やきものの伝統に新風を吹き込む

やきものの伝統に新風を吹き込むアートなやきもの

日本は世界でも類を見ない「やきもの王国」ってご存じでしたか?

有田焼に九谷焼、備前焼、美濃焼、萩焼、笠間焼、益子焼・・・・・・。古くから日本各地ではその土地の気候風土に合わせた独自のやきものが生産され、その数はゆうに100種類を超えるといわれています。そんなやきもの王国・日本にあって、今日でも多くの窯元や作家が、伝統を受け継ぎつつ時代にあわせた新たな表現を求めて挑戦を続けています。

そのなかでも今回は、作家独自の感性が存分に発揮されたユニークなやきものをご紹介。現代の暮らしに新たな彩りを与えてくれる「アートなやきもの」をぜひお楽しみください。

※ 2022年9月 JMRO調べ

時代とともに変わり続ける
“やきもの”

時代とともに変わり続ける“やきもの”

「食器は料理の着物である」

これは陶芸家、画家、書道家など多様な顔を持ち、美食家としても知られた昭和の偉人・北大路魯山人の言葉です。

美しい食器は料理を映えさせ、その味や香りをさらに引き立ててくれます。四季折々の旬の食材を調理して、あれやこれやと食器を選ぶ楽しさ。それを味わえるのは、各地でそれぞれに発展したやきものがある日本だからこそと言えるでしょう。

縄文土器に始まった日本のやきものの歴史は、古くは朝鮮や中国から、近代においては西欧の技術や文化を取り入れながら彩りを増し、時代を追うごとに多様な広がりを見せてきました。北は北海道から南は沖縄まで。日本のやきものの種類はゆうに100を超え、国の伝統的工芸品に指定されているものだけでも30種類以上と、ここまで多様なやきもの文化を有する国はなかなかありません。

今日でも多くの窯元や陶芸家が各地でやきものづくりに取り組み、伝統を受け継ぎながら時代に合ったやきものを求めて技を磨いています。日常づかいの食器から、アートやインテリアとして楽しめるものまで、個性豊かなやきものの中から、きっとあなたのお気に入りが見つかるはずです。

岐阜県 土岐市
誰も見たことのない作品を
青木良太の「Lemon Yellow 盃」

青木良太の「Lemon Yellow 盃」

©RYOTA AOKI POTTERY

サイズ:口径約53mm × 高さ約52mm
対応機器:電子レンジ ×/オーブン ×/食洗機 ×

「2万年前の縄文式土器が今に残っているように、2万年先に残る作品しか世に出さない」という陶芸家・青木良太さん。金、銀、プラチナといった陶芸の常識を覆すような素材づかいの作品を数々発表し、国内外で多くのファンを獲得しています。

アトリエを構える岐阜県土岐市は美濃焼の産地。織田信長の時代に多くの窯が築かれ、後に志野焼や織部焼など革新的なやきものも生まれた地です。そうした「今までになかったモノをつくる」という先人たちの精神を受け継ぐ青木さん。年間15,000種類もの釉薬の研究を通して、まだ誰も見たことのない表現を探究し続けています。

「見ているだけで心を弾ませてくれるこのうつわで、みんなに元気になってもらいたい」。鮮やかなレモンイエローの盃は美しいアートピースのよう。お酒をいただく時間をきっと特別なものにしてくれるはずです。

青木 良太 さんの写真

あおき りょうた

青木 良太

1978年富山県生まれ。岐阜県土岐市を拠点に年間約15,000種類の釉薬の研究を通じて、金、銀、プラチナ等、陶芸では通常扱うことのない素材を使用した作品を制作。国内外での個展を中心に現代美術のアートフェアにも参加。他分野とのコラボレーションも行うなど、陶芸の魅力を世界に伝えている。

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佐賀県NPO支援
有田焼の伝統に新風を吹き込む
井上祐希の「天目銀滴汁碗」

井上祐希の「天目銀滴汁碗」

サイズ:口径約105mm×高さ約60mm
素 材:磁器
対応機器:電子レンジ 〇/オーブン ×/食洗機 〇

400年の歴史を有する「有田焼」の伝統に、新たな風を吹き込もうと奮闘を続ける陶芸家・井上祐希さん。人間国宝の井上萬二さんを祖父に持ち、有田焼の伝統技術をベースに、独自の感性と創造力で新たな表現を模索し続けています。

