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5人に1人。大雨で突然日常を失った高校生を笑顔に変えたい

カテゴリー:災害 

main_img 達成

寄付金額 7,834,408

115.2%

目標金額:6,800,000

達成率
115.2%
支援人数
283
終了まで
受付終了

岡山県矢掛町(おかやまけん やかげちょう)

寄付募集期間:2018年10月17日~2019年1月14日(90日間)

岡山県矢掛高校応援パートナーシップ

プロジェクトオーナー

本プロジェクトは、西日本豪雨で被災した高校生のためのプロジェクトです。岡山県立矢掛高等学校は、岡山県矢掛町に唯一ある高校です。2018年7月に発生した西日本豪雨災害により、県内で最も多い約20%、5人に1人の生徒が被災し、未だ避難生活を送っています。

生徒たちの実態把握が難しい中、避難所や避難先の親戚の家などを訪問し、一人ひとりの声に耳を傾ける中で見えてきた高校生たちの声。それらをすくい上げ、通学や学用品・部活動用品サポートなどの支援につなげる活動をしています。

西日本豪雨によって変わってしまった、子どもたちの生活

何度も、「もうここで死ぬんだ」と思った・・・過酷な被災体験

2018年7月6日に発生した西日本豪雨災害によって、矢掛高校に通う5人に1人、82人の生徒が被災しました。82人のうち、46人が自宅に住むことができず、みなし仮設住宅や親戚の家など、自宅外での生活を余儀なくされています。また、36人が自宅の2階部分や、スーパーなどが閉店したままの町内で生活しており、食事を避難所に取りにいくなど、不便な生活を送っています。

「自宅の2階まで水が入ってきて、ベランダで一夜を過ごし、救命ボートで救助された。」
「何度も、もうここで死ぬんだと思った」
「1階が浸水してきたので、2階に物を持ってあがったけど、階段をどんどん水があがってきた。2階の床から水が吹き出して来たときは、本当に怖くて、もうだめだと思った」

など、彼らの多くは、過酷な被災体験をしています。
学校では、安否の確認はしたものの、今困っていること、新学期学校に通うために必要なもの、今後の居住場所、心や体の状態など、一人ひとりの状態の把握までは手がまわっていませんでした。
そこで、学校の先生と地域コーディネーター、NPOでチームをつくり、生徒たち一人ひとりを訪問し、彼らの声に耳を傾けることからはじめました。

 

「どうやって学校に行ったらいいかわからない」隠していた子どもたちの本音

「母の実家に避難しているけど、ばーちゃんの手伝いをしていると、宿題をやる時間もないし、勉強できるスペースもない。でも、住まわせてもらってるからお手伝いしないと・・・。」
「自分の場所、気を使わなくていい場所なんてない。家族の人数が多くて米とか野菜とかすぐになくなるし、すごい迷惑かけてる。」

最初は、「大丈夫です」と言っていても、じっくり話を聞いていくと少しずつ出てくる「本音」。大変な状態だから自分ががんばらなきゃ、我慢しなきゃと常に気を張っている高校生たち。

「家が遠くなってしまったから、どうやって学校に行ったらいいかわからない。電車代も出せるかもわからない。新学期から学校に通えるか不安・・・」
「自転車で山を超えていけば2時間くらいかなぁ」
「部活が唯一の楽しみ。でも、ユニフォームが流されてしまったから、試合に出られないかもしれない。」
「塾に通っていたけど、辞めようかと思ってる。進学を考えていたけど、でも、就職かな?家族は行っていいと言っているけど、きっとお金がないと思うから・・・」

見えてきたニーズを元に、高校生たち、そして彼らの家庭の負担を少しでも減らし、以前と変わらず学校に通えるように、できることを模索しました。

 

被災によって夢を諦めることがないように・・・

高校生に届ける4つの支援

■1.スクールバス運行サポート〜学校に通えない生徒を作らない〜

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真備町から矢掛高校までは電車で数駅の距離。自転車で通学していた生徒も多くいました。現在は、多くが町外へ避難しているため、通学するのにお金も時間も倍以上かかります。

そんな生徒たちの通学の負担を少しでも減らすため、避難エリアから高校までスクールバスの運行を行うことにしました。バスの運行を開始したことにより、往復4時間以上かかっていた通学が、1時間に短縮され、学校に通うのが楽になった、保護者の送迎の負担がなくなったという声が聞かれています。

町内では、2,000戸以上が全壊しているため、未だ自宅再建の目処が立っていないご家庭が多く、避難生活の長期化が予想されます。当面は来年3月までのサポートを予定しています。

