【事業者】農作物を村外の人に食べて欲しい! 寄付者と生産者の架け橋に

沖縄県今帰仁村(なきじんそん)は、沖縄本島北部に位置しており、豊かな自然に恵まれた地域です。「フルーツの村」とも呼ばれ、スイカやマンゴーなどの果物が人気のお礼の品となっています。
お礼の品の出品を仲介している今帰仁村商工会の会長・島袋松男(しまぶくろまつお)さんは、「そもそもふるさと納税とは?」というところから、地道に農家に対する呼びかけを行ってきました。
それ以外にも、商工会独自のアイデアを詰め込んで、生産者と寄付者の距離を縮める工夫をしています。
手づくりの温かみを大事にします

「『記憶に残る何かを』ということで、自分たちでお礼の品のパンフレットやポストカードなどを作成して、一緒に送付しています。デザインも外注はせず、自分たちで手掛けています。リピーターの方にも常に楽しんでもらえるように、その時々の村の景色や花など、同梱するポストカードに使う写真も差し替えていました。最近では、パンフレットに生産者の皆さんの写真や情報を掲載。さらに、返品対象となる基準や返品の方法も掲載しました。文字だけではなく、生産者の顔が見えると、お礼の品をもらう人も安心できるんじゃないかと思ったんです」とふるさと納税担当の渡具知由美子(とぐちゆみこ)さんは語ります。
手元に届いたマンゴーの化粧箱を開封すると、うっとりするほどの甘い香りとともに、「ハートのマンゴー」の写真がすぐに目に入り、寄付者に沖縄を感じてもらえるようにしました。こうした商工会の細やかな工夫が、今帰仁村のお礼の品の人気を陰で支えています。
「遠方の方にも村の特産品を楽しんでもらい、地元の農家について知ってもらえる機会が増えたのは本当によかったです。農家と寄付者との間でつながりができれば、直接農作物を購入するきっかけにもなります。いつか、『寄付者の方から直接お問い合わせの連絡が来た』という報告が農家さんから聞けたらうれしいです」(渡具知さん)
お礼の品には、もっと今帰仁村のことを知ってもらいたいという商工会の想いが込められています。