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世界に一つだけの竹竿「紀州へら竿」を未来に引き継ぐために!

カテゴリー:伝統・文化・歴史 

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寄付金額 1,005,000

20.1%

目標金額:5,000,000

達成率
20.1%
支援人数
18
終了まで
受付終了

和歌山県橋本市(わかやまけん はしもとし)

寄付募集期間:2016年7月4日~2016年8月28日(56日間)

和歌山県橋本市

プロジェクトオーナー

◆へらぶな釣りファン垂涎(すいぜん)の的である「紀州へら竿」は100年以上の伝統を受け継いだ手作りの竿。完成までに半年以上を要し、1本1本に「竿師」の魂が宿るといっても過言ではありません。◆しかし、釣り場の減少や海釣り人気でへらぶな釣りをする人が減りつつあることなどに伴い、最盛期では約150名いた竿師も現在では38名(紀州製竿組合員)にまで減少しています。◆この伝統的工芸品を継承していくために紀州製竿組合では、後継者育成にも力を入れていますが、一人前の竿師として独立していくことは容易ではありません。◆ここにしかない伝統的工芸品を残したいとの思いから、今回のGCFを企画いたしました。ご支援をよろしくお願いします。

このクラウドファンディングは『ふるさと納税』対象事業です!

ふるさと納税とは、自治体への寄附金のことです。個人が2,000円を超える寄附を行ったときに住民税のおよそ2割程度が還付、控除される制度です。
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◇へらぶな釣りをご存知でしょうか?

 静寂につつまれた池の畔で、一本の竿に釣り糸を垂らし、じっと浮きを見つめる。
 やがて浮きがゆらゆらと動きだし、ツン!と沈む瞬間に竿を上げると、ググウ~ッと竿が大きくしなり、手元に心地よい引きが伝わる。鮒がかかった合図だ。
 竿先が右へ左へと振られる。胸の高まりがとまらない。
 やがて竿のしなりが自然と鮒を持ち上げてくれ、水面へと姿をあらわす。玉網で鮒をすくい、針を外してそっと池に返す。竿を握る手にはまだ鮒との駆け引きの感覚が…。充実感を抱きながら、その目はまた浮きを見つめている。

 へらぶな釣りは食べるための魚を釣るのではなく、鮒との“駆け引き”や“釣り味”を楽しむための釣りです。魚の豪快な引きを楽しむ釣りが「動」の釣りなら、へらぶな釣りは「静」の釣りといえるでしょう。
 そんなへらぶな釣りを最も楽しませてくれる道具が『紀州へら竿』です。職人である竿師が、天然の竹を材料に1つ1つ手作業で作り上げた竿で釣る“釣り味”は、カーボンやグラスファイバー製の竿とは違い、格別な深い味わいがあり、愛好家たちを魅了する憧れの逸品です。


◇100年以上の伝統を受け継ぐ
 国の伝統的工芸品

 紀州へら竿は、真竹(まだけ)・高野竹(こうやちく)・矢竹(やたけ)という3種類の天然の竹を原料とし、それらを組み合わせて釣り竿(継ぎ竿)にします。山の中で厳選した竹を採取し、1本の釣り竿にするまでには細かい作業を含めると130もの工程が必要です。
 竿を完成させるのに、半年以上の製作期間を要しますので、竿1本1本に職人である竿師の魂が宿るといっても過言ではありません。

竿作りの主な工程

・原竹の乾燥
 数週間から数ヵ月間の天日干しの後、室内でじっくり乾燥させる
・生地組み
 どのような竿の長さ・調子(しなり)にするのか竹のクセを見極めながら、
 竹の組み合わせを決める。
・火入れ
 原竹を炭火であぶり、矯め木(ためぎ)という道具で竹のクセを矯正するとともに、
 竹の繊維を引き締め、反発力を高める。竿作りの中で最も重要で根気の必要な工程
・中抜き
 竹竿の内側に細い竿をしまえるようにキリでふしを抜く
・絹糸巻き
 竿の継ぎ目を丈夫にし、割れを防ぐために絹糸を巻く
・漆塗り
 継ぎ目の強度をより高めるため、絹糸を巻いた部分に漆を塗り込み、
 ひと晩乾かしてから漆部分をペーパーで研ぎだす。この工程を何度も繰り返し、
 継ぎ目から水分が浸透するのを防ぐ
・握り
 竿師の特徴が最もあらわれる握りには、蒔絵や螺細(らでん)などの伝統的手法で
 装飾を施し、芸術的な竿へと仕上げていく
・穂先削り
 どの方向からの力にも耐えられるよう、角材状に割った4本の真竹を張り合わせ、
 刃とやすりで細く削り込む
・胴漆塗り
 漆を指先で丹念に塗り込んだ後に拭き上げる。色艶が出るまで何度も繰り返す

