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国宝相当の特別天然記念物「田島ケ原サクラソウ自生地」を再生させたい!(第3弾)

カテゴリー:自然・環境 

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寄付金額 1,313,000

65.6%

目標金額:2,000,000

達成率
65.6%
支援人数
61
終了まで
受付終了

埼玉県さいたま市(さいたまけん さいたまし)

寄付募集期間:2024年9月2日~2024年11月30日(90日間)

埼玉県さいたま市

プロジェクトオーナー

さいたま市桜区にある「田島ケ原サクラソウ自生地」には、絶滅危惧植物のサクラソウを含む約250種の野草が自生する湿生植物群落が広がっています。このサクラソウ自生地は、首都圏の大都市近郊に位置する代表的な原野植物群落として極めて貴重な生態系です。大正9年(1920年)に日本で初めて指定された天然記念物の一つとなり、昭和27年(1952年)には天然記念物のうち世界的に又は国家的に価値が特に高いものとして特別天然記念物に指定されています。

しかしながら、近年の環境変化のあおりを受け、サクラソウの個体数は最盛期に比べて約4分の1(約55万株)にまで急激に減少し、この傾向が続けば野生絶滅のおそれがあります。

さいたま市ではサクラソウの減少要因の解明、個体数の維持・増加に向けて、調査分析・維持管理を行い、寄附金はその費用に活用させていただきます。「田島ケ原サクラソウ自生地」を再生させ、後世へと着実に継承するため、ご支援を何卒よろしくお願いいたします。

令和5年度に引き続き、国宝相当の特別天然記念物「田島ケ原サクラソウ自生地」を再生させるためのご支援をお願いいたします!

サクラソウ開花期の「田島ケ原サクラソウ自生地」の様子

「田島ケ原サクラソウ自生地」とは?

さいたま市西部を流れる荒川の河川敷に位置する「田島ケ原サクラソウ自生地」は、サクラソウをはじめ、トダスゲやヒキノカサなどの希少な植物が250種ほど自生する湿性草原です(面積約4.1ha)。サクラソウが埼玉県やさいたま市の花であるのは、この田島ケ原に由来するものです。国指定の特別天然記念物であることに加えて、令和5年(2023年)5月には、「未来に残したい草原の里100選」に認定されました。大都市近郊にありながら、100年以上にわたり管理を継続している草原として存在価値が評価されています。日本を代表する草原の一つとして、「田島ケ原サクラソウ自生地」と人々のつながりは一層重要なものになっています。

「田島ケ原サクラソウ自生地」の歴史とその価値

「田島ケ原サクラソウ自生地」は、大正9年(1920年)に全国で初めて指定された天然記念物の一つです。植物学者であり、東京帝国大学教授であった三好学が、天然記念物の保存制度の創設に尽力するとともに、サクラソウ自生地の学術的意義を高く評価し、「田島ケ原サクラソウ自生地」の天然記念物指定を実現しました。昭和27年(1952年)には、国指定の特別天然記念物となり、令和4年(2022年)にその指定から70周年を迎えました。
特別天然記念物とは、天然記念物の中で世界的に又は国家的に価値が特に高いもの、特に重要なものとされています。有形文化財で言えば国宝に相当します。全国的に有名なものに「トキ」や「阿寒湖のマリモ」、「屋久島スギ原始林」などがありますが、「田島ケ原サクラソウ自生地」もこれらと同様に全国を代表する特別天然記念物の一つです。

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「田島ケ原サクラソウ自生地」の魅力

「田島ケ原サクラソウ自生地を守る会」の現地ガイドの様子

国内有数の原野植物群落としての価値があります

荒川流域という温暖な低湿地が広がる草原に、サクラソウなどの希少な湿性植物の群落が形成されています。かつて荒川流域には多数のサクラソウ自生地が見られましたが、開発などの影響でほとんど失われてしまいました。「田島ケ原サクラソウ自生地」は往時の姿を残す唯一の自生地となっています。

遺伝資源、研究対象としての価値があります

自生地内では、様々な形や色、大きさのサクラソウの花を見つけることができます。その見た目の多様さから、荒川流域のサクラソウを元に現在までにさまざまな品種が生み出されています。

首都圏近郊で交通の便も良く観光資源としての価値があります

江戸時代から荒川流域のサクラソウは観賞の対象として親しまれてきました。現在でも3月下旬から4月中旬のサクラソウ開花期に多くの人が訪れるほか、四季折々の姿を楽しむことができます。

減少するサクラソウ

田島ケ原のサクラソウは、例年3月下旬から咲き始め、4月上旬から中旬にかけて見ごろを迎えます。現地では、「田島ケ原サクラソウ自生地を守る会」のボランティア団体の皆様に、サクラソウの保護とその普及活動に長くご助力いただいています。
しかしながら、近年、周辺地域の都市化や異常気象などの影響により、「田島ケ原サクラソウ自生地」を取り巻く環境が大きく変化しています。
田島ケ原に自生するサクラソウの個体数(推定値)は、平成15年(2003年)に記録した235万株をピークに、20年余りで約4分の1である約55万株にまで激減しています。
このまま減少の一途を辿ると、特別天然記念物指定100周年となる2052年を待たずして、田島ケ原のサクラソウが絶滅してしまうかもしれません。いまはそうした危機的状況に直面しています。

サクラソウとは?