■2. 通学困難サポート〜避難先からの通いづらさを解消したい〜

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町外のみなし仮設住宅や親戚の家など遠くに避難したことで、定期券代が以前の倍以上かかる生徒もいます。スクールバスの運行エリア外の生徒を対象に、以前の定期券代との差額を補助する仕組みを作りました。また、高校生にとって通学や生活に欠かせない自転車が水没し使えなくなったという声を多く聞きました。自転車がなくなった生徒には、自転車のサポートも行っています。

■3. 学校生活サポート〜被災による機会格差をなくす〜

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自宅の再建やリフォーム代など、経済的負担が多くかかる中、学校生活に必要な学用品や部活動用品、制服などの再購入が難しい生徒たちがいることがわかりました。被災していない周囲との「格差」は、生徒たちにとって精神的な負担やストレスにつながっています。高価な学用品である電子辞書や、部活動用品、制服の購入サポートを行なっています。

4.居場所づくり〜本音を話すことで心のケアを行う〜

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生徒たちの中から、こんな声が聞こえてきました。
「同じ体験をした友達とは話せるけど、そうじゃない子には本音を話すことができない」
「1部屋に4人で住んでる。一人になれる場所はないし、家に帰りたくない日もある。」
これから少しずつ日常に戻っていく中で、我慢している想いや本当の気持ちを誰かに伝えたくなったり、家族に気を使わずに過ごせる場所が必要です。学校帰りやスクールバスの待ち時間に、ふらっと立ち寄り気を使わずに過ごせる、そんな居場所づくりを行います。

 

矢掛高校に通う生徒たちの声

■スクールバスのおかげで母が楽になったと喜んでいます(高校3年生)

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あの日は強い雨が降り続き、思いもよらないことがたくさん起こりました。家は2階まで浸水しました。階段を水が上がってくる様子がとても怖くて「もう死ぬかもしれない」と思いながら、一晩を過ごしました。避難している祖母の家は学校まで遠く、夏休みは補習に行くことができませんでした。新学期が始まってからしばらくは、母に送迎してもらっていましたが、スクールバスを利用するようになり、母がとても楽になったと喜んでいます。
来年の春からは社会人になります。真備町の自宅は、建て替えることになったので、少しでも足しになるよう、家にお金を入れられるようになることが今の目標です。もし、また同じような災害が起こった時には、周りを気にかけながら自分にできることをして、今度は助ける側になれたらいいなと思っています。

■新学期に友達と再会できたときはとても嬉しかった(高校2年生)

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西日本豪雨の当日、僕は修学旅行先の大阪にいました。家族とは連絡がつかず心配でした。1週間ぶりに祖母の家で家族全員の顔を見たときはとてもホッとしました。真備の自宅を実際に見たのは家族と再会した次の日でした。家の敷地内に、見たことのないキャンピングカーが流れ着いていてびっくりしました。
中学生の時から愛用していた自転車は泥まみれで、祖父が洗ってくれましたが、壊れていて使うことができませんでした。同じ真備の友達はバラバラに避難していて夏休み中は全然会えなくて、みんな学校に来れるのか心配でした。スクールバスや自転車などの支援のおかげで、新学期に再会できたときはとても嬉しかったです。

 

被災から3ヶ月、元の生活に戻れる見通しは立たないままです

2018年(平成30年)6月28日から7月8日ごろにかけて降り続いた豪雨は、西日本を中心に甚大な被害をもたらしました。死者行方不明者数は全国で230人、全半壊の住居は1万5千棟以上を記録しました(消防庁8月21日発表より)。

中でも岡山県倉敷市では、高梁川と小田川という2本の川が合流する真備町エリアを中心に大きな被害が出ました。倉敷市の全半壊の住居は5,240棟、真備町内の小学校2校・中学校2校・高校1校が床上浸水等の被害を受け、仮設校舎などで運営しています。

そして現在も、300人余りの方々が、避難所で過ごしています(倉敷市災害対策本部 10月2日発表より)。 近隣の自治体のみなし仮設住宅や親戚の家、床上浸水し一部のインフラが整っていないながらも自宅の2階などで過ごされている方、9月末に完成した応急仮設住宅に入居された方々もいらっしゃいます。

被災された方々が元の生活に戻るにはまだまだ時間がかかります。町内の多くの住宅が全半壊しているため、業者が立て込んでおり、いつリフォームが完了するのか、再建ができるのかの見通しは立っていません。矢掛高校の生徒たちのご家庭も含め、先が見えず不安な思いをしている方々が多くいらっしゃるのが現状です。

