復興を思い、支え合う  熊本地震から生まれた新しい「共創」


平成28年4月14日、九州地方を大きな地震が襲いました。16日深夜に発生した本震で被害はより甚大に。

この地震では、災害関連死を含めると260名以上の方が亡くなり、住宅の被害は約20万棟にも上りました。
今なお仮設住宅などで約2万人が避難生活を送っており、引き続き、復興・復旧に向けた支援や対策が求められています。

熊本地震による被災地への支援はこちらから

目次

地域を超えて被災地を支える「共創」

被災した自治体に変わって寄付を受け付ける「代理寄付」


「代理寄付」とは、被災地の事務負担軽減や、迅速な対応を目的に、被災自治体に代わって寄付を受け付ける仕組みです。災害対応や、復興に追われる被災自治体に代わり寄付金受領書などの発送や受付事務などを担います。

茨城県境町 被災した経験をもとに全国に先駆けて「代理寄付」の受付開始

当時ふるさと納税を担当をしていた 茨城県境町役場 栗原千恵さん

境町は2015年の9月に起きた関東・東北豪雨で被災し、1名が亡くなり、床上・床下浸水493棟など大きな被害を受けました。復興のため全国の皆様から「ふるさと納税」によるご支援をいただきました。

その恩返しの意味も含め熊本地震被災地の皆さんの助けになりたいと思い、また、被災した熊本県に極力負担がかからない支援方法を考え、ふるさと納税を活用した支援金の代理受付を本震発生のその日に全国に先駆けて行いました。

代理寄付の広まり

代理寄付の広まり

代理寄付の仕組みは、熊本地震以降も全国で活用されています。

2018年に発生した「7月豪雨」では約8億円、「北海道胆振(いぶり)東部地震」では2億5千万円超が代理寄付を通じて被災地に届けられました。

災害大国日本で、ふるさと納税による災害支援はもはやなくてはならないものになっています。被災地にとって、ふるさと納税の寄付や、温かい応援はとても大きな力になります。

今なお復興に向けて取り組む被災地に、継続したご支援をお願いいたします。

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代理寄付のはじまりのストーリーはこちらから

 

輪島塗職人が生んだ新しい伝統工芸の「共創」

精魂こめた作品を失った熊本の陶芸家たち

この地震の影響は、人的被害のみならず、たくさんの歴史的重要物を壊し、さらには多くの個人の方々の大事な物までも壊してしまう結果となりました。

その中には、精魂をこめて完成させた大事な作品を失ってしまった陶芸家たちがいました。

輪島市の職人が伝統の「金継ぎ」の技術で、破損した陶器を美しく再生


「割れてしまった陶器を、復興の想いをこめた器に再生したい」という有志が集まり、立ち上がったのが、「KUMAMOTO UTSUWA REBORN PROJECT」です。

地震によって割れてしまった陶片を漆と金粉で接合する「金継ぎ」と呼ばれる技術で修復し、復興への想いを込めて新しい器として甦らせるこのプロジェクト。被災地の陶芸家を元気づけることができるなら と、輪島塗の職人達が全面的に協力しました。

生まれたのは、美しく輝く新しい「共創」


数か月に渡る作業の末、待望の器が完成しました。生まれたのは異なる陶片が輪島塗の金継ぎでひとつに融合された力強くて美しい茶碗。

熊本、そして輪島の職人達が協力して「熊本地震」という災害に負けず、地域を超えて支え合い、新しい伝統工芸の「共創」を生んだ瞬間でした。

この取組によって生まれた作品達

茶碗「繕桜(よしざくら)」

茶碗「繕桜(よしざくら)」

熊本地震で被災した5人の陶芸家たちの陶片を元に、「呼び継ぎ」の技法で茶碗として再生しました。

茶碗の黒の部分は輪島塗の椀の木片で、そこに描かれた蒔絵の花びらは熊本城の桜をイメージしています。

輪島塗職人の高い技術により新しい形として甦った茶碗です。

茶碗「阿蘇(あそ)」

茶碗「阿蘇(あそ)」

熊本地震で破損した濃緑の抹茶碗。この深みある緑に熊本の大自然、阿蘇地方を見ました。

阿蘇の豊かな湧水群や滝を螺鈿細工で、今なおうごめいている阿蘇山のマグマを金継ぎと漆で表現しました。

阿蘇への感謝と畏怖という2つの思いが込められた作品です。

茶碗「茶入(ちゃいれ)」

茶碗「茶入(ちゃいれ)」

この作品の一番の特徴は、熊本県八代市に脈々と伝わる髙田焼の技術「象嵌」と、輪島塗に綿々と続く装飾技術「沈金」という両地域の卓越した職人技のつばぜり合いです。

陶片の割れ目から漆器に続く面にかけて、滞ることなく同じ文様で金の装飾を施しました。

花器

花器

熊本地震で被災した5人の陶芸家たちの陶片を元に、大型の花器に再生しました。

割れてしまった陶磁器は捨てられてしまうのが運命です。

野花の咲く捨て場にばら撒かれていた陶磁器の破片を、つなぎ合わせて花器と成す。野趣溢れる作品です。

当時ふるさと納税を担当をしていた石川県輪島市役所 新谷 益巳さん

このプロジェクトは「未来につながる事業」にしたいと思い実施しました。

陶芸家の方々、輪島塗職人達、そして、寄付者の方々全員が、「被災地を元気づけたい」「災害に負けず新しい価値を生み出したい」そういう気持ちに溢れていました。

地域や人が支え合い、つながり合えば、災害に負けず新しく何かを生み出すことができる。多くの方にそう思っていただけたプロジェクトだと思います。

 

ふるさとチョイスのガバメントクラウドファンディング®

このプロジェクトはふるさとチョイスの「ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)」を活用し、全国の多くの方から支援をいただきました。

ガバメントクラウドファンディング®は、自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄付金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄付を募るサービスです。

すべての寄付がふるさと納税の対象となり、支援したいプロジェクトを応援することができるこのガバメントクラウドファンディング®を活用して、皆様もぜひ地域を応援してみませんか。

 

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