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2023/06/23 (金) 13:52

Interview vol.1 「精炻器が、好き。」-ふくべ窯 / 劒 真澄さん

陶磁器メーカーに勤める劒雅明さんと真澄さんは、美濃焼の量産型窯業の一翼を担う傍ら、「ふくべ窯」として精炻器(せいせっき)と呼ばれるやきものの技術を用いて器の制作も行っている。
精炻器を制作することになったきっかけや、活動の場を広げる原動力について真澄さんに話を伺った。

精炻器の世界に魅了された

幼いころから趣味でイラストを描くのが好きだったという劔さん。趣味を仕事に生かせるデザインの仕事がしたいと、窯業の世界に足を踏み入れた。多治見市陶磁器意匠研究所を卒業後、土岐市内の大手メーカーに就職し製造に携わる日々の中、転機となったのは、あるやきものとの出会いだった。研究所を卒業して3年ほどが経った頃、同じく陶磁器関係に勤める、現在の旦那さんに”精炻器”というやきものの存在を知らされる。精炻器の魅力にすっかり惚れ込み、精炻器の技法について研究・継承を行う”精炻器研究会”に入会。デザイン・絵付けの仕事をメインとしていた雅明さんも活動に誘うことに。「二人とも精炻器の世界に魅了されたんです。」

二人で考えて、二人で作業する

結婚を期に土岐市に移住したのは、精炻器の存在を知って数年が経った頃だった。やきものを焼き上げるための電気窯が置けて、愛猫2匹と心地よく暮らせる場所を探し求めた結果、土岐市に辿り着いたという。2014年頃、土岐市を拠点にふくべ窯としての活動を開始した。作陶は雅明さんと二人三脚の作業。日々の作業と平行して、作品の幅を広げるため、新しいデザインも考案するという。「なかなか新しいものが形にならないので、苦しむんです。」試作したデザインを3年以上かけて形にすることもあるのだとか。それでも、一人で作陶するよりも相談できる相手がいることが心の支えになっているという。

料理を盛りたいな、と思ってもらえる器を

作品を生み出す上で大切にしていることは、日常の中で使いやすい器あること。活「料理ってめんどくさいと思うので、このお皿にこの料理を盛りたいなって思ってもらえるのが一番嬉しいです。」ファンやリピーターの方はもちろん、ふくべ窯の存在を知らない人にも作品を手に取ってもらえる機会として、年に数回、日本各地で開催されているイベントに出店している。イベントの出店時には、同じくものづくりを行う他の出展者さんとの出会いも楽しみの一つだという。甘いものも辛いものもお酒も大好きだと語る真澄さんには、現地でのグルメ巡りも欠かせない。

精炻器というやきものが、本当に素敵だと思った

精炻器の技法を後世に残すため、”精炻器ラボ”の活動も行う。精炻器の技法を用いて作陶を行う、精炻器研究会代表の曽根洋司さん・アダチノポタリさんと一緒に活動を始めた。ふくべ窯としての作品は、主に花などをモチーフに施したかわいらしい絵付が特徴的で、特に女性に手に取ってもらう機会が多いそうだが、精炻器ラボの作品をイベントに出品すると、作品を手に取る人の幅が広がることを感じるという。「精炻器は、このやきものが本当に素敵だと思って始めたので、技法を残したいというのがある。」

美濃焼だからこそできる試み

土岐市に活動の拠点を移したことをきっかけに、美濃焼おかみ塾のメンバーとして美濃焼の魅力をPRする活動も開始した。活動を通じて出会ったご縁が、新しい作品を作るきっかけになることも。最近では、土岐市内のある窯元さんに、花瓶の生地を提供してもらい、新しいデザインの作品を生み出したとしう。窯元それぞれの得意分野による、分業制で成り立つ美濃焼の業界だからこそ実現できる試みの一つだ。今後ふくべ窯が生み出す作品の数々には、これまで以上に目が離せなくなる。

「好き」が身の回りに溢れている。その様を自然体で楽しそうに語ってくださった真澄さんの姿は、とても輝いて見えた。

profile:劒真澄さん

岐阜県瑞浪市出身。多治見市陶磁器意匠研究所を卒業後、陶磁器デザイナーとして窯業に従事。結婚を期に土岐市に移住し、2014年頃に旦那様の雅明さんと二人で「ふくべ窯」としての活動を開始した。

返礼品はこちら

椿 マグカップ・20cmリムプレートセット

黒、緑、白、茶のマットで落ち着いた色合いで椿を表現しました。日本のものでありながら、どこか異国の雰囲気を持つ精炻器の魅力を感じていただければと思います。

花水木(トルコ)カップ&15cmプレート

透明感のある水色の化粧土の上に花水木の花を描きました。
化粧土による柔らかな絵付けが美しく、涼やかでありながら精炻器のあたたかみを感じる味わい深い器です。

応援ありがとうございます!

土岐市ふるさと納税担当:manami.f

土岐市生まれ土岐市育ち。食器棚に収まりきらないほどのやきものを集める、器コレクター。最近結晶釉の器に目がありません。

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