 高野山の麓で竹竿に適した原竹が採れることから、橋本に紀州へら竿の産地が形成され、以降100年以上にわたってこうした技法が継承されてきました。現在では竹竿の約90%が橋本で製造されており、その伝統的技法や製造過程が認められ、平成25年に紀州へら竿は国の伝統的工芸品に指定されました。

 しかし、全盛期では150名以上いた竿師が現在では38名(紀州製竿組合員)にまで減少しています。世界に誇るこうした技法を継承していくためにも、後継者の確保と育成が課題です。


◇竿師の後継者を育成する「匠工房」

 紀州製竿組合では、竿師の後継者を育成するための学校として平成18年10月に匠工房(たくみこうぼう)を開校しました。
 従来は職人の世界で行われてきた親方が弟子をとり、技術指導から生活の面倒までをみるという“師弟制度”で新たな人材を確保してきましたが、この制度だけでは日本一の産地として維持していくだけの人材を集め続けることが難しくなってきました。いかに紀州へら竿が優れ、愛好家の支持を得ようとも新たな竿師の誕生がなくては、業界の先細りは避けられません。

 そこで新しい取組みとして、空き家を借りて道具をそろえ、学校形式で竿師の親方が交代で志願者を養成したのが匠工房の始まりです。匠工房では一人の親方のみではなく、複数の講師から習うことは平均的な技術レベルを知ることと、各親方の優れた技術を習得できる利点があります。また、2年間の基本カリキュラムで基礎技術を習得した上で、師弟制度に編入できるので、竿師への独立を早めることも期待できます。匠工房では、これまでに7名の後継者を養成し、現在も竿師を目指す後継者を募集しています。


◇試験研究池「隠れ谷池」

 橋本市清水にある隠れ谷池(かくれだにいけ)は、昭和40年に紀州製竿組合の試験研究池として開設されました。竿師が作った竹竿は、自分が思い描いた調子やバランスになっているか、竿師自らが試し釣りをして完成となります。納得のいく竹竿のみが顧客である釣り師のもとに届けられるのです。
 また、全国にある釣り池の状況はすべて異なりますので、釣り師が竹竿に求めるニーズも多種多様です。「この竹竿で1日中楽しい釣りができた!」と楽しんでもらえるよう、竿師たち自身も隠れ谷池での研究は欠かせません。

 現在は一般開放されていますので、土日は朝早くから多くの釣り師や子どもたちに利用されています。誰もが利用しやすい施設になるよう駐車場やトイレが整備されましたが、今後は老朽化した浮き桟橋や管理棟などの改修・整備なども必要となってきます。


◇一人でも多くの人に知ってもらいたい

 紀州製竿組合では隠れ谷池を利用して竹竿愛好家による釣り大会を開催したり、地元の子どもたちに竹竿を知ってもらうための竿作り教室を開催したりと普及活動にも取り組んでいます。また、竿師が全国の釣り池を訪れて釣り師と竿を並べてコミュニケーションを図りながらの販売促進も行っています。
 ある休日、子どもたちとへらぶな釣りをしていたボーイスカウトの代表は、「他県の団体との交流事業で、地元の竹竿に触れてもらい、へらぶな釣りを知ってもらおうと企画した。紀州製竿組合の川崎組合長が竹竿の使い方から釣り方まで教えてくれ、普段はできない体験に子どもたちも喜んでいる」と語ってくれました。紀州製竿組合では、へらぶな釣りに興味を抱いてもらい、竹竿を使ってもらえる人を一人でも増やすための活動に今後も力を入れていきます。


◇紀州へら竿を継承していくための課題

(1)竿師の後継者不足
   紀州へら竿を製造する竿師の高齢化が進み、後継者が不足
(2)研究池の改修費用の不足
   紀州へら竿の研究や試験釣りをする隠れ谷池の浮き桟橋や管理棟などが
   老朽化し、改修費用が不足
(3)売上の減少、販路拡大
   炭素繊維を使用した安価なカーボン竿の普及により、産地の生産が減少。
   新たな愛好家への販路開拓のため、へらぶな釣りの普及


伝統を守るため、皆さまからのご寄附をお願いします!