「井上萬二窯という有田の窯元の家に生まれた私の役割は、その伝統を次世代に引き継ぐこと。一方でただ伝統を守るのではなく、自分が作る意味というものを常に考え、自分らしく有田焼と向き合っていければと思っています」。

ファッションやストリートカルチャーに影響を受けているという井上さんの作品は、「釉滴」というドリッピング技法により偶発的に生まれる釉薬の景色が魅力。伝統の美に現代の感性をいかした新世代の有田焼です。

井上 祐希 さんの写真

いのうえ ゆうき

井上 祐希

1988年 佐賀県有田町生まれ。玉川大学芸術学部卒業後、アパレル企業に入社。2012年より祖父で有田焼の人間国宝・井上萬二氏に師事。有田焼の伝統技術を継承しながらも、自身が触れてきたカルチャーや感覚をもとにした新たな表現に取り組んでいる。

有田焼/井上祐希/天目銀滴汁碗(小)

佐賀県NPO支援

有田焼/井上祐希/天目銀滴汁碗(小)

25,000円

在庫: あり

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愛媛県 砥部町
和の伝統に北欧のデザインが融合
「Mustakivi」の砥部焼カップ

「Mustakivi」の砥部焼カップ

©︎ 2022 FLOW ERS Inc.

サイズ:口径約90mm×高さ約65mm
素 材:磁器
対応機器:電子レンジ 〇/オーブン ×/食洗機 〇

フィンランドを代表するブランド「マリメッコ」で長年テキスタイルデザイナーを務め、現在は陶芸家として活躍する石本藤雄さん。和のデザインと北欧のデザインを融合させた日本人として世界的に知られています。

「陶芸をやりたいと思ったのは、砥部町というやきものの産地で生まれ育ったからかもしれません」。石本さんがプロデュースする「Mustakivi(ムスタキビ)」は故郷・砥部町との縁から2017年にスタートしました。

伝統的な砥部焼にフィンランドのエッセンスが融合したうつわは、すっきりとしたフォルムに温かみのある色づかいが特徴。和食器とも洋食器とも相性が良く、普段使いにとても適しています。「産地の人々との結びつきを大切に、喜びのある日常につながるうつわをこれからも作っていきたいと考えています」。

石本 藤雄 さんの写真

いしもと ふじお

石本 藤雄

1941年愛媛県砥部町出身。フィンランドを代表するライフスタイルブランド「マリメッコ」で32年に渡りテキスタイルデザイナーを務める。陶芸家としても「アラビア」のアート部門に属し、表現力豊かな陶芸作品を多数生み出す。2020年より故郷の愛媛に拠点を移し、新たな創作が期待される。

[№5310-0124]Mustakivi (ムスタキビ)の砥部焼 カップセット【SEIJI/TENMOKU】

愛媛県砥部町

[№5310-0124]Mustakivi (ムスタキビ)の砥部焼 カップセット【SEIJI/TENMOKU】

23,000円

在庫: あり

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長崎県 波佐見町
ろくろを究める女性陶芸家
アトリエビスク太田祐子の日常のうつわ

アトリエビスク太田祐子の日常のうつわ

©️2021AtelierBisque

サイズ:盛り鉢=直径約180mm×高さ 約62mm
    小皿=直径約120mm×高さ約20mm
対応機器:電子レンジ 〇/オーブン ×/食洗機 〇

日常使いのやきものとして知られる「波佐見焼」の産地、長崎県波佐見町。ここで「日常食器でありながらも、食卓が華やぐような特別感のある器」をコンセプトに活動を続けているのが、アトリエビスクの太田祐子さんです。

女性として県内で初めて陶磁器製造の「一級技能士」、波佐見焼の「伝統工芸士」の資格を取得するなど、ろくろの技術は折り紙付き。陶芸作家としてだけでなく生地職人としても活躍し、多くの窯元から注文を受けるなど存在感を発揮しています。

