挑戦!AGEMATSU WOOD LIFE MAKING

平成30年度から活動している上松町地域おこし協力隊木工部(AGEMATSU WOOD LIFE MAKING)。町内の上松技術専門校を修了した若手木工家たちが、空き工房のリノベーションやオリジナルの木工品の製作、各種イベントの実施など、「木工での町おこし」をテーマに新たな取り組みに挑戦しています。彼らの活動と、ここでしか手に入らない返礼品をご紹介します。

木工職人を育成する「長野県上松技術専門校」

上松町には、昭和21年(1946年)から70年以上にわたり木工技能者を育成してきた「長野県上松技術専門校」があります。家具製作などの木工を学ぶ場としては国内でも有数の施設として知られており、毎年、木工を志す多くの人々が日本全国から集まり、鉋(かんな)や鑿(のみ)といった昔ながらの手道具の使い方から、木工機械による木材加工、木材に関する基礎知識、家具製作の手法を学んでいます。

しかし、修了後は、そのほとんどが県内外の家具工房に就職し、上松町に残る人はほとんどいないのが現状でした。そこには、「地域に就職先となる家具工房がない」「個人で工房を起業するスキル・ノウハウは技専では学べない」「町としての起業のサポート体制が整っていない」など、複合的な問題がありました。

MAKE OUR LIFE!

「技専修了後も上松町に残る選択肢をつくれないか?」そんな想いを胸に、2018年4月に上松技術専門校の修了生2名で発足したのがAGEMATSU WOOD LIFE MAKING(A.W.L.M.)です。地域おこし協力隊制度を活用し、技術専門校修了後も木工技術を磨きつつ、起業へ向けたスキルやノウハウを学ぶことのできる場をつくることで、未来の修了生たちに「木工で起業するなら上松町」と思ってもらえる町にしていくことを目標としています。

~ものづくりの拠点整備~

まず、最初に取りかかったのは自分たちの製作の拠点となる工房の整備。町内の空き工房を約1年かけて改修し工房として蘇らせました。地域住民の方々や技術専門校の訓練生にもお手伝いいただきながら進めた改修作業は、良い交流の機会となりました。改修後は新たな工作機械も導入し、製作できる木工品の幅が広がりました。

~本格的なものづくり始動~

1年目に整備した工房では本格的に木工制作も始まりました。『木と育ち』『木と暮らし』『木と生きる』をコンセプトに生活にそっと寄り添い、暮らしを豊かにする。そんなプロダクトの提案。町のふるさと納税返礼品も充実しました。
その他にも、町の保育園でつみきイベントや、児童養護施設の家具製作など、彼らの手が止まることはありません。

~人が集まる場所づくり~

上松駅前の空き店舗をリノベーションし、コミュニティースペースを整備しました。1年かけて行われたリノベーション作業には、県内外の学生や、地元の子供達も参加してくれました。

~特技を活かした 地域の魅力発信~

小中学校での木育活動や、町の自然を活かしたサウナ事業、音楽を絡めた木育活動、町内イベントでの催し物など、メンバー各々の得意分野と木工・木育をからめた特色ある活動で地域を盛り上げています。
地域おこし協力隊の任期は3年間。立上げメンバー2名の任期満了した4年目は、新たに3名の新メンバーが加わり7人体制に。
その翌年度も新メンバーが加わりました。上松技術専門校を卒業の後、4年間木工修行を経て協力隊として上松へ戻ってきたメンバーもおり、木材と木工の町がまたひとつ賑やかになっています。

A.W.L.M.の木工品

暮らしの中に寄り添うモノづくりを目指すA.W.L.M.。ウォールナットやチェリーといった家具製作では定番の素材をはじめ、地域の特産品である木曽ひのきや、町役場の新庁舎建設に伴い伐採された桜など、様々な樹種による製作に挑戦しています。そのほとんどが、一般販売されていないふるさと納税限定品。ぜひ、日々の暮らしの中に木のぬくもりを取り入れてみてください。

※A.W.L.M.の木工品は自然素材である木材を使用しているため、掲載されている画像と実際の製品とは木目等が異なります。ひとつひとつの製品の異なる表情をお楽しみください。