斜面地のリ・デザイン『空き地活用市民交流型農園「さかのうえん」パワーアップ事業』(長崎都市・景観研究所)
カテゴリー:まちづくり
寄付金額 424,000円
目標金額:2,000,000円
- 達成率
- 21.2%
- 支援人数
- 28人
- 終了まで
-
29日
/ 90日
長崎県長崎市(ながさきけん ながさきし)
寄付募集期間:2024年10月9日~2025年1月7日(90日間)
長崎県長崎市 ✖ 長崎都市・景観研究所
長崎の斜面市街地では少子高齢化、コミュニティの衰退、空き家・空き地の増加、景観や治安の悪化などの課題が顕在化しています。そこで近年、若手の市民活動団体と地域が協力して、空き地を活用した交流型市民農園「さかのうえん」として整備・運営をスタートしました。マスコミ報道や景観賞受賞など、活動が少しずつ広がっています。この活動をパワーアップさせるためのクラウドファンディングに挑戦します!
「さかのうえん」とは
平成22年(2010)度、当時大学生だった私たちは「長崎市若者のまちづくり施策提案制度」を活用して1年間「斜面都市のリ・デザイン」をテーマに研究に取り組み、長崎市長にプレセンテーションした計画が「坂+農園」で「さかのうえん」です。
長崎市独特の斜面市街地は少子高齢化で持続可能な地域づくりが課題になっています。その一方で長崎市立地適正化計画において斜面市街地の多くは「自然共生区域」として位置づけられ、自然を生かした暮らし方を受容できるエリアになっています。
密集した家屋は通風や日当たりに支障を生じさせ、大規模火災等の災害リスクも高まります。増える空き地を「家屋間に生まれた緩衝地」と考えれば、そう悲観するものではないのかも知れません。
こうした斜面市街地に生まれる空き地を「資源」として捉え、地域課題の解決と若者の余暇活動の場とすることが「さかのうえん」の目的です。かつて斜面地の多くは畑でした。荒れ果てた空き地を昔のように人の手が入った畑に戻しながら、そこに現代のニーズを織り込んでいく、そんな構想が「さかのうえん」です。
残念なことに、私たちの提案は実現化されることなく10年が過ぎてしまいました。令和2年(2020)、知人が密集斜面市街地である中新町に移住したことで自治会の方々との関係が深くなり、中新町で「さかのうえん」が実現できることになりました。
令和6年(2024)9月現在、長崎市中新町内に4箇所の「さかのうえん」がオープンし、地域内外の方が農のある暮らしを楽しんでいます。最近では長崎伝統野菜の普及、近隣の高校や大学との連携や、福祉事業所との連携などにも取り組んでいます。2021第22回長崎市都市景観賞を受賞し、新聞やテレビ番組、雑誌などで取り上げられるなど、活動の領域や認知が広がっています。
順調に進んでいる「さかのうえん」ですが、活動を斜面地全体に広げていくためにはまだまだ課題がたくさんあります。活動のさらなる展開と資金面で取り組めなかった懸案事項の解決を求めて、パワーアップ事業にチャレンジいたします!
今回の事業【新農園「さかのうえん中新町TheView」の整備】
長崎港を望む絶景の空き地の所有者から相談があり、5箇所目の「さかのうえん中新町TheView」をオープンする計画があります。この土地は宅地だったことから、地中から相当量の瓦礫が出ることが想定されるため、その瓦礫の撤去と処分を行います。また、水やりや道具洗浄のために水道の設置を行います。この場所は、斜面地特有の車が入らない場所なので、人力作業が多くなり、整備にはどうしても費用が必要となります。整備後は区画分けを行い、市民や事業者に貸し出す予定です。
今回の事業【既存農園の懸案事項解決のための整備】
既存の農園についても、整備の際に大量の瓦礫が出土しています。それらの多くは農園の脇に積み上げられ、貴重な土地の一部を占拠している状態です。そこから雑草が繁茂し、作物の生育に悪い影響を与えています。こうした瓦礫を搬出し、適切に処分を行います。
また、農園に覆い被さるように自生している既存の樹木があり、これにより著しく日照が遮られることから作物の生育に悪影響を与えています。枝からは種子が大量に落下し、農園から次々と芽がでることも私たちを悩ませています。こうした支障となっている樹木の剪定や伐採を実施することで環境改善を図ります。
今回の事業【「長崎伝統野菜」の担い手増加】
「長崎伝統野菜」については、長崎市ホームページに以下のように説明があります。
<鎖国時代の唯一の貿易港として繁栄し、古くから海外文化の影響を受けていた長崎。食生活も同様に文化交流の中で西洋文化の影響を受け、今に伝承される郷土料理がふんだんにあるのも長崎の特徴の一つです。そんな長崎の郷土料理に昔から使われているものが「ながさき伝統野菜」。伝統野菜には長崎生まれのものや、海外から伝わり、長崎の限られた地域で育てられたものがあります。>