そんな太田さんが手がける食器は、ペールトーンの淡い色彩とマットな肌が特徴で「ろくろならではの、手仕事の良さや表情が見える形が自慢です」。日々の食卓を美しく彩ってくれる太田さんのうつわを通して、波佐見焼の魅力を味わってください。

太田 祐子 さんの写真

おおた ゆうこ

太田 祐子

1977年京都府生まれ。大阪芸術短期大学部、京都精華大学を経て佐賀県立窯業大学校にて絵付とろくろを学ぶ。2008年に長崎県波佐見町にて「松原工房」を創業。その後も長崎県無形文化財ろくろ技術保持者の故中村平三氏に師事するなど、ろくろの技を磨き上げ、2019年に「アトリエビスク」として独立。

【波佐見焼】お花の盛り鉢と 小皿 のセット 白磁 取り皿 食器 大皿 【アトリエビスク】 [RD17]

長崎県波佐見町

【波佐見焼】お花の盛り鉢と 小皿 のセット 白磁 取り皿 食器 大皿 【アトリエビスク】 [RD17]

34,000円

在庫: あり

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埼玉県 鴻巣市
オブジェのような植木鉢を追求
セキグチタカヒトの「Opot」

セキグチタカヒトの「Opot」

©セキグチ タカヒト

サイズ:口径約180mm×高さ約130mm
素 材:陶器

芸術大学の最高峰である東京芸術大学で陶芸を学び、2012年より埼玉県鴻巣市を拠点に活動を続けるセキグチタカヒトさん。植木鉢専門の陶芸家として、うつわ好きだけでなく観葉植物などの愛好家からも人気を集めています。

大胆なひび割れが特徴的な植木鉢「Opot」は、アメリカへの留学で得たひび割れ技術と制作工程で偶然生じる亀裂をいかしたもの。一つひとつ手作業で仕上げているので、一点として同じものはなく、合わせる植物によって異なる表情を見せてくれます。

「大切に思う植物を僕の作品に植えることで、より植物を愛でる楽しみを感じていただけたら」。自身でも数百におよぶ植物を育てているというセキグチさん。植物への愛から生まれた存在感のある植木鉢「Opot」をぜひお楽しみください。

セキグチタカヒト さんの写真

セキグチタカヒト

1982年埼玉県生まれ。東京芸術大学・同大学院で陶芸を学び、2011年にタコマコミュニティカレッジ(アメリカ)に研究員として在籍。2012年の帰国後、埼玉県鴻巣市にアトリエを構えて制作活動を開始。「使うためのうつわ」をコンセプトに、植木鉢を中心とした作品を発表する。

No.221 陶芸家セキグチタカヒトの植木鉢 Opot Fireball Lサイズ

埼玉県鴻巣市

No.221 陶芸家セキグチタカヒトの植木鉢 Opot Fireball Lサイズ

60,000円

在庫: あり

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茨城県 笠間市
金属を思わせる新たな質感
沖誠の「炭化銀彩 ぐい呑」

沖誠の「炭化銀彩 ぐい呑」

サイズ:口径約80mm×高さ約80mm
対応機器:電子レンジ ×/オーブン ×/食洗機 ×

関東でもっとも長い歴史を有する「笠間焼」。自由な作風のやきものが作られてきた歴史ゆえに「特徴がないのが特徴」ともいわれています。この地で2007年から活動を続けているのが、元ジュエリーデザイナーの経歴を持つ沖誠さんです。

沖さんのやきものの特徴は、うつわの肌に大胆に施された「しのぎ」文様。黒い肌は、うつわを燻しながら本焼きする「炭化焼成」という手法によるもので、まるで金属のようにも思える新しい質感です。内側には美しい銀彩が施され、力強く華やかな沖さん独自の表現といえるでしょう。

「ギフトでも、ご自身のコレクションとしても、普段づかいでも、使ってくださる方が思い思いに楽しんでもらえたら」。異色の陶芸家が独自の完成をもって生み出すやきものは、近年、海外でも注目され始めています。

沖 誠 さんの写真

おき まこと

沖 誠

1975年静岡県生まれ。ジュエリーデザイナーとして活動後、2007年より笠間で陶芸家の伊藤東彦氏に師事。以降本格的に陶芸を学び、東日本伝統工芸展や陶美展などで入選を重ねる。「炭化焼成」技法による力強いたたずまいの作品を発表し、近年は海外での企画展に参加するなど活躍の場を広げている。

