2019/06/19 (水) 10:55
夕張市に根付く「幸福の黄色いハンカチ」
夕張市役所ふるさと納税担当の佐近(さこん)です。
映画「幸福の黄色いハンカチ」ご覧になったことはありますでしょうか。
公開40周年を迎えた山田洋次監督の不朽の名作です。
(そんな私も数年前に初めて観ました)

映画のラストシーンは、黄色いハンカチがはためくこの場所。
「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」にロケ地が保存されています。
高倉健さんを偲びに訪れるファンの方も多く、半年で2万人以上が来場されます。

ハンカチひろばの魅力は、なんといってもこの黄色い付箋で埋め尽くされたこの場所。
来場者は幸せのメッセージや願いを込めて、壁に貼っていくのです。
一つ一つのメッセージを見ると、
「おじいちゃん、いつまでも元気でいてね」、「家族がみんな健康でありますように」といった、自分ではなく周りの人を想うメッセージが大半を占めています。
普段、家族の健康を願うことってありますか。
家族を大切に想うことができるこの場所はきっと、後世に残していくべきだ。そう考え、数年前にリニューアルプロジェクトを担当しました。

リニューアルにあたっては、ただの映画のロケ地とするのではなく、映画を知らない世代にもメッセージが伝わる場所にしたいと、札幌の東海大学生と連携して実施しました。
テーマにしたのは、「幸福(しあわせ)を考える場所」です。
幸せってなんだろう。家か、車か、お金か。
それだけではないはずです。幸せのカタチは一人一人異なると思いますが、自分なりの答えを見つける場所にしたい。そう考えました。

展示室は、映画の展示だけではなく、市民の皆様から写真を集めて、昔の夕張と今の夕張の幸せの写真を壁一面にデザインしました。
「幸せの瞬間」というテーマで写真を集めると、子どもや友人、家族との「笑顔」が多く集まりました。
今も昔も変わらない、幸せの姿を感じることができます。
そして、この展示室のメインには、
実現したことが驚きですが、なんと山田洋次監督に直接インタビューをした映像が展示されています。
山田洋次監督が「幸せ」を映画でどう描いているのか、ぜひ来場して確認してみてください。


ひろば内には、カフェもできました。映画のロケをしていたときから、この場所を見守り続けてきた浜松理容院を改修してつくりました。
浜松さんは演者さんにも愛され、ひろばを訪れる人にも愛された方といいます。
そんな浜松さんがまだいるような、「帰ってくるところ」に感じてもらえると嬉しいです。
ハンカチひろばのリニューアルの費用は、ふるさと納税を活用させていただいています。

夕張市には、山田洋次監督が伝えたかった「幸福の黄色いハンカチ」のメッセージが根付いています。
誰かを迎えるとき、誰かを見送るとき、黄色いハンカチを振って想いを伝えます。
3月にJR石勝線夕張支線が廃線になったときに、市民の方々が黄色いハンカチを振って見送っていたのは印象的でした。
ここまで読んでいただいた方は、「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」行ってみたくなったのではないでしょうか?
ぜひ一度来て、見て、感じていただきたいです!

地域振興課 佐近(さこん)
ふるさと納税担当5年目になりました。