米から酒へ 五蔵が醸す岩国の味

岩国市が誇る五蔵が醸す日本酒の数々。それぞれが個性を磨くことで高め合ってきた味わい。 その繊細な味と香りは岩国市が世界に誇る文化です。

岩国市出身の歌手であり日本酒唎酒師の資格を持つ山口瑠美さんは、市内5つの酒造で造られる地酒をこよなく愛し、その魅力を多くの人に伝えている。

「岩国のお酒は味が素晴らしいのはもちろん、それ以上に蔵ごとの理念と造った人の思いを感じるんです」

幼少期から岩国のお酒しか飲まない父親を見て育って山口さん。岩国の地酒への愛情は人一倍強い。仕事で日本各地を訪れた際、岩国の地酒がお店に置いてあるのを見ると、うれしくなりつい注文してしまうという。


「お酒はつくられる土地土地でだいたい味の方向性が決まるんですが、岩国のお酒は蔵ごとに個性があってそれぞれがおいしいんですよね」

五蔵の地酒の特徴は一口には語れない。磨き、無濾過、酒質に応じた仕込み水の使い分けなど、蔵ごとに酒造りのこだわりは異なる。そのこだわりはそれぞれの酒の味に表れ、飲む人を魅了する。

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「我々5つの酒造は競い合っているわけではないんです」



岩国のとある酒造を訪ねた際に蔵元が口にした言葉だ。
蔵としての誇りと気概を象徴するこの言葉を山口さんは今でもわすれない。蔵同士がお互いを意識して競い合うのではなく、それぞれがおいしいお酒を追求する。これこそ岩国市が全国でも名高い酒処となったゆえんかもしれない。

八百新酒造

山口県の東部を流れ瀬戸内海に注ぎ込む錦川。明治10年(1877年)に始まる八百新酒造の歩みは常にこの川の流れとともにありました。河口近くに位置する酒蔵の前にはかつて船着場があり「雁木」と呼ばれる階段状の桟橋から、上流より水路運ばれてくる酒米が水揚げされていました。
雁木は八百新酒造の原点にして原風景。
そして雁木をめぐる水際には様々な“いのち”が息づいています。私たちは「水際にいのち生まれる」を合言葉に、ひとつひとつの酒のイメージを「鶺鴒」、「ゆうなぎ」、「みずのわ」、「ひとつび」とサブネームに謳い、思いを込めて“いのち”を造り続けています。
(八百新酒造 五代目蔵元 小林久茂)

酒井酒造

明治4年(1871年)創業。「五橋」の酒名は、錦川にかかる五連の反り橋「錦帯橋」に由来し、優美な錦帯橋のように心と心をつなぐ願いを込めて名付けられました。
昭和22年、硬水仕込みが主流の時代に軟水仕込みで全国新酒鑑評会第1位を獲得し注目を集めます。
酒造りの信念は「当たり前のことを当たり前にやる」
原料米はすべて山口県産米を使用し、平成27年には自社農業法人を設立。「酒造りは米作りから」を実践しています。仕込み水は硬度1.6の超軟水・錦川伏流水。杜氏をはじめ蔵人も山口県出身にこだわり、「米」「水」「人」すべてが山口県産の本物の地酒です。
(酒井酒造 六代目蔵元 酒井秀希)

村重酒造

昭和26年に明治初期創業の名門・森乃井酒造株式会社を継承して以来、「品質第一」をモットーに、手造りの良さを活かした酒造りに専心して参りました。
その基本理念を守りながら、これからもまず地元の皆様に愛され、親しまれる酒を造っていく所存でございます。
それと同時に「次代に輝く究極の日本酒を造っていく」ことも、目指す新たな未来への挑戦であり、使命です。
自由な発想で食事と一緒に楽しむ味わい重視の食中酒造りにこだわっています。

獺祭

より美味しい酒を探求し、変化し続ける事が新しい伝統を創ると考え、わたしたちは酔うためではなく、楽しむためのお酒を求めて、「美味しい」と信じる純米大吟醸「獺祭」を醸しています。
日本一の人数となる220人の蔵人が、日々酒造りの進化に挑戦し続けています。
2023年春にはニューヨークに酒蔵が完成。
アメリカでも日本と同様に山田錦のみ、純米大吟醸のみのDASSAI BLUEを醸造開始。また、将来の月面における生活の質向上を目的とした、月面での酒蔵建造と獺祭の醸造を目指す「獺祭MOONプロジェクト」を始動。
山口県岩国市の山奥にある酒蔵で造られた獺祭は現在世界約30ヵ国以上で愛され、人生に楽しみと彩りを与える酒蔵であることを目指しています。
(獺祭 四代目蔵元 桜井一宏)


「岩国の地酒はいつでも飲む人の心を温めてくれます。五蔵の日本酒がこれからも地元の人から愛され続けるおいしいお酒であってほしいです」

終始ほころんだ表情で語る山口さんからは、地酒への深い愛がうかがえた。