陶芸家 「沖 誠」作 炭化銀彩 ぐい呑 箱付【笠間焼】

茨城県笠間市

陶芸家 「沖 誠」作 炭化銀彩 ぐい呑 箱付【笠間焼】

35,000円

在庫: あり

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岐阜県 土岐市
香りを引き立たせる優美なフォルム
山田晋一朗の「白磁ワイングラス」

山田晋一朗の「白磁ワイングラス」

©︎2022 山田晋一朗

サイズ:口径約100mm × 高さ約170mm
素 材:磁器
対応機器:電子レンジ 〇/オーブン ×/食洗機 〇

優美な曲線が織りなすスタイリッシュなデザインのやきもので知られる陶芸家・山田晋一朗さん。TOYOTAの高級ブランド「レクサス」が扱うセレクトカタログに作品が掲載されたことで名を馳せ、企業や有名レストランからのオファーが絶えない人気作家です。

主役である料理を美しく引き立てるシンプルな白磁のやきものは、使い手を選ばず、どのようなシーンでも活躍してくれます。

こちらは果物をモチーフに制作したという白磁のワイングラス。きめ細やかな白磁の肌にワインの色が美しく映え、お酒を飲むひとときがより一層充実したものになりそう。「道具としての器だけではなく、その空間と時間を豊かにするモノを制作できたらと思っています」。

山田 晋一朗 さんの写真

やまだ しんいちろう

山田 晋一朗

岐阜県土岐市出身。多治見市陶磁器意匠研究所修了後、作家活動を開始。TOYOTAレクサスのセレクトカタログ「レクサスコレクション」に、やきもの作家として初めて掲載されて一躍有名に。以降も企業のプロジェクトやイベントへの出品、他分野作家とのコラボレーションなど、業界を超えて活躍を続けている。

【美濃焼】ワイングラス【陶芸家 山田晋一朗】【TOKI MINOYAKI返礼品】 [MAJ003]

岐阜県土岐市

【美濃焼】ワイングラス【陶芸家 山田晋一朗】【TOKI MINOYAKI返礼品】 [MAJ003]

18,000円

在庫: あり

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石川県 金沢市
九谷焼伝統の技が生きる和モダンなグラス
河村澄香の「朱巻唐草」

河村澄香の「朱巻唐草」

サイズ:口径約4.2㎝×高さ約17.0㎝
素 材:ガラス、磁器
対応機器:電子レンジ ×/オーブン ×/食洗機 ×

ガラスのボウルに九谷焼の脚が付いた華やかなグラスは、石川県金沢市で活動を続ける九谷焼作家・河村澄香さんの作品です。九谷焼らしい鮮やかな朱色に、伝統の「粒打」という技法であしらわれた唐草文様は、現代の暮らしにもマッチする和モダンなたたずまい。

工芸の街・金沢に生まれ、身近にやきものがある環境で育ってきたという河村さん。県の技術研修所で学び、一貫して九谷焼の技を磨いてきました。工芸の公募展にも入選を重ねるなど、九谷焼の伝統を今に受け継ぐ注目作家です。

「グラスとのバランスを重視し、唐草の曲線をできるだけ柔らかく表現しています。縁起の良い唐草文様のこのグラスで、日々のおうち時間がより楽しくなり、軽やかな気分になっていただけたら嬉しいです」。

河村 澄香 さんの写真

かわむら すみか

河村 澄香

1981年石川県金沢市生まれ。2000年石川県立工業高等学校工芸科卒業。2002年石川県立九谷焼技術研修所本科修了。2003年同上研究科修了。九谷焼窯元での勤務を経て2017年に「陶芸工房いろどりや」を開設、制作活動を行う。

受付終了

酒グラス 朱巻唐草 九谷焼  石川 金沢 加賀百万石 加賀 百万石 北陸 北陸復興 北陸支援

石川県金沢市

酒グラス 朱巻唐草 九谷焼 石川 金沢 加賀百万石 加賀 百万石 北陸 北陸復興 北陸支援

77,000円

在庫: あり

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