 100年以上もの伝統を誇る「紀州へら竿」。この伝統技術を絶やすことなく後世に残していくため、そしてこの伝統産業の活性化のため、橋本市は「紀州へら竿」の存続を目指します!
 皆さま、ぜひ一度へらぶな釣りをしてみてください。そして、機会があれば竹竿に触れてみてください。そこには日本が後世に残さなければならない、手作りでしか味わえない大切なものがあります。皆さまのご協力、ご支援をお願いいたします。

■使い道について
皆さまからいただいた寄附金は、「紀州へら竿」の伝統を守るため、次のことに使わせていただきます。
※いただいた寄附金は、基金として積み立て、後継者育成や浮き桟橋改修などに使わせていただきます。

(1)後継者育成学校「匠工房」の支援
   平成18年以降、これまでに6名が竿師を目指して匠工房を卒業しました。
   現在も1名の若者が匠工房での基本カリキュラムを受けています。
   皆さまのご寄附により、新たに2年間で2人の後継者育成を目指します。

(2)「隠れ谷池」の整備支援
   老朽化した「隠れ谷池」の浮き桟橋や管理棟の改修、整備支援を進めていきます。
   また、子どもや親子連れにもへらぶな釣り体験ができる機会を積極的に提供します。
   さらに、紀州へら竿を知ってもらうことで、伝統的工芸品の継承と、
   販路の裾野を広げることにも繋げていきます。

■返礼品について
 12人の匠がつくる紀州へら竿や針はずし、ハサミケースなどの釣り関連製品のほか、橋本市特産品のぶどうや柿をお送りさせていただきます。
 紀州へら竿は注文を受けてからのオーダーメードとなります。竿師と調整していただいた上で製作し、完成まで半年から1年を要します。釣り関連製品につきましても、製作に2ヶ月前後いただきますこと、ご了承ください。


現在進捗情報はありません。

和歌山県橋本市

橋本市は、和歌山県の東北端、自然豊かな紀伊半島のほぼ中央に位置する人口約65,000人のまち。

中世では、京から高野山に至る高野街道の宿場町として栄えました。江戸時代には船継問屋場として、また大和街道・高野街道を往復する伝馬所として、地方物産の集散地としてこの地方の中心地となりました。

平核無柿、富有柿、巨峰などの特産品が人気。鶏卵は、県内の生産量の約50%を占めています。「パイル織(編)物」は、日本一の生産高を誇り、高級毛布、インテリア・衣料・寝装用品など、あらゆる分野にわたり国内外で広く愛用されています。100年以上の伝統を受け継ぐ「紀州へら竿」は、全国シェアの大半を占め、平成25年に国の伝統的工芸品に指定されました。橋本市は「紀州へら竿の里」と呼ばれ、ヘラブナ釣り愛好者羨望の竿はここから生まれています。

  • GCFとは?

このプロジェクトへの応援メッセージ

  • 貴重な伝統工芸を絶やすことなく引き継いでください。

    2016年8月27日 11:11

  • 綺麗な竿に感動しました。
    ささやかですが応援します。

    2016年8月27日 11:07

  • 頑張ってください!

    2016年8月27日 10:59

  • 竹を接いで竿を作って、折れないんですね!
    日本の技術素晴らしい!
    日本の宝ですねー
    みんなで、応援しましょう!

    2016年7月19日 12:48

  • 日本の伝統工芸を是非続けて欲しいので微力ながら協力させて頂きます。日本の素敵な素晴らしい文化がなくならないよう頑張ってください。

    2016年7月17日 9:59

  • 竿師の魂がこもったらこの素晴らしい伝統工芸品をいつまでも引き継いでください。
    楽しくへらぶな釣りが出来る隠れ谷池を残してください。
    心から応援しています!

    2016年7月12日 23:12

  • 「紀州へら竿」頑張って!! 
    いつも橋本市の「隠れ谷池」でへら鮒釣りをしています。
    日本の伝統的工芸品「紀州へら竿」の技術を継承していくために、若手の竿師の方には頑張ってほしいです!

    2016年7月12日 15:46

  • 地域の伝統産業をこれからも守り続けてください!ぶどう大好きなので嬉しいです!

    2016年7月10日 15:46

  • 素晴らしい紀州へら竿を未来へ残しましょう!

    2016年7月6日 19:40

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