 

「こんなことで高校を辞めさせない」〜町・高校・同窓会・NPOの協働プロジェクトの想い〜

2018年7月17日。発災から10日後、夏休みに入る直前に、プロジェクトは動き出しました。学校の先生、地域コーディネーター、認定NPO法人カタリバでチームをつくり、被災した82人の高校生一人ひとりへの個別訪問をはじめました。その中で見えてきた通学困難(スクールバスや定期券代、自転車サポート)や学用品・部活動用品ニーズを、随時、支援につなげています。 8月29日には、矢掛町、矢掛高校、高校同窓会、カタリバの4者でパートナーシップ協定を結び、正式に、矢掛高校の生徒たちへの応援体制をつくりました。

岡山県矢掛町 町長 山野 通彦

■子どもたちが将来に不安を感じることのないよう応援よろしくお願いします

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平成30年7月豪雨災害では、小田川が東西に流れる矢掛町及び、隣町の倉敷市真備町での堤防の決壊による住宅の浸水など、甚大な被害が発生しました。矢掛町では住民の方に1日も早く安心した生活を取り戻して頂けるよう、復旧・復興事業に全力で取り組んでいるところです。そうした中、この度、町内唯一の高等学校である岡山県立矢掛高校の存続、そして町内及び倉敷市内で被災した矢掛高校の生徒が、安心して教育を受けられる環境を整えるため、矢掛町としての支援を決断しました。「子どもたちが将来に不安を感じることのない、明るい未来のあるまちづくり」が行政の役割と考えます。ぜひこの事業にご賛同いただき、皆様のお力を矢掛高校生のためにお貸しいただきますよう、よろしくお願いいたします。

矢掛高校 校長 前川 隆弘

■学校だけではできない様々な支援に感謝しています

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平成30年7月6日金曜日、岡山県下に大雨に関する特別警報が発表されました。確かに雨脚が強く、小田川の水位も上昇していましたが、その夜にあのようなことが起こるとは、まったく想像もしていませんでした。翌日、テレビで真備町の映像が映し出されたときは言葉を失い、生徒たちの無事を祈るばかりでした。
この度、矢掛町、本校同窓会、カタリバさんとパートナーシップ協定を結び、学校だけではできない、様々な支援をいただいていることに大変感謝しております。これからは心のケアなど、長期的な視点も必要だと考えています。被災した生徒たちが、安心して矢掛高校に通うことができますよう、全国の皆様からもご支援いただければ幸いに存じます。

 

被災によって、学校に通えなくなる・将来を諦めることのないように・・・皆様の応援をよろしくお願いします!

矢掛町、矢掛高校、高校同窓会、認定NPO法人カタリバの4者で、高校生の困りごとを解決し、彼らが安心して学校に通えるようサポートしていく今回のプロジェクト。被災という経験が将来彼らのハンデとならないよう、丁寧にニーズを把握しながら、支援につなげていきます。

皆様からの応援、よろしくお願い申し上げます。

 

  • 2018年12月14日 07:07

    目標達成のご報告

    このたびは「西日本豪雨災害応援プロジェクト」を応援いただき、 誠にありがとうございます。全国の皆様からのご支援により、 予定よりも早い目標達成となりました。多額のご支援のほかにも、 皆様からの温かなメッセージは、私たちの活動の励みになっております。

    今回のプロジェクトで、通学が困難になってしまった多くの高校生が、 以前のように高校に通い、部活もできるようになりました。

    「自分たちを応援してくれる人が、たくさんいることを感じた」
    「支援してくださった方たちのような、困っている人を助けられる大人になりたい」

    生徒たちからはこんな言葉も届いています。

    しかし、西日本豪雨から半年が経とうとしていますが、被災された方々がもとの生活に戻るのにはまだまだ時間がかかります。
    真備地区を中心に被災した矢掛高校の生徒たちも、その多くがもとの生活に戻ることができていないのが現状です。

    本プロジェクトは2019年1月14日まで継続します。 通学困難支援や居場所支援を少しでも長い期間続けることができるよう、 引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。

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岡山県矢掛町

岡山県矢掛町は、岡山県の南西部に位置しています。今回の豪雨災害では、一級河川小田川の堤防が3箇所、その支流で1箇所の合計4箇所が決壊し、各地で浸水被害に見舞われました。町内唯一の高校である矢掛高校では、県内の高校で最も多い76人の高校生が被災しています。彼らが、被災という経験をハンデに感じず、高校生活を送れるようサポートしています。