まちなおしから、まちづくりへ 3.11それぞれのストーリー

まちなおしから、まちづくりへ 3.11それぞれのストーリー

「3.11」
この言葉は2011年3月11日を境に大きな意味を持つ言葉になりました。
ふるさとチョイスはこれまでにも継続的な支援に繋げるべく、特集を組んできました。
震災発生から11年目の今年は復興の現状などについて岩手県陸前高田市、岩手県大槌町、
また各地域で活躍される皆さんへお話を伺いました。

岩手県陸前高田市

海に面し津波による甚大な被害を受けた陸前高田市。
建物、インフラ復興などのまちなおしは着実に進む一方で、
住民の方々の地域コミュニティ形成などソフト面でのサポートが引き続き必要です。
今回の取材では陸前高田市の復興まちづくりの現状について
地域振興部商政課の遠野さんにお話を伺いました。

陸前高田市地域振興部
商政課ブランド推進係 係長 遠野 正隆さん

陸前高田市の復興の現状

陸前高田市の復興の現状については、建物やインフラといったハード面の整備が2021年度でほぼ整備が完了し ます。一方、震災時に住宅などが津波で流されてしまい引っ越しを余儀なくされ、震災前に住んでいた地域から別の地域へ移り住んだ方も多くいらっしゃいました。特に一人暮らしの高齢者の方は、新しいコミュニティに馴染めなかったり、関わるきっかけが掴めなかったりすることで孤独な状況に陥るケースがあります。そのため、そうした方々と地域のコミュニティを結びつけることや、新たな地域コミュニティ形成など、具体的な施策による課題解決が重要だと考えています。

  • 被災直後
  • 現在

ふるさと納税と復興

皆様からご寄附いただいたふるさと納税の寄附金は、地域の見守り活動や、地域コミュニティの再生に大きな役割を果たす、各地区の自治会館の建設費用の補助や、コミュニティ活動への補助金として活用し、地域コミュニティ活動を生かした協働によるまちづくりの推進に役立てています。

他にも、返礼品として提供しているりんごや、ワインの原料となるぶどうなどの果物の樹木の植え替えに要する費用の補助など、地域の産業振興へも活用させていただき、新たな復興へのまちづくりに向けた取り組みを続けています。

事業者のまちづくりストーリー

1 Uターン起業で地域を元気に 復興の希望となる海辺のワイナリー ドメーヌミカヅキ

知識を経験を携え地元に戻り、ワイン造りで本当の意味での町おこしを

高校生の時に震災を経験。関東の大学を卒業後、ワインの専門商社や世界各地のワイナリーで経験を積み、2020年に陸前高田市へUターンしドメーヌミカヅキを起業。陸前高田市で自ら育てた葡萄とリンゴでワイン、シードル造りを行う及川さんにお話を伺いました。

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果樹植え替え補助を活用し苗木を購入

親戚から譲り受けた土地を開墾した後、ブドウやりんごの苗木を購入して植える際の補助として果樹の植え替え補助を活用させて頂きました。Uターン前には補助が手厚いことは何となくは知っていました。植え替える苗木の量も多いため、実際に活用して大変助かった記憶があります。

知見を活かした本物のワインをお礼の品に

ようやく苗木の植え替えや育成も進み来年にはふるさと納税の返礼品にもワインを出せるかなと思っています。ワインの商社での経験を活かして販売していくための販路も色々と考えていますが、地域に還元できることも同時に考えています。ふるさと納税は、全国の方に陸前高田市産のワインを知ってもらう機会として非常に合っているなと感じました。

震災復興から未来へ繋げる

3.11当時は高校2年生で、これから自分がまちづくりに何かできるのかと考え続けていました。食を軸にまちづくりとの掛け合わせで、陸前高田市の風土を活かしたワインを造る事に決めた背景があります。陸前高田市から美味しいワインを皆様へお届けし、まちづくりに繋げていきたいです。

岩手県大槌町

岩手県の沿岸に位置し、リアス式海岸の美しい景観など
貴重な観光資源に恵まれた岩手県大槌町も、
津波により大きな被害を受けた地域のひとつです。
まちなおしから魅力あるまちづくりへ、前向きに取り組む大槌町のいまについて、
大槌町企画財政課の黒澤さんにお話を伺いました。

大槌町企画財政課 黒澤 聖弥さん

まちなおしからまちづくりへ

震災後建物やインフラ面での復興は一定進みましたが、人口が18,000→12,000人へ減少していることもあり、今後は人口を増やすためにも産業振興、移住定住における具体的な施策の支援をしないといけないと考えています。
特に産業の柱である水産物の漁獲高は震災の影響による漁師減少に伴い漁獲高が減少しています。そこで担い手不足解消のための取り組みとして「いわて水産アカデミー」が始まり、新たに4名の漁師が誕生するなど、一歩一歩改善に向けての施策を進めています。

  • 被災直後
  • 現在

ふるさと納税の使い道について

保育園の完全無償化、磯焼け対策(昆布を食べてしまうウニの間引き)、害獣駆除、大槌町の祭りサーモン祭りの運営費、震災で損壊した大槌駅の復旧、防災MAPの作成、新規就農者への補助金、など多岐に渡り活用をさせていただいています。特に保育園の補助に関しては3億円の事業費に対して2,300万円程度を充当させていただき、地域の子育て事業において大切な財源となっています。

大槌町の返礼品を選んで頂いた皆様には改めて感謝しております。返礼品で食を楽しんでいただくことに加えて、実際に大槌町にお越しいただき、現地の景色や地元の食材を味わっていただきたいという想いがあります。三陸鉄道や宿泊施設を活用し、毎年6月開催の「サーモン祭り」やその他観光スポットも楽しんでいただけるよう、今後は観光内容の磨き上げなどのまちづくりにも力を入れていきます。

事業者のまちづくりストーリー

2 地域の雇用とコミュニティを支える女性たち 人と人を結ぶ手仕事 大槌刺し子

震災時に地域の女性たちが力を合わせて作った「大槌復興刺し子プロジェクト」

「大槌刺し子」は、震災時に地域の女性たちが「何かできることはないか」との想いから誕生しました。これまでに良品計画やオンワードといったメーカーの商品制作を手掛けるなど事業としても成長をしています。地域の女性たちのコミュニティの役割も果たす「大槌刺し子」の活動に参加する黒澤さんと佐々木さんのお二人にお話を伺いました。

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避難生活の中でできることを探して

震災当時自宅が損壊した方は体育館に避難していました。その際男性はがれき撤去などの力仕事、女性は食事の支度などが中心でした。
東京からボランティアできた方が中心となって女性たちと何かできないかと声掛けがあり「刺し子」はどうかというアイデアから「大槌復興刺し子プロジェクト」が誕生しました。

内職から始まった「刺し子」

私は震災当時に元々の仕事を失いました。その後復興事業で震災前の大槌町の地図に現在を重ねて地形を残す仕事に就いていた際、「大槌刺し子」の存在を知り、当時子育てをしながらもとにかく仕事をしなければという想いから刺し子の内職を始めました。続けていくうちに「町のためにもっと何か出来ないか」と感じ、大槌刺し子のことをより多くの人に知ってもらえるよう発信することが地域貢献になるのではと考えるようになりました。

女性たちの元気でまちのほころびを修復

町のお母さんが元気になることで、大槌町のほころんだ部分を修復していけると思います。
当初は「大槌復興刺し子プロジェクト」の名称でスタートしましたが、「復興」の2文字が取れて「大槌刺し子」となった今後も、まちづくりに貢献できるよう事業を続けていきたいです。

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