ラグビーボール型小玉スイカ「マダーボール」
車椅子ラグビーがマーダーボール(注1)と呼ばれているところから、このラグビーボールに似た形をしている小玉スイカを“マダーボール”と呼ぶのかと思いきや、実は違うらしく、「マダーボール(Madder:茜色)」果肉の色からそう呼ばれるらしいです。通常の大玉スイカに比べ小さくても皮が薄い為、可食部分が多く食べ応えは引けを取りません。

ラグビーボール型小玉スイカ「マダーボール」
糖度が高く、サックサクした食感が美味しい♪
皮が薄いため割れやすく、また日持ちも短いため、関東地方までの配送になります。
生産農家の高田さん親子にマダーボールについてお話しを聞いてきました!

ーーマダーボールはいつから栽培しているのですか?
もう10年になるね。私が体調を崩したことをきっかけにサラリーマンだった息子が家業を継いでくれて、マダーボールを作り始めたの。
――息子さんにお聞きします。なぜマダーボールを作ることにしたのですか?
この界隈のスイカ生産者が減る中、近くに素晴らしい技術を持つ先輩スイカ生産者がいた事と、自分の中で手掛け易そうなものということでマダーボールを始めたんですよ。
ーーアスパラを栽培している瀬川さんも、息子さんがアスパラを栽培し始めたと聞きましたが、やはり若い人が新しい事にチャレンジすることはいい事ですね?
昔は今と違って水田の面積が少なかったから息子がつくり始めたんだけど、今は20町とかになってきて、息子には水田の方を任せるようになり、マダーボール作りは私が主にやっているの。
ーー雨竜町にはアライグマが生息していると聞いていますが、被害とかにあわれてますか?
キツネはハウスのビニールを破けないけど、念のために周りに網をかけてたんだけど、アライグマはその網を登って爪で簡単に穴を開けて中に入り、明日出荷しようと思っているスイカを食べ散らかすんだよね~。去年は20万円くらい被害にあったわ。
雨竜町で檻を貸し出しているから、去年はそれで4頭捕獲したの。捕獲したアライグマは危険だから触らないように言われてて、町に連絡して引取りに来てもらったわ。
それで、アライグマにマダーボールから気をそらしてもらうために、向こう側のハウスにトウモロコシやはねスイカを置くんだけど、全然効果なし(笑)。
ーー昔は暑寒メロンを栽培していたそうですが、今マダーボールを栽培し続けているのは何故ですか?
メロンは一回収穫したら終わりだけど、マダーボールは定植してから稲刈り最中まで出荷していて、10月中旬までの長期に渡って出荷出来るからね。
ーーメロンだと網目の入り具合とか、素人でもある程度出来栄えを判別出来ますが、マダーボールはどうなんですか?
カタチが瓢箪やまん丸くなるとダメで、ラグビーボールみたいなカタチで、黒っぽくて、ネットの緑が濃いのがいいの。表皮が薄くて割れやすいから、とても気を使って栽培しているの。
残雪の中でも作業は始まります

食べてもらって、美味しい~って言ってもらえるたら有りがたい!

マダーボールを作っていて、“食べてもらって美味しい”って言ってもらえたら有りがたい。実際はそのような声を消費者の方から直接は聞けないけれど、知り合いの方からは言って貰ってるし、買ってくれるお客さんがだんだん増えてきてると笑顔で話す高田敬大さん。

苗の定植が終わった所。

青く見えるテープ状のものは、注水するためのパイプ。

定植から1ヶ月後

受粉させるためのミツバチをハウス内に放ちます。

手前の花は雄花です。

奥の花が雌花です。受粉して4日目ですが、花の下の実が膨らんできているのがわかりますか?

脇芽を摘んでいます。

脇芽を摘むのは、実に栄養がいきやすくするためです。

着果した日を識別するために、色違いの目印の針金を立てているそうです。
前回の訪問からたったの2週間で、こんなに大きなスイカに成長しました。