「さかのうえん」では、こうした歴史文化を深く関わる長崎伝統野菜の栽培にも取り組んでいます。これは長崎市西山木場町の農家・中尾順光さんとの出会いがあったからです。中尾さんは長崎伝統野菜の栽培や普及を行なっている第一人者です。中尾さんからは、伝統野菜の多くは中国から伝えられたことを教えていただきました。江戸時代の中新町は唐人屋敷の後背地であり、段々畑でこうした伝統野菜が栽培されていたと考えれば、この地で伝統野菜を継承してくことに歴史的な意義を感じています。
しかし、長崎伝統野菜は京野菜(京都)や加賀野菜(金沢)と比較してブランド化されておらず流通量も少ないことから、伝統野菜の栽培をする農家は年々減少しています。精力的に活動されている中尾さんも高齢になっています。今こそ伝統野菜の存在を社会に広め、継承できる仲間を増やしていく必要があります。
そこで、長崎伝統野菜に関するリーフレット制作、栽培方法の動画制作、SNSでの発信強化、伝統野菜の栽培講座の開催等によりPRを推進します。
今回の事業「さかのうえん」の普及活動
「さかのうえん」の運営は、日頃は別の仕事をしているメンバーが休日を費やして行なっています。見回り、水やり、除草、台風対策、トラブル対応など、日常の維持管理に多くの時間を取られてしまい、活動を普及していく時間がなかなか確保できていませんでした。そこで、リーフレット制作、動画制作、SNSでの発信について、プロフェッショナルに依頼することで活動の認知拡大や農園利用者の増加、協力してくださるボランティアの増加を図ります。
今回の事業【「さかのうえん」を通した地域コミュニティ醸成】
長崎伝統野菜の収穫、PR動画の完成に合わせて大規模なイベントを実施します。イベントでは、長崎伝統野菜の収穫体験、関係者によるトークショー、伝統野菜の試食体験、さかのうえん関係者や地元関係者、クラファンの支援者も交えた交流会を予定しています。さかのうえんを通して、地域内外の人が繋がる新しい地域コミュニティの醸成を行います。
時期:令和7年2月頃
会場:さかのうえん中新町一帯
対象:さかのうえん関係者、地元関係者、クラファン支援者など
今後の展望について
「さかのうえん」はコロナ禍の令和2年(2020)からスタートして、地道に賛同者や協力者を増やしながら多方面に展開しています。5番目の畑の整備で一定のハード整備は完了し、今後はソフト面に重点を置いていく予定です。
一つは「教育活動」です。現在、近隣の海星高校や活水女子大学との連携がスタートし、試行錯誤を重ねているところです。今後は教育プログラムとしての定着や研究活動を推進していきたいと考えています。また、地域に住む子どもたちが関わることができる企画を増やしていきたいと考えています。
もう一つは「農福連携」です。9月から近隣の福祉事業所との協働がスタートし、農園での長崎伝統野菜の栽培や農園の日常の管理支援がスタートしました。今後は、長崎伝統野菜を利用した加工品の開発に取り組んでいく予定です。
今後の取り組みにもご期待ください!
寄附金の使い道
皆さまからのご支援は、農園整備やPR動画制作等の財源に活用させていただきます。
※目標金額に達しない場合も、財源に活用させていただきます。
※目標金額を大きく超えるご寄附をいただいた場合は、今後の活動にも活用させていただくことがあります。
応援メッセージ
中尾 順光(仁田木場自治会 会長/西山木場伝統野菜保存育成会 会長)
長崎には江戸時代の南蛮貿易で外国から伝えられた「長崎伝統野菜」があります。唐人菜、辻田白菜、長崎赤かぶ、長崎紅大根、長崎高菜の5種類です。私は長崎市中心部からほど近い仁田木場地区で伝統野菜を栽培しています。仁田木場地区は山間の傾斜地で少子化や高齢化が進行しており、伝統野菜を栽培する後継者がおらず危機的な状況になっています。長崎の若い人に伝統野菜のことを知って欲しいという思いで数年前から「さかのうえん」の活動を支援しています。今回の事業では、私たちと一緒に長崎伝統野菜のプロモーションを行う計画となっておりますので大いに期待しております。皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
桑原 亜矢子(中新町南部自治会 文化部長/にたさこコミュニティ 理事)
近くの空地を一緒に畑にして、さかのうえんにチャレンジ!収穫する喜びはもちろん、人とのつながりと笑顔に、活性化していく未来を実感しています。長崎伝統野菜にも挑戦中。斜面地にある空地が元気になっていく取組みです。応援してください!
