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【災害支援】代理寄付受付を通じて広がった、被災地支援の輪

災害時に、被災していない自治体が、被災自治体に代わり寄付金を受け付けることで、被災自治体の業務の負担を大幅に減らし、いち早く皆様からの支援を被災地自治体に届ける「代理寄付受付」。この仕組みが広まったのが、平成28年4月に発生した、熊本地震のときでした。

混乱状態の被災地に代わり、他の自治体が寄付を集める

災害支援としてのふるさと納税活用には、新たな潮流も生まれています。発端となったのは2016年4月の熊本地震。発生直後から被災地を支援する動きが活発化する中で、「代理寄付受付」というスキームが登場したのです。 災害発生直後の自治体は、住民の安否確認や避難所の設置・運営などといった対応に追われ、寄付に関する作業には手が回らないもの。そこで、他の地域の自治体が寄付の受け付けを代行するという新たな試みが行われたのです。その先陣を切ったのが、茨城県境町でした。

2015年9月、境町では記録的な豪雨により利根川の支流が決壊し、地域の約1割が水没するという深刻な被害に見舞われました。その際、「ふるさとチョイス」の「災害時緊急寄付申込みフォーム」を通じて寄付金が集められた経験から、同町の橋本正裕町長は熊本地震の被災地に代わって寄付金を集めることを即決。本震発生の12時間後には早くも受け付けがスタートし、寄付金受領証明書の発行などの事務作業を境町の職員が担いました。

すると、境町に続いて代理寄付受付を始める自治体も現れ、最終的にはその数が40以上になりました。被災した自治体も徐々に「災害時緊急寄付申込みフォーム」を開設。その結果、地震発生から約2週間で合計5億7000万円以上の寄付金が集まり、総額ではなんと18億円以上に上りました。

「実際に災害直後、被災地は大混乱に陥っており、とても対応できる状態ではありませんでした。そんなときに寄付金を代理で受け付けてもらい、本当にありがたかったです」と、被災自治体の職員は述懐しています。

熊本地震で代理寄付を受け付けた自治体

涌谷町、茨城県/行方市・古河市・境町、栃木県/鹿沼市、埼玉県/鶴ヶ島市・美里町、群馬県/片品村、千葉県/いすみ市・市川市・木更津市・南房総市、東京都/狛江市、石川県/輪島市、福井県、愛知県/知立市、滋賀県/甲良町、大阪府/池田市、兵庫県/朝来市・淡路市・西脇市、鳥取県/鳥取県・琴浦町、岡山県/備前市、徳島県/鳴門市、高知県/室戸市、愛媛県/松山市、福岡県/宗像市、佐賀県/小城市、長崎県/新上五島町・平戸市、宮崎県/綾町・諸塚村、鹿児島県/大崎町・鹿屋市・薩摩川内市・志布志市・十島村 (順不同)

災害復興に着想された、ふるさと納税

実は、ふるさと納税が被災地の支援に有効なのは当然ともいえます。なぜなら、ふるさと納税はもともと災害復興のために着想されたものだからです。2004年7月に福井豪雨の災害が発生した際、その対策本部に匿名で1等2億円の宝くじ当選券が届けられ、全国からボランティアも集結しました。

こうした他地域との結びつきを制度化することを、福井県の西川一誠知事が新聞で提言したのを機に、ふるさと納税の構想が始まったのです。とかくお礼の品に目が向けられがちですが、「困っている人を支援する」という目的がふるさと納税の根幹にあるわけです。実際、災害時に寄付を行った人たちからは、「お礼の品はいらないから、とにかく被災地を応援したい」「少しでも役立てて」といった声が多数寄せられて、被災者のもとにも届いています。

輪島市では、「金継ぎ」技術で熊本の陶芸家たちを支援

熊本への支援は一時的な活動にとどまりませんでした。前出の境町はふるさと納税のお礼の品に熊本県の特産品を採用する取り組みを始め、引き続き被災地をフォローアップしています。

また、石川県輪島市は熊本地震で壊れた陶磁器を伝統工芸の「金継ぎ」で蘇らせるプロジェクトを立ち上げ、ガバメントクラウドファンディング(GCF)によって資金調達を行いました。「金継ぎ」とは輪島塗の技法の一つで、破損した陶磁器を漆でつなぎ合わせたうえで、補修した部分を金で装飾するというものです。その陶磁器の美に、補修によって施された金の模様が加わることで、新たな魅力がもたらされます。輪島市漆器商工課の新谷益巳さんは、これを企画した背景について次のように説明します。

「熊本には精魂込めて完成させた作品が地震で壊れ、つらい経験をした陶芸家たちがいます。その陶片を輪島塗の職人が預かり、『金継ぎ』などの技法で修復するだけでなく、『新たな美』を宿す器として再生させたいと考えました。輪島市も2007年の能登半島地震を経験しており、『地震に負けるな!』という想いを伝えたかったし、輪島塗職人の技を器に込めて被災地を元気づけたかったんです。そして、被災地同士の陶芸家と職人が交流することで、新しい工芸品を生み出す機会にしたいと思いました」

このように、ふるさと納税は災害発生時に極めて有効な支援手段です。代理寄付受付の輪は今夏の「平成30年7月豪雨」でも広がり、2週間で10億円以上の寄付が集まりました。さらに新たな取り組みも加わり、ますます積極活用されるでしょう。

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