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サクラソウは、サクラソウ科の多年草で、国内では北海道南部、本州、九州の高原などに自生しています。「埼玉県レッドデータブック2011 植物編」では絶滅危惧種1A類に分類されています(令和6年(2024年)9月現在)。
サクラソウの花は変異が大きく、花や株によって大きさや色、花弁の数などに違いが生じるため、江戸時代から多くの園芸品種が作られ、栽培されてきました。現在でも、サクラソウは埼玉県の花、さいたま市の花として多くの方々に親しまれています。
田島ケ原のサクラソウは自生しているため、改良品種ではなく自然に変異したものですが、それでも様々な形や色のサクラソウを見ることができます。

花弁の形や色などは違いますが、全部「サクラソウ」です

サクラソウ以外の自生地の希少植物

※埼玉県レッドデータブック2011 植物編から参照

サクラソウ存続のためには、データの収集及び分析、対策が必要

「100年後の君はどんな風景を見ているのだろう」
この問いに対する答えが、今日、目にしている「田島ケ原サクラソウ自生地」の姿よりも豊かで多様性に富んだものであってほしいと、私たちは願っています。
専門家からは、サクラソウの急激な減少要因を正確に把握するための科学的データが不足していることが指摘されています。これを受けてさいたま市では、サクラソウに関する繁殖状態の調査や、土壌の水分・栄養状態をはじめとした生育環境の調査などを行っています。
「田島ケ原サクラソウ自生地」はかつて茅場でした。茅葺屋根などの原料となるオギやヨシを収穫することで、早春期に地表に日光が届くようになり、サクラソウの芽吹きを助けてきました。そのため、さいたま市では現在、サクラソウに適した環境を維持するための管理手段として、オギやヨシの刈払いと草焼きを行っています。人が自然に手を加えることでサクラソウはこの地に生き続けることができています。
これらの調査分析・維持管理を通してサクラソウの個体数の維持・増加に向けた対策を検討し、「田島ケ原サクラソウ自生地」の保存活用に努めています。いま目の前にある危機を克服し、100年後に今日よりも素晴らしい「田島ケ原サクラソウ自生地」の姿を伝えていくために尽力しているところです。

土壌分析調査のための作業風景

寄附金の使いみち

令和5年度(2023年度)も目標を上回るたくさんのご支援をいただき、「田島ケ原サクラソウ自生地」の調査分析・維持管理のための費用として活用させていただきました。100年先の未来に目を向けた「田島ケ原サクラソウ自生地」の再生のため、今年度も調査分析・維持管理を進めてまいります。令和5年度(2023年度)に引き続き、ご支援を何卒よろしくお願いいたします。

※ 目標金額の達成・未達成に関わらず、本事業は実施いたします。いただいたご寄附は、
  本事業のための費用として活用させていただきます。

埼玉大学教育学部 荒木祐二准教授からのメッセージ

さいたま市文化財調査専門員として、平成28年(2016年)から田島ケ原サクラソウ自生地の保全事業に従事しています。専門分野は植物生態学や環境マネジメントで、サクラソウを取り巻く生態環境をどのように維持・再生すればよいか検討を重ねています。
田島ケ原サクラソウ自生地は手つかずの自然ではありません。100年以上にわたり人々が積極的に保全し、活用してきた「文化財」です。かつては茅葺屋根などの原料になるオギやヨシを育て、収穫していた茅場でした。その営みが毎年繰り返され、早春に地表に光が射し込む環境が整うことで、サクラソウはこの土地に根付くようになりました。いまでは冬期にオギやヨシを刈り払い、草焼きをすることでサクラソウの芽吹きを促しています。この管理をやめてしまうと、サクラソウは野生絶滅してしまいます。
近年は地球温暖化の影響で自生地の乾燥化が進み、サクラソウの生育を妨げる植物が増えるなどして、サクラソウが減少しています。そこで環境の変化を把握するとともに、サクラソウの遺伝子を分析しながら、サクラソウが減少する原因を明らかにし、新たな再生方法を見出す研究に取り組んでいるところです。田島ケ原サクラソウ自生地は、令和5年(2023年)5月に日本の未来に残したい「草原の里100選」に選ばれました。草原の共創資産としての価値が評価され、共生型社会の地域モデルになることが期待されています。
いまの田島ケ原サクラソウ自生地にかかわるすべての取り組みが、現代における「文化的な営み」となります。サクラソウを守りたいと願う全国の皆様と共に、私たちの手で過去と未来の文化をつなげられたら望外の喜びです。郷土の文化財である田島ケ原サクラソウ自生地を再生し、その代表的な花であるサクラソウを絶滅から救うため、皆様のご支援をお願いします。さいたまの故郷を想うとき、野生のサクラソウが広がる景観を思い浮かべる。田島ケ原サクラソウ自生地が、そうした郷土の代表的な風景となることを願っています。

さいたま市長 清水 勇人

「田島ケ原サクラソウ自生地」は、特別天然記念物に指定されており、サクラソウをはじめ、ノウルシやチョウジソウ等の希少種も多く約250種もの植物が自生する野草の宝庫です。
しかし、近年の異常気象など周辺環境の大きな変化の中でサクラソウの個体数が減少しており、さいたま市では減少原因の把握と対策を講じるため、調査分析を維持管理に加えて行っています。この貴重な財産を絶滅の危機から守るため、皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

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ふるさと納税で
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控除上限額かんたんシミュレーション

結果:-

お礼の品一覧