日本の最果て、小さな島の物語を届けたい。
日本海にぽつんと浮かぶ、周囲60キロのまるい島。北海道最北の利尻島です。島の真ん中には標高1,721メートルの利尻山。海から突き出すその姿から、アイヌの言葉で「高い島」を意味する「リイ・シリ」と名づけられました。ふたつの町に約4,000人が暮らすこの島には、季節ごとにまったく違う顔があります。
春 ─ ある朝、野鳥の声で目が覚める。
雪が溶けて道に水たまりが増え、灰色だった空に晴れ間が戻ってくる。ある朝、ふわっと磯の香りが風に乗ってきて、野鳥の声が響き始めたとき、ああ春だ、と気づきます。
やがて南浜湿原のシダが一斉に芽吹いて、島が真緑に変わっていく季節です。
夏 ─ 島中が、干す。
漁師たちは夜明け前に起き出し、まだ薄暗い海へと出航します。昆布を一本一本引き上げ、浜に戻ると家族や仲間たちと一緒に昆布を干し始める。太陽が高くなる頃には、海沿いのあちこちに昆布が広がって、島全体が昆布と磯の香りに包まれます。
海をバタバタと跳ねながら走る船外機の音。いつも鳴いているウミネコの声。利尻の夏は、そういう音と匂いの季節です。
秋 ─ 少し寂しい、がいい。
観光客が少なくなり、お祭りの提灯が外され、ススキが一斉に広がって島全体が茶色に染まっていく。空気が澄んで雲が高くなり、空がぐっと広くなります。
夕暮れ時、仙法志の海岸から眺める利尻山のシルエットは、稜線がくっきりと尖って、裾野がどこまでも長く広がっている。少し寂しくて、少し黄昏れてしまうような、でもそれがいい──そういう季節です。
冬 ─ 山も空気も、美しい。
山は真っ白になり、風は容赦なく吹きつけ、外に出る余裕すらない日もあります。でも晴れた日の冬の空気は格別です。
うまく言葉にできないのですが、「美味しい」としか表現できないような、澄んで冷たくて、体の奥まで届く空気があります。
この島の山と海が育てるもの。
日本料理の世界で「出汁の王様」とされる利尻昆布。中でも利尻島の海で採れるものは「島もの」と呼ばれ、京都の料亭で特別に信頼されています。
その昆布を食べて育つウニは、他のどこにもない濃さと甘さ。荒波にもまれた真ほっけは、肉厚で脂と旨みをたっぷり蓄えています。
どれも、この島の自然が長い時間をかけて育て、島の人たちの暮らしを支えてきた恵みです。
ぜひ一度、この島に来て味わってみてください。
この島の物語を届けるために
利尻島に興味を持ってくれた方、実際に足を運んでくれた方に、もっと島のことを知ってもらいたい。そんな思いから、「FANFUN RISHIRI」を立ち上げました。
利尻島で暮らし、働く人たちの声を聞きながら、島の物語をひとつずつ届けていきます。昆布を干す漁師の朝のこと。ウニの殻を開いたときに広がる海の香りのこと。島で食べてほしいもの、歩いてほしい場所のこと。この島に来なければ出会えなかった物語です。
距離感が、ちょうどいい島。
利尻島は、「旅人の聖地」と呼ぶ人もいるほど、リピーターの多い島です。
景色が綺麗だから、食べ物が美味しいから、というだけではないと思います。島の人たちの距離感がいいのです。外から来る人に対してとてもオープンで、昔から旅人を迎えてきた島だから、初めて来た人でもどこか居心地がいい。
─ それでも、毎朝海に出る人がいる。
人口は減り続けていて、住む家が足りない。漁業の後継者を確保することも簡単ではありません。
それでもこの島には、ここで暮らし続けることを選んだ人たちがいて、毎朝海に出て、昆布を干して、魚を獲って、島を動かしています。
─ この島を訪れて、好きになってくれた方へ。
利尻島を応援する方法のひとつに、ふるさと納税があります。このサイトは利尻町が運営しており、私たちからはふるさと納税をご案内しています。寄付金は、利尻山の登山道の整備や、漁業資源の保全、子どもたちの教育、本土とつなぐ航路の維持などに使われています。返礼品を通じてこの島の味を楽しんでいただくこともまた、島の漁師や生産者の仕事を支え、島の未来をつくる力になります。