【地域活性化】寄付金を活用して創業支援。お礼の品の人気事業者も誕生

長崎県平戸市は、地域の活性化を目的に、ふるさと納税での寄付金の一部を新しく事業を始める人の創業支援に活用しています。その一環として2015年から毎年、「平戸起業塾」というセミナーと、個別の相談会を開催。さらに寄付金を原資とし、起業する人に補助金の助成も行っています。

これまでのセミナーの参加者はのべ467名、個別相談会の参加者はのべ84名。その中から実際に、17人が起業しました。

子育てママが人気スイーツ店のオーナーに

その中の一つが「心優 - Cotoyu Sweets -」。普通の主婦だったオーナーの小値賀布美華(おぢかふみか)さんがオープンしたスイーツ店です。
自社ECサイトを運営し、人気の商品はキャラメルブリュレ。発売後8カ月で約1万本を販売しました。

彼女の転機は、母親になったことでした。「過疎化が進む平戸で成長していく子どもは、狭い価値観の中で生きることになるかもしれない。でも今は色々な生き方を選べる時代です。それを自ら行動を起こすことで『未来は自分で自由に創ることができる』と自分の子どもに伝えたかったんです」と、小値賀さんは言います。

そんなときに出合ったのが、平戸市の創業支援制度でした。知識面では個別相談会で中小企業診断士などがサポートしてくれるうえ、資金面では市の助成制度を利用できます。小値賀さんは、子育てが最も大変な時期にもかかわらず、「今しかない最大のチャンス」と2016年起業に踏み切りました。

開店後は、独学で勉強と挑戦を繰り返す中、平戸市の特設サイトの取り組みが、お客様の反応を知ることができる絶好の場だと、テストマーケティングに活用。期間限定のお礼の品を出品し、どんな商品が寄付者から支持されるかを試しました。その中で人気の高かったキャラメルブリュレを、翌年から通年のお礼の品として改めて出品。すぐに人気となり、市のふるさと納税スイーツ部門で1位となりました。

寄付金を活用したサポートにより生まれた事業者の商品が、今ではふるさと納税のお礼の品に採用され、人気を集めているのです。

なめらかな食感の看板スイーツ・キャラメルブリュレ。
長崎県産の希少卵と、平戸市唯一の酪農家が作るミルクを使用しています。

長崎県平戸市のふるさと納税について

 「今こそ知りたい!ふるさと納税、ホントのところ」の詳細を見る