2026/03/25 (水) 12:00

〈カリモク家具〉の工場に潜入! 第3回:東浦カリモク編

ふだん何気なく使っている木の家具は、どこで、どのようにつくられているのか。特集「カリモク家具の工場見学」では、ふるさと納税の返礼品としても人気の高いカリモク製品がどのような工程を経てつくられているのかを、全3回にわたってご紹介します。今回はその最終回(第3回)です。

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カリモク家具について

1940年創業の国産家具メーカー。「品質至上」の理念のもと、資材調達から製造・販売まで一貫して手掛け、世代を越えて使い続けられる“ロングライフ家具”をつくり続けています。さらに、「木とつくる幸せな暮らし」をミッションに掲げ、暮らしに寄り添う家具づくりを追求。主要拠点のひとつである愛知県東浦町の工場では、多くの代表製品が日々生み出されており、〈カリモク家具〉のものづくりを支える重要な生産地となっています。

総張工場とは

クッションを革や布で包み込む「総張り」の専門拠点・〈総張(そうばり)工場〉。ソファや総張りチェアなど、木部が見えないタイプの家具を中心に手がけています。カリモク家具が家具づくりをはじめた1960年代は、総張椅子が高級椅子として位置づけられていました。当時も今もソファを美しく張り込む作業には、技術力がいる仕事は今日でも変わりません。この記事では、ふるさと納税返礼品として提供される家具が、〈総張工場〉でどのように完成していくのか、その舞台裏を見学レポートとしてお届けします。

ひとつずつ仕立てる「受注生産」スタイル

〈総張工場〉では、「在庫してあるものをそのまま出荷する」という作り方ではありません。お客様からのオーダーを受け、色や張地を一つずつ確認してから生産する「受注生産」がベースです。どの張地で、どの色で、どのステッチ仕様で……といった組み合わせをひとつひとつ指示データに落とし込み、それに合わせて裁断・縫製・張り込みを進めていきます。

工場内で大切にされているのが、“次工程はお客様”という考え方。裁断担当は“縫う人”のことを、縫製担当は“張り師”のことを、張り師は“実際に座るお客様”のことを思いながら仕事を進める――。その積み重ねが、「届いた瞬間からしっくりくる」座り心地につながっています。

ハイテク裁断 × 職人の“ハイタッチ”

張地には、本革・布・合成皮革などさまざまな素材があります。たとえば一枚の革でも、背中・おなか・脇まわりといった部位によって、革の伸び方や硬さは大きく異なります。総張工場では、素材一つひとつの個性を見極め、常に最適な選択を行っています。

カリモクの総張工程では、素材が本来もつ魅力を引き出しながら形にするため、デジタル技術を積極的に導入しています。大判の布地をカメラやセンサーで読み取り、複数のソファのパーツを同時にレイアウトして無駄なくカットする「自動裁断機」、牛革の傷や表情からソファに使える部分をデジタルペンで区分けする「革のデジタル管理」、夜間にAIが歩留まりを考慮した裁断パーツの組み合わせを計算する「ネスティング」などです。

こうした“ハイテク”で歩留まり(素材の利用率)を最大化しながら、最終的な判断は人の目と手で行います。「傷をどこまで許容するか」「どの部分を見えるところに使い、どこを目立たない部品に回すか」といった判断は、すべて職人の経験と感覚。「全部機械」「全部手作業」ではなく、素材の特性に合わせて最適な役割分担を選ぶ――。それが、カリモク流の“ハイテク× ハイタッチ”です。

「座り心地」をつくりこむ技

ソファや総張りチェアの心臓部となるのが、内部のウレタンクッションです。カリモクでは、クッション材となるモールドウレタンを自社で発泡成型しています。座面・背もたれ・肘部分など、部位ごとに密度や硬さを調整し、骨盤をしっかりと起こし、腰椎を支えるカリモク独自の座り心地研究がソファをはじめとした製品づくりに活かされています。

よく体重がかかるところは「しっかり支える硬さ」。包み込まれるような感覚がほしいところは「少し柔らかめに」。細かくチューニングされたクッションを、熟練の張り師が一瞬で“キュッ”と入れ込み、布や革をかぶせていきます。

ここで問われるのは、三次元の丸みをきれいに出しながら「シワを出すべきところ/出してはいけないところ」を正確にコントロールする技術。「角が死なないようにワタを入れて形を整える」「一度で決めないと革やウレタンを傷めてしまうため迷いなく張り込む」「デザインとしてあえてシワを残すものは、その“表情”をきれいに出す」など、“家具づくりのプロ”ならではの匠の技で、丁寧に仕上げていきます。

工場内では、パートや技能レベルに応じて帽子やライン、バッジで区分されています。中でもバッジは「技能者(マイスター)」の証でもあります。

長く使うことを前提に

総張工場の敷地内には、修理専門のメンテナンスエリアもあります。長年使われた椅子やソファの張地の張替え、ウレタンやバネの交換、木部の再塗装などを行い、「思い出のある家具」をもう一度使えるように蘇らせる場所です。

革は「世界最古のリサイクル素材」ともいわれ、きちんと手入れをすれば、何十年と使い続けることができます。カリモクが大切にしているのは、「買って終わり」ではなく、「直しながら長く付き合う家具」であること。ふるさと納税の返礼品として届く家具、その先の時間まで見据えて作られているのです。

おわりに

〈総張工場〉は、「座り心地をかたちにするための仕立てと仕上げ」を担う場所です。ふるさと納税の返礼品として届く家具には、これまでに紹介した木工・塗装・張り・メンテナンスまでを貫く一連のものづくりの思想が込められています。「長く使える家具を選びたい」「暮らしの中で、ふるさとや地域を感じたい」そんな方にこそ、ここ愛知県東浦町から届く〈カリモク家具〉の座り心地を、ぜひ一度体験していただきたいです。

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