阿多 美咲(エンジニア/さかのうえんのキーマン)
さかのうえんの始まりは、私が当時住んでいた中新町の空き地を畑として使えないか平山さんと話したことからでしたが、まさかこんなに素晴らしい取り組みに発展していくとは思っていませんでした。地域を良くしたいと思う、たくさんの方々の気持ちと行動でどんどん広がっていくさかのうえんの活動を、長崎を離れた今もずっと応援しています!
河原 歩(YOGA ANDANTE 代表)
さかのうえん!長崎の斜面地を活用した面白い取り組みいつも応援しています。獲れたての野菜たちも美味しく、自然が豊富な長崎だからこそ出来ることだと思っています。いつかここで長崎の街を眺めながら採れたて野菜とビールを楽しむヨガ企画をさせて欲しいと思っています(笑)。これからも頑張ってくださ〜い♪
石橋 知也(長崎大学大学院工学研究科システム科学部門 准教授)
「さかのうえん」は斜面地の空き地を畑(農園)に戻すことで、人の活動を生み、地域内外の交流へとつながっていく画期的な取り組みです。長崎の斜面地が元々は段々畑だったことを踏まえると、この取り組みは「新たな原風景」の創造とも言えます。小さな一歩から始まったこの取り組みは、今や長崎の都市課題を解決する「仕組みづくり」となり、大きく展開できる好機を迎えています。ぜひ皆さんでこの取り組みを応援しましょう!
寄附者の皆さまへ
長崎都市・景観研究所 所長 平山 広孝
長崎の街の魅力に気づき、長崎でまちづくりの活動をしたいと考えていた大学生時代。長崎市役所の若者提案募集企画を見て、この市民活動団体を立ち上げました。一番はじめに取り組んだ大きなプロジェクトがこの「さかのうえん」の構想づくりです。当時の市長に提案したときから、私の考えは何ひとつ変わっていません。長崎らしい斜面地に資源を見出し、それを磨くことで地域外から人を呼び込み、それが地域のみなさんに還元されていく。当時描いた構想は、地域の方々の多大なご協力もあり、少しずつですが社会的なムーブメントになりつつあると感じています。「さかのうえん」を発展させ、長崎を世界から注目されるサステナブルな斜面都市にしたいと夢見ています。みなさんのご支援をよろしくお願いいたします!
長崎市長 鈴木史朗
「ながさき元気づくり応援助成事業」へのご支援をよろしくお願いします!
長崎市では、地域団体等が行う「まちづくり活動」に対し、資金調達を支援して、地域を元気にするプロジェクトを応援する「ながさき元気づくり応援助成事業」を実施しています。
この助成事業は、長崎市よかまちづくり基本条例の趣旨にのっとり、地域力の向上及び地域の芸術文化活動等の振興に資するため、市内の地域団体又は市民活動団体等が市内で実施する自主的かつ主体的なまちづくり活動に対し、クラウドファンディング型ふるさと納税により当該活動に対して集まった寄附額に応じて助成金を交付して、ながさきの元気づくりにつなげるものです。
皆さまの温かいご支援とご協力をお願いするとともに、この「元気づくり」の取組みを通じて「ながさき」の地域の活性化につながることを期待しています。
【注意事項】
※市民の方もこのプロジェクト(長崎市)にふるさと納税ができ、控除も受けられますが、返礼品の設定されているプロジェクトにおいて、返礼品はお選びいただけません。
※お礼の品は変更・追加される可能性があります。
※寄附に対するお礼を目的として寄附者の個人情報を事業実施団体へ提供する場合がございますのでご了承ください。
現在進捗情報はありません。
長崎県長崎市
長崎県は、魚種は全国トップクラスと言われるほど魚に恵まれた土地だとご存じでしたか。
その秘密は、日本の最西端に位置し、三方を海で囲まれる長崎県の立地にあります。世界最大級の海流である黒潮は、九州南西部で分岐して長崎沿岸を通ります。
この対馬海流に乗って、様々な魚が回遊。全国屈指の魚種の豊富さにつながるというわけです。
また、東シナ海には、世界有数の大陸棚が広がっており、魚のエサとなるプランクトンも豊富。絶好の漁場を形成する環境が整っていることも、長崎の水産文化を大きく後